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マキノ雅弘が配信されていることに気づいてしまった 2020/04/10

花金である!とでも言っておかないと曜日の感覚がわからなくなるSTAYHOME。


昨日、映画を見たら最高に懐かしくて面白かったので一体どれくらいAmazon Prime + wowowシネフィル+ 松竹 +角川のチャンネルで見られるのか調べてみたら、小津はもとより成瀬巳喜男やマキノ雅弘、増村保造、鈴木清順もちょいと観られる。マキノ雅弘が観られるのはとても嬉しい。やっぱり洋画が乏しくて紀伊国屋チャンネルとか作ってアンゲロプロスの配信などして欲しいものだ。オリヴェイラも1作しかない。

学生時代にBSで放送されたマキノ雅弘の『清水港に来た男』が素晴らしくて記憶に残っているのだけど、今となっては販売も配信もされていない。見ることのできない作品は存在しないも同然になってしまう。これをなんとか防いで欲しいというのが切なる願いで、デジタルでのアーカイブ化と権利処理はコンテンツ業界全体の課題。少しずつ確実に前進しているのはわかるけど一方でビジネスにならないものは切り捨てられているのが現状。

ということを考えながらPCをいじっていたら『ツィゴイネルワイゼン』のレンタルボタンを押してしまいそのまま観ることに。若いころは原田芳雄の無頼な感じに惹かれたが、いま見ると藤田敏八の抑制された渋みがたまらない。昔から藤田敏八の魅力を語る感想は目にしていたけれど、若いころは頭では理解しても納得はしていなかった。わかりやすく狂っている中砂よりも社会の規範にうまく収まっている風の青地の方がヤベーやつな気がしてきた。年経ることで人の感性とは変化するものなのだな。それと、なぜだか昔見た時よりも食事のシーンが気になる。すき焼きと蕎麦が食べたい。そこに添えられた日本酒が旨そう。それは酒飲みになった今だからこそわかる感覚ということか。学生時代はこれを見て、原作の内田百閒『サラサーテの盤』へたどり着き、という遍歴をたどったものだけど⋯⋯。


何の反動か及川卓也『ソフトウェアファースト』を読了。
開発体制の内製化は目下取り組んでいる最中で、組織の在り方がどうあるべきなのか、社内で議論してきたことの理解がより進んだ気がする。体制やワークフローを作ったり変えたりすることの大変さは、それがすでにある状況で意識することなく働いているうちは想像も及ばない。現状を維持しようとする慣性は思いのほか強く、船は急に曲がれない的なもどかしさを感じることが多いがまぁそういうもんだと思うほかない。一方でコロナは色々な慣性をぶち破って変革を推進した。やればできるじゃん、という訳で在宅勤務の日々を過ごしているわけで。


『龍彦親王航海記』を読み進める。こちらの世界の方が落ち着く。

「体験を語るのは好きではないし、体験を重んじる考え方も好きではない。鬼の首でも取ったように、何かと言えばすぐ「体験の裏づけがない」などと批判したがる人間は、私には最初から無縁の人間だ」
P.45

人が自ら体験できることはわずかでしかないのに、体験に縛られる。わずかでしかないから、自分の体験を貴重に思いたいバイアスがかかるのかもしれないけど。

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