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本物の「エンターテインメント」に携わっている(一個人の想いです)

あることがきっかけで、
少し昔のことを思い出しました

山梨県の遊園地にある怖くて有名なお化け屋敷、ご存じですか
そう。あの、廃墟の病院を自力で歩かないといけないところです

私は、2度行きました

とはいえ1度目は、券まで買って猛暑の中1時間並んだのに、最初の部屋で怖すぎて途中棄権…

リタイア専用の裏道を案内されている道すがら、病院の裏側に来ました
ふと建物を見ると、窓が開いています
その中に、顔が真っ白の男の人たちがちらりと見えました…!

が、怖くは、ない…
おばけメイクの途中の男性だと丸わかりだったのです

さらに進むと、また窓が少し開いています
今度は発声練習をされていたようで、やはり明らかに人間の声

窓の閉め忘れでしょうか…いろいろな意味で、見てはいけないものを見た気がします

案内係の方に「今、おばけさんが、見えてしまったかもしれません」と一応報告をしました

すると、係のお兄さん
「ああ、暑いですから、窓開けてたんですね」と、あっけらかんとした様子
もちろん本物のおばけではないことはみんな知っていますが、それが公になると良くないのでは、と心配になりました

それから数分で通常の出口に到着
出口は黒い幕がかかっていて、そこから悲鳴とともに数名の男子大学生らしき人たちが転がり出てきました。ひとりは、顔を真っ赤にして泣いていました 

「ね?人がやってるとわかっても、こんなに怖いんですよ」

お兄さんはお化け屋敷の担当とは思えぬほどさわやかな笑顔でそう言いました


数年後2度目のチャレンジ
人にしがみつきながら何とか最後まで歩き、いえ走りきりました。もちろん顔を真っ赤にして鼻水まで垂らして…

お化けが人間だと知っていても、メイクして発声練習をしているとわかっていても、まあ怖いことったらありませんでした
これだけのエンターテインメントを作り出し、維持し、進化させるのは本当にすごいと思います 並大抵の努力ではできないでしょう

スタッフさん、舞台を整える方、照明や音声さん、メイクさん、そして演者さんら…
多くのプロたちが心血そそぎ、命を燃やし、プライドをかけて挑む日々の積み重ねでしょう

さて、ここからが本題です
例えば、そのお化け屋敷に並ぶお客さんの前で、

「おばけは人間だ。みんな練習してるぞ」と叫ぶ人がいたとします

驚くほどのナンセンスです

ましてやその場に立ち、お金をもらっている元仲間だったとしたら猶のこと

人の笑顔を奪う人間に、エンターテイナーを名乗る資格があるのでしょうか


「千原ジュニアの座王」を7年間担当しています

そこまで私の仕事はありませんが、この番組を担当していることを誇りに感じています
MCを筆頭に、演者さん、スタッフ、情熱を持ったプロたちと仕事をしているからです

馬鹿な表現になりますが、
芸人さんたちの脳みそは本物です
天才的な発想に何度背筋が震えたことかわかりません

また、台本に用意している決まった件などはありません
現場はとてもひりひりした空気でやっています

その場で、人生をかけて追求する笑いを披露する芸人さんたちを
スタッフ一同、私も含め尊敬しています

そんな方々の真剣勝負に見合う場を作るべく
制作陣は文字通り血反吐を吐くような準備をしています
カメラ・音声・照明・大道具・美術・宣伝・編成・メイクの皆さんも情熱をもって番組を支えています

そして、誰よりも芸人さんを愛しているMCという要がいる

だからこそ、この番組はたくさんの方に愛していただいていると思います

座王は「真のエンターテインメント」です
近くで見続けてきた人間として、断言できます

これからも変わらず、皆さんの笑顔が見られることを、心から祈っています

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