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自作教材紹介【算数/数学】「九九カードでかけ算の量を視覚的にイメージしよう」

今回は小学校2年にして算数人生を決定してしまうとも言われる…|九九《くく》に関する教材です。

(画像は学習プリント.comより)

いろいろな九九のつまずきポイント

別の記事でも紹介しましたが、人には視覚優位や聴覚優位といったそれぞれに得意な認知があります。

九九は「いんいちがいち、いんにがに、……くくはちじゅういち」というように唱えて覚える方法が一般的ですが、目で見て覚えるのが得意/耳で聴くのが苦手なタイプの子たちは苦戦してしまうかもしれません。

耳で聴くのが苦手なタイプ

音の聞き分けが苦手な子たちは、九九の暗唱途中で、何を言っているのかわからなくなることがあるようです。

特に「4(し)」と「7(しち)」、「1(いち)」と「7(しち)」などの音の違いが聞き分けにくいようで…「さぶろく18!さんしち12!(しちの聞き間違い)」などと間違って覚えてしまったりするようです。

なので4は「よん」、7は「なな」のように聞きやすい読み方に変えてみてもいいかもしれません。

4の段は「よんいちが4、よんにが8、…」
7の段は「なないちが7、ななに14、…」

また呪文やお経のように意味をわからずに唱えて丸暗記しようとしてしまうと、思わぬ落とし穴があるようです。

数字ということに気づかずに「さぶろく54!」などと間違った覚えてしまう(「3の段」は3のかけ算で「3」が共通と知らなかった、「さぶ(=3)ろく(=6)」の意味がわかっていなかった」)

「〇の段」が明確に色分けされていたり、読み仮名と数字が一致しているような九九表を利用するのがよいそうです。耳だけでなく目で見て数字と音をマッチングしましょう。

(画像はよつばCOLORSブログより)

また九九では、1つの数字を色んな言い方で唱えますよね。

例えば、3は「さん」「さぶ」、8「はち」「はっ」「ぱ」「わ」「は」などです。

先ほどのように「〇の段」が明確に色分けされていたり、読み仮名と数字が一致しているような九九表を利用する、「8」とわかるような唱え方に統一するようにしてもいいかもしれません。

「にはち16」「さんはち24」
「よんはち32」「ごはち40」

目で見て覚えるのが得意なタイプ

目で見て覚えるのが得意な子には、九九表を見て、決まりを自分で見つける方法もおすすめです。

(画像はがんプリより)

九九表をじっくり見て、表の中で数字がどのように変化していくのか、かける数が1増えるとどうなるのかなど、決まりを自分なりに考えていくのです。

かけ算の概念やしくみを理解するために

さて、かけ算で大切なのはなんでしょうか?

それは九九を早く言うことでも暗唱することでもなく、かけ算の概念やしくみを理解することです。それができていないと、上の学年でつまずいたり、生活の中でかけ算を活用することが難くなってしまったりするかもしれません。

視覚的にかけ算の量をイメージできる資料もいくつか発見しました。

(画像はFUNDOより)

(画像はTwitter@LimgTWより)

(画像はTwitter@gervillariaより)

教材「九九カード」

若干紹介したものと重なる部分はありますが…かけ算の増えていく量をイメージできるようにと思って作ってみたのが「九九カード」です。

数量が視覚的にイメージできるよう、数字を●で表しています。量がイメージできれば、生活の中でかけ算を活用することや、割り算や面積の学習にも繋がります。

データのダウンロードはこちらから。印刷した式と答えを表裏に張り合わせてフラッシュカードのようにしてもいいかもしれませんね。

読み方を工夫したバージョンも作成しました。

まとめ

僕自身は社会科教員で小学2年生に九九を直接指導した経験はありません。でも、子どもの得意な認知を活かすことの大切さは知っています。

別の記事でも紹介しましたが、子どもたちの誤りを分析すると、間違えの原因やその子の特性、得意な認知が見えてきます。

視覚的に九九を学ぶ方法があることが広がれば、その子に合った学び方に繋がるかもしれません。

保護者や教員となる僕たちが学んできた方法が、目の前の子どもたち全員に合うとは限りません。

「九九は唱えて覚えるもの」という固定観念から離れてみて、子どもたちの得意を活かす多様な学び方が広がればいいなと思います。


参考にしたサイト

1.よつばCOLORSブログ「算数のつまずきを考える⑥ 「九九が覚えられない!」の理由」

2.だいじょうぶだよ 普通学級でがんばる君のために「九九の覚え方にはコツがある!子どもに分かりやすい教え方を徹底解説」

3.FUNDO「これは画期的!九九をビジュアル的に覚えやすくなる表が話題に!」

4.礼育「どんな子どもでも九九がこんなに簡単に!?」

5.どたんば!で、夢をつかむブログ「【九九の覚え方】うちの子に一週間で教えた方法を説明します【小学校二年生】」

6.素敵なおうちに住みたいな「九九の簡単な覚え方ってある?掛け算表を手作りしてみました。」

7.お安く子ども英語!~English On A Budget~「最強!仕上げの九九かるた~楽勉風~」


表紙の画像は九九カードの一部です。