予測可能、回避不可能、の話

歴史を研究していると、現代でも過去と似たようなことが繰り返し起こっているなぁ、と感じることがあります。

前世も例外にあらず。

私の前世である「アレシュ・リーズンブルク」は地方の貴族でした。
貴族社会にも序列がありましたが、ボヘミアはいわゆる「公爵」や「男爵」などの爵位にはよらず、家柄の血筋や経済力による、暗黙の序列といったものでした。

で、アレシュの家柄はさほど権力のあるものではなかったのですが、新規勢力である「フス派」に早期に参加したことにより、地方のフス派グループにおいては中心的な役割を担うことになったのです。

それが面白くないのが、アレシュより遅れてフス派に参加した、家格の高い貴族家です。

時流がフス派とカトリック、どちらに向くのかを日和見していた貴族たちは、フス派の流れに乗り遅れて、グループ内のイニシアチブの獲得に失敗していました。
それでも、家柄の格式とプライドが高いので、格下のアレシュの指揮下に収まることを嫌がる者もいたのです。

ペトル・フラデツもその一人。
アレシュのことを見下し、アレシュの指示に従うのをとても嫌がっていました。

ある作戦でアレシュと共に出陣したペトルは、アレシュの作戦指示を無視して単独行動を起こし、戦死してしまいます。
そのせいで作戦も失敗に終わり、アレシュは敗戦の罪を問われて左遷させられてしまうのでした。

ということがね、前世で起きたものです。

今世の私にも似たような事が起こったことがあります。


今の仕事に就く前の話です。
あるプロジェクトのリーダーを任された私は、その成功を目指して日々頑張っておりました。
プロジェクトチームの一人に、まさにペトル・フラデツのような振る舞いをする子がおりました。

私とほぼ同い年なのですが、やってることが本当に子供じみた子でした。
リーダーの私の指示を待たずに勝手に行動する、注意するとあからさまにふてくされる、私に対して「ムカつく」と面と向かって言う、などなど。

いやいやおぬし、中学生じゃあるまいし、と思うような、本当に幼稚な行動が目立つ子でした。

私の出自や学歴を見て、格下だと思って見下していたようです。そんな奴が俺の上に立つのは許せない、的な気持ちだったのかしら。

そんなふうでしたので、残念ながら、プロジェクト成功の邪魔になるため、彼には去っていただきました。

そのときは、まだ私は前世探究をしていない頃でしたので、まさか過去世に同じような体験をしていたなどとはつゆにも思わず。

前世探究を深めて、「ああ、ペトルのような子だったのだな」としみじみ感じることができたというわけです。

他にも、思い返せば前世と同じようなシチュエーションが、今世でも再現されていることが多々あることに気づきます。

あまり言うと他者のプライバシーに関わるから多くは語りませんが、前世と同じシチュエーションに身を置き、今世ではどのようにそれに対処するのかを試されているようだな、と感じることがたくさん起きているんです。

なので、アレシュの人生について探究を深めれば、今後この身にどんな事が起こるかは予測できるような気がします。

そして、それは起こるべくして起こるのだろうから、回避不可能なのです。

ペトル・フラデツについては、今世では、彼の暴走を未然に防いだということになるのでしょうかね。
彼は過去世において、自分の身勝手のために250名の兵士を道連れにし、無駄死にさせてしまいましたから。

その身勝手も、格下のアレシュの言いなりになりたくない、という、なんとも幼稚なものでした。

今世の彼にまた会えたとして、前世の話なんかをしたら余計にバカにされるかもしれませんな。

まあ、そんなわけで、アレシュの人生を再びなぞるとまでは行かずとも、出会う人の種類や、悩み事の傾向生などはある程度予測できるんじゃないかな、と思っております。

受けて立つぞ。

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