「好き」を突き詰めたら仕事になっていた season final ー good for me 最後に残ったもの


好きをテーマに書き綴るこのシリーズもいよいよ最後となりました。

過去シリーズはこちら

「好き」を突き詰めたら仕事になっていた
https://note.com/megane5963/n/nff36d0a353ad

「好き」を突き詰めたら仕事になっていた season 2 not for me
https://note.com/megane5963/n/n0527c81a6862


さぁ、自由とワクワクを求め、妻を東京に残して単身沼津に渡ったクリハラの人生やいかに。



ー ホテルを作るぞ! ー
場所は静岡県沼津市。
愛鷹(あしたか)という山のふもとに位置する標高100m程の緑に囲まれた公園。

ここに来た大きな目的は2つ。
・地元の人たちに愛されてきた少年自然の家をリノベーションして最高のホテルを作り、運営する。
・このホテルと街でイベントを開催し、ボードゲームの普及活動を行う。

現場のホテルに泊まりながらホテルを作りながら、メンバーと生活をする、プライベートと仕事が入り混じったカオス現場でした。

カオスな現場でしたが、ユニークな仲間がどんどん増えていったり。
虫、鹿、夜空、空気、小鳥のさえずり、台風、水漏れ、灼熱、極寒
自然の素晴らしさと厳しさを身体で感じる日々で退屈とは無縁の日々でした。

騒がしく色んなものが移ろい変わる忙しい都心から離れた場所で生活することでトゲトゲしていた自分の心にやっと「余白」が生まれました。
もう、余白を通り越して「怠惰」でした。

順調にレンタルグッズを揃え、ボードゲームもどんどん増えていき、最高に面白い遊び場所が出来上がると思っていました。




ー 突然ですが、解雇です! ー
さぁ、約一年の準備期間を経て、いよいよオープン!
オープンと同時に超予約殺到!
ZIPなどの情報番組に取り上げられたり、へそ出しのインスタグラマーが来たりと、現場はテンヤワンヤ!

当時4人で回していたホテルはあっという間にキャパオーバー。
余白はすぐに真っ黒く塗り潰されていきました。
準備中に見たみんなの笑顔は消え失せていき、情けないことにもっとも火が消えかかっていたのは私でした。


「自分がやりたいこと」「やるべきこと」「求められていること」

バランスが取れず、日々悶々とするばかり。

雨はいつか止むじゃない、今降っている雨に耐えきれない

という迷言があるのですが、何度も脳裏に浮かび上がりました。


そんな状態で無理をしていることがメンバーに伝わってしまいました。
この状況は私の為にもメンバーの為にもならないと判断しました。
そしてついに、私は戦力外通告を受けることになります。


たっちゃんは、今月で終了!来月から無職!
残り1ヶ月でどうやったら稼げるのか考える!



私をこの企画に誘ったメンターから突然のビックリ解雇。
本当に良い選択をしてくれたと思っています。
なんせ、この時の運営は私を含めて4人しかいない。
単純に考えれば1人でも抜けて欲しくない状況。
でも、お互い幸せじゃないからと。

生きる為には、どうすればいいのか、人生で一番考える一年がはじまります。


ー 東京落武者時代 ー
東京に戻った私は妻に怪訝な顔をされ、仕事を探すことになります。
今まで応援してくれた妻を裏切った。
仕事を決めて、信用と信頼を取り戻す必要がありました。

仕事を決める上でいくつか条件を出されました。
「普通の仕事について」
連呼される「普通」「常識」「当たり前」という言葉。

普通とは、常識とは、当たり前とは
私は既に壊れていたのでしょうか。
妻の言っていることを理解することが困難でした。

就活をしつつ、ボードゲームのイベントを開催していたのですが
面接はうまくいかない。イベントはうまくいく。
これが繰り返されていきました。


妻から見れば
「なに悠長にイベントなんてやってんのよ、もっと就活に集中しなさいよ」
と言いたいところかもしれませんが、自分が本当に進むべき道はどちらが正しいのか悩み続けていた。


面接で連敗する中、とあるインテリアの老舗商社の求人を見つける。
そこには当時お世話になったメンターの1人が所属していました。
仕事のこと、人生のこと、色々相談しようと思い連絡をして会ってもらいました。



天秤が壊れた瞬間
状況、心境を伝え、自分が働ける可能性があるかメンターに聞きました。

「クリハラさんが戦える人だというのは分かった。では勝たせてくれる人かい?30代は戦えるだけじゃダメで、新たな価値を生み出せるかどうかを見る。どんな価値を生み出してくれるのかな。
それと、根本的な話をすると、今うちに入ったとしても、結局はボードゲームをやる道を選ぶんじゃないかな。クリハラさんは既にボードゲームの人というブランディングができているから、そのままボードゲームの道を走った方がいいんじゃないかな。」


これを機に「ボードゲームでどうやって仕事を作るか」に全リソースを集中させることにしました。お金を取るか、やりたいことを取るかで、私はやりたい事をお金にする選択を取りました。


ボードゲームイベント、作家さんの代理営業、出来ることは全力でやりました。それでも、生活を支える程の収入にはなりません。
今もありませんが、当時は本当にギリギリな生活でした。


ギリギリなのに、沼津で採算の合わないボードゲームのイベントを開催したり、人脈を作りに動いたり、とにかくがむしゃらでした。


そんながむしゃらなセルフプロディユースが功を制したのか、
「ボードゲームの相談で会わせたい人がいるので、紹介させて欲しい」
と連絡をいただきました。


その方は、ボードゲームカフェの運営会社の若き社長でした。
これがラストチャンスと思い、営業として自分を採用しないかとプッシュプッシュプッシュプッシュしまくりました。


東急ハンズに商品を置いてもらったり、
メッセで開催される大きなイベントに出店したり、
2ヶ月間の有言実行営業の結果、無事に採用となりました。



妻に
「仕事決まった!これまでの経験が活かせる!服装自由!副業OK!通勤も20分!フレックス勤務OK!ボードゲームの仕事だ!給料はスタート低いけど、今後確実に広がる市場だからやった分だけ稼げる世界だ!」
報告すると


not for me

離婚になりました。




good for me

最後に残ったのは



ボードゲームでした




1人の男の人生を変えてしまう程
ボードゲームの可能性は底知れない



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