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特別支援学級の進路

支援学級主任をしていたことや、6年生の担任の経験が数回あることから、「6年生の特別支援在籍児童の保護者」から進路の相談を受けることが何回もありました。春の時期ではありますが、進路のことは一年中、常に頭にある保護者の方も多いと思いますので、僕がいつも保護者に話す内容をnoteにまとめます。

まず進路決定において最も大切にしてほしい点は
「6年生の児童本人の意思を最優先にしてほしい」ということです。

もちろん児童の発達段階によりますが、6年生にもなれば自分の人生にも関心が出てくる児童も多いはず。進路という自分の暮らしの行き先を決定するような重大な事案については、なるべく児童本人の意思を優先してあげてほしいということです。それは今後、どんな形であれ親元を離れて自立していくことを目指すのであればなおのこと必要なステップであると思うのです。

もちろん、児童の見えている世界というのは、保護者の方のそれと比べれば圧倒的に狭いです。おそらく「友達がいるから」とか「家から近いから」とかそのような理由で進路を選ぶこともあるでしょう。しかし、それを否定してはいけません。だって、子供はそういうものでしょう。それを否定したところで、分かり合えることはまず無いでしょう。

では、保護者には何ができるのか。

それは「選択肢を増やしてあげる」ことです。

支援級在籍児童の公立小学校からの進路としては、
①地域の公立中学校(友達が多い、近いなど)
②特別支援学校
この二つが浮かぶと思います。しかし、この二つの選択肢、両極端なのです。

①については、学力への不安があるでしょう。また、小学校よりも厳しい学習規律への不安もあるでしょう。万が一にでも、不登校になったらどうしよう・・・。こう考える保護者の方も多いと思います。

②については、未知への不安があると思います。これについては、実際に見学に行くということである程度解消されます。小学校を通じて、見学会などに参加してみることをオススメします。知ることで、選択肢が増えます。

さらに、僕は第3の選択肢をお伝えします。
③地域の私立学校
これは、住んでいる自治体にもよるので、全ての方にはオススメできません。
しかし、もし、お住まいの自治体に私立の中学があるのであれば、是非、見学や相談に行かれることをオススメします。

公立中学校の特別支援の体制は、小学校のそれと比べて、支援の体制が弱いことが多いです。それは中学校の生徒の人数の多さと、支援学級の少なさに起因すると考えてます。障害の程度によっては、在籍しているにも関わらず、全く支援が受けられないということもあるそうです(中学校先生談)

それに比べて、私立中学の中には、比較的手厚く特別支援学級を支援してくれる体制を整えているところもあります。この辺りは私立も特色を発揮しやすいところでもあるのでしょう。

子供は自分の見えている世界が全てです。それは何も悪いことではありませんし、それを否定してしまっては、何も意味が無いばかりか、子供の保護者の方への不信感にも繋がりかねません。それならば、保護者の方にできることは、進路の選択肢を増やしてあげること。これに尽きます。その集めた選択肢は選ばれないかもしれませんが、その思いは子供に伝わるはずです。

以上が、僕がほぼ毎回必ず話す内容です。誰かの参考になれば幸いです。