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教育勅語の現代語訳(小野雅章氏による)

敎育史研究で有名な小野雅章氏による教育勅語の現代語訳です。
小野氏の近著『教育勅語と御真影』は読みやすくおすすめです!

教育勅語現代語訳

天皇の位置にある私が思うに、私の祖先である神々や歴代天皇がこの国を確立したのは遠い昔のことであり、道徳を育ててきたことは奥深く重要である。お前たち臣民は、よく忠に励み孝を尽くして、国中の人々が皆心をひとつにして代々美風を創り上げてきた。これは、日本の国柄の最も優れた点であり、教育の根源もここにある。汝ら臣民は、父母に孝行し、兄弟姉妹は互いに仲良くし、夫婦は互いに睦みあい、友人はともに信じあい、他人に対しては礼節を守り自分自身には慎み深くし、慈愛を広げ、学問を修めて実業を習い、それにより知識を広め道徳性を高め、進んで公共の利益を拡大して世の中に必要な事業を興し、常に憲法を尊重して法律をよく守り、もし、緊急事態が起こった場合は、人として守る正義により国家に尽くすことによって、尽きることなく永遠に続く皇室に身を捧げるべきである。これは、私の忠良な臣民のみならず、その祖先が残した美徳を広く示すことになろう。
ここに示した道は、実に私の祖先である神々や歴代天皇による遺訓であって、天皇である私の子孫、およびお前たち臣民がともに守るべき者であって、これは現在・過去を通じて間違いのないものであり、外国においても通用するものである。天皇の位置にある私は、お前たち臣民とともにこの道をしっかりと守り、その道をひとつにすることを期待する。
(上記は文部省『聖訓の述儀に関する協議会報告』掲載の「教育に関する勅語の全文通釈」をもとにしながら、小野雅章氏が現代語訳したもの)


教育勅語の内容は如何だったでしょうか。今でも保守の考えを持っている人を中心に教育勅語の教育利用を進めたい人は多いです。ということは、保守VS開明のような明治時代の構図は、令和の現代でも通用するとも考えられますね。