消しゴムが「100点を超える楽しい学び方」を語ってくれました
消しゴムが語る「楽しくて止められない、仕事や生活に関係ない分野でも必ず仕事へつなげられる」本当の学び方とは!
プロローグ:えんぴつころりん
佐々木君は今年18歳になった受験生。
志望校へ合格せんと、日々勉強中。
1日1時間も勉強できればましで、机を見たら消しカスが気になり、消しカスをゴミ箱に捨てたら、カレンダーが気になり、カレンダーを見た後は漫画が気になり……
「ああ、なんて無駄な時間を過ごしているんだ。勉強しないと」
シャープペンを床に落としてしまった。
ころころころ……鉛筆が転がる。
"拾えない?"
佐々木君は鉛筆を追いかけた。
「逃げるな、拾った……」
机が大きい。椅子もでかい。
消しゴムと自分が同じ大きさになっている。
「……な、何が」
「おーい」
知らないおじさんが現れた。冴えない生き方を送っていそうだなとも感じた。おじさんは佐々木君を見て、
「ま、まさか」
「お二人さん」
どこからから声が聞こえる。俳優のYにそっくりだ。
「ようこそ、私です」
「消しゴムがしゃべった」
佐々木君が下がり、おじさんは一歩だけ前に出た。
「私はお二人とお会いできてうれしいです。しかし、数分したら私はあなたたちと別れなければならない。ほら、まばたきして私を見てください」
佐々木君がまばたきを行うと、頭が四角から丸っこく変わっていた。いや、削られたというべきか。
「私が消える前に、私の話を聞いてもらえないでしょうか。あなたたちは私が完全に消えると同時に、元に戻るはず。私は今、あなたたちに真実を伝えたいのです」
(この消しゴム、怖い)
佐々木君は思った。
「早く話してくれ。言いたいことを」
おじさんは佐々木君をちらりと見ながら、その場に座った。
「君も……ふふ、いいか、君で。君も座りなさい」
おじさんが言って、佐々木君はあぐらをかいた。消しゴムはさっきより小さくなっている。
「ああ、ありがとうございます。私はよく勉強のおともに使われます。私を採用した多くの人はノートを開き、筆箱から私や鉛筆、シャープペンを取り出したところ、なんと身の回りの掃除し始めるのですよ」
佐々木君は数分前の行動を思い出した。
「掃除を終えた後、言うのですよ。
”あ、無駄なことしちまったって”
これ、私たちの世界で笑い話なんですよ」
佐々木君は立ち上がり、
「いいから、早く僕らをここから出して」
消しゴムは縮む。
「まあまあ、今、私たちは話という名の旅をしているのです。旅に急ぎは無用。旅を終えたら、あなたたちは無事戻りますから」
佐々木君は「ふざけるな」言おうとしたが、おじさんが佐々木君の腕を引っ張り、佐々木君を座らせた。
「お二人さんは勉強をしていらっしゃいますね。目的は違えど、勉強をしていますね。そう、そこのあなたも」
佐々木君はあたりを振り向いたが、おじさん以外誰もいない。机や椅子、教科書にノートはとても大きい。天井にみえる模様が夜空の星に見える。
「いい問題を一つ授けましょう。鉛筆で何かを描き、消しゴムを使います。すると書いた部分が消えてしまう。なんででしょう?」
「知らないよ」
佐々木君がぶっきらぼうに答えた。おじさんは黙っている。
「では別の質問。鉛筆は何からできています?」
「木と炭素?」
消しゴムがちょっと飛び跳ねた。ますます小さくなった。
「素晴らしい。次の質問も答えられるはず。炭素のくっつき方といえば?」
化学の授業? 僕は化学苦手なのに……佐々木君はちらっとおじさんを見た。
「共有結合だな」
「さすが、頭がいいだけのことはある」
「いいから次の問題を!」
「まあまあまあ、炭素は共有結合、一つの電子対を補っているから出来る形です。炭素にはほかの結びつきがあるのも知っていますよね。ダイヤモンドも炭素、石炭も炭素。同じ炭素なのに違いといえばつながり方」
消しゴムは佐々木君があぐらをかいたときと同じ高さになった。
「一方で私は塩化ビニール樹脂、そして可塑剤(かそざい)からできています。こんな言葉だけを言っても、なんも楽しくないし、ちんぷんかんぷんですよね」
佐々木君は消しゴムの問いかけにうなずいた。
「ただ覚える。苦痛を抱き、学びを止め、私たちを置き去りにする。ついに私たちはゴミの一つへと変わる。これ、私たちの国では悲しい話なんですよ」
(消しゴムには消しゴムなりの事情があるのか……)
佐々木君は思った。
「同情してくれるならお金より、存在がなくなるまで使ってほしいものです。と、脱線してしまった。私にも寿命があるのに。塩化ビニール樹脂や可塑剤(かそざい)をそのままにしておくから、つまらない。分解できるところまでやっちゃいましょう。
始めに塩化ビニール樹脂。塩化+ビニール+樹脂。塩化といえば塩素系化合物です。塩化水素H-Clが有名ですね。続いてビニールは有機化合物ですが、きちんと定義はわかりますか?」
「わからないよ。僕、化学苦手だし」
「忘れたよ、高校時代に有機化合物の分野で習ったけど」
「ええ、じゃあ調べてみましょう」
なぜか手にスマホを持っていた。いつの間に?
佐々木君とおじさんは調べた。
「ビニール…ビニル基 CH2=CH- を持つ高分子化合物。へえ、そうだったのか」
「ええ、私はあなたが言った"そうだったのか"から生まれてきたんですよ。私は塩化ビニールだけだと固くて使えないから、柔らか隠してもらうために可塑剤(かそざい)が必要になってくるのです。これも有機化合物であり、なんと、なんと」
消しゴムがぎゅぎゅっと縮んだ。
「炭素さんと分子構造が似ているんです。私を使うと摩擦熱によって炭素分子が消しゴムに移動し、消えてしまうのです。それまでノートの紙と炭素が結びついていたんですけど、私を選んでくれたのです……すぐ捨てられますけど」
消しゴムは自嘲気味に笑った。
「まるで結婚した奥さんを捨てて、新しい女にハマった結果、金だけ奪われてすぐさま捨てられた。とでもいうべきでしょうか」
消しゴムは豆粒のごとく小さくなった。
「私が消える仕組みを今、あなたたちは知った。単なる雑学でしょう。しかしこの考えを知っていれば、意外なところからあなたたちの勉強が仕事に結びつき、さらに予想もできない生活を送ることができるのです。
消しゴムが消える原理をあなたたちはつかんだ。原理は忘れにくい知識となり、いくつかの知識を組み合わせると、意外な世界が生まれ、未来を創るのです」
「は、はあ……」
佐々木君は口を開け、おじさんは深くうなずいていた。
「ふう、私の話を聞いていただきありがとうございます。本当はもっともっと話をしたいことがあったのですけど、そろそろお別れしなければなりません」
「そうか、なら最後は俺から一言いいか」
おじさんは佐々木君を見た。
「お前は俺を見て、冴えない親父と思っただろ」
「い、いえいえ」
佐々木君は死を覚悟した。
「お前の考えはあたっている。何せ俺も20年前、この場で同じことを思っていたからな」
「それって……」
「消しゴム、お前のおかげで今行き詰っている仕事の課題が解決できそうだ。いったん企画をすべて消してみるよ。ありがとう」
「いえいえ、あなたのお役に立てて何よりです」
消しゴムはもういない。いや、いるのかもしれないが、もう佐々木君の目には見えなかった。
「学びに終わりはないぞ、あの頃の――」
佐々木君が目を開けた。いつの間にか眠っていたようだ。
「あ」
鉛筆を落とした。今度はすぐ拾った。
「なんで僕、夢だってわからなかったんだろう……」
勉強から学びへ
勉強は二度、始まりがある。
一番目は幼稚園や小学校、人によってはお受験から。
そして二番目が挫折を味わったときから。
僕が聞いていた某ラジオでは、
勉強:答えがあり、終わりもある
学び:答えの先を見出し、終わりがない
今から語る内容は学びのすごさと面白さだ。
僕は20代半ばに「これ以上進む道がない」絶望を抱き、いろいろ失敗し、人生の大きな挫折を味わった。
「挫折した原因は自分が軽いからだ。もう一度鍛えなおす。土台をきちんと固める。死ぬもんか」
まずは母語、次に数学、理科社会、語学……とやり直していきつつ、新しい勉強もやり始めた。
受験と違って、試験範囲がない。だからこそ面白い。
今から一緒に学びの面白さを分かち合おうか。
北極と南極の違いって?
※地理自体、僕の仕事に直接関係する内容でない(教養)。
「実際の北極点、南極点ってどうなっているのだろう」
「北極と南極の違いって何だろう」
今はいい時代だ。気になれば検索でいろいろ調べられるし、画像に文章に動画まであるんだ。
北極と南極の違いに関する動画を見て、
「海流がこんな意味を持つとは。大地があるとないとでは、気温の上でも違いがあるとは」
仕事で役に立つとは思えないが、知らないよりも知っておいた方が、後で何らかの形で役に立つかもしれない……ここだけではない。
知識より「疑問他」こそ本質だ。
本質がわかれば、どんな勉強でも今すぐやりたくなる。
本質を知らない・先生から教えてもらわないからこそ、
「役に立たないものをやっても意味ないでしょ」みなされる。
問いかける習慣が一つ。他が言葉でうまく表現しにくい。
表現しにくいからこそ重要であり、表現できた時点で「ゴミが宝に変わる(気づく)」ほどのすごさを持っている。
疑問他をつかめば、
進んでいろんな知識を取り入れ
いろんな視点から今の問題や趣味、仕事に取組み
盲点(違和感)に気づいて、意外な解決に導く
極めつけは今の自分だ。
今の自分に最適な疑いを入れていけば、
チャンスに気づき、まずは自分が、次に環境がいろいろ変わる。
自分が変わり、周りも変わる。これほど面白い遊びはない。
受験式だけど受験でない勉強
僕のやり方は少し違うし変わっている。
合格するかどうかはおまけであり、
「目の前の価値」に気づき「新しい世界を創る」ために学ぶ。
目の前に価値がある。目の前すぎるからこそ盲点となって気づかない。盲点が盲点でなくなった瞬間、可能性も大きく広がる。
可能性を大きく広げるための情報として
僕は高校時代の勉強をすべてやり直し(10年以上かかった)、今は専門的な勉強及び、仕事及び生活に必要ない語学の勉強を行っている。
単体での内容は専門家に完封負けするものの、組み合わせによる深さと面白さは誰にも負けない。
「こんなやり方していいんだ!」
「こんなふうに捉えていいんだ!」
「勉強に縛られなくていいんだ!」
感動と実践そして未来を約束する。
深い世界を味わい、自分を正しく疑い、習慣を変えたい!
捉えたら、今すぐ続きを読んでほしい。
1:なぜ大人になっても勉強するのか?
僕にとって勉強は「大学まで」と思っていた。
社会に出てから、周りが「勉強しろ」言わなくなったため、勉強する/しないはすべて「自分で選ぶ」展開になった。
今、僕は勉強している。仕事に関係ある科目より、全く関係ない科目に力を注いでいる。なぜ仕事に関係ない科目をやるのか。
勉強の本質に気づいたからだ。
本質=小さな違和感
些細で堂々と起きている違和感に気づく。目の前で起きている矛盾に気づく。今の自分を疑って、初めて自分を変えられる。
政府や社会に対する不満や怒り、矛盾はすぐ気づくのに、自分自身に対する違和感や矛盾にはほとんど気づかない。仮に気づいても無視するか他人のせいにする人が多い。
自分の矛盾や違和感に気づくと、今まで自分が信じてきた価値観がおおいに崩れ、時に強烈な自己否定へと変わる。
僕を含む人間は他人の失敗や矛盾を指摘しているときは気持ちいいものの、自分自身の失敗や矛盾を指摘されるときほど不満はない。
一番痛いところを突かれたくない。痛いところを突いたら、猛烈に怒って、それ以上向こうが痛いところをついてくるのを強引にやめようとする。
自分を疑う行為は今までの自分否定である一方、自分を疑うからこそ初めて「今の仕組み・行動・思考・習慣」を変えられる。
僕やあなたは周りの生き方や現代情勢、そして情報によって「知らないうち」に「生きる仕組み」ができあがっており、生きる仕組みに沿って考え・動いている。
1-1:円安に見る「"あなた"の仕組み」
例えば「円安」という単語を聞いて、あなたはどう思う?
ツイッターを見ると「円安=日本だけが衰退する証」書き込みがあり「ああ、だめだ、円安は……」気持ちも下がる。
一方で「円安、チャンスじゃん」書き込みがあると「へえ、円安はこういう形でチャンスなのか」気持ちが上がる。
※金価値が低く物価値が高いので、物を大量に仕入れまくっているそうだ。デフレ(金価値上がり物価値下がる)になったら、物を売りまくって金に換えると
「円安」単語はただの言葉であり定義だ。ほかの通過(ドルなど)よりも円の価値が安い。という意味でしかない。
円安にあなたの感情や受け取り方、捉え方がくわわって、あなたの気分が上がったり下がったり、どーでもよかったりと揺れ動く。
円安一つから「生きる仕組み」が見える。あなたが「円安」言葉に対し、どういう感情や印象を抱いたか。
「最悪」捉えたら最悪な考えと捉え「円安回避」に対する行動をとり始める一方「チャンス」捉えたら、チャンスととらえて「円安を利用して」チャンスを得る考えに変わる。
勉強の本質は「最悪→チャンス」捉えなおし、少しずつ思考や行動を変えて、未来も変わってしまう「あなたの脚本を塗り替える物語」だ。
最も疑わなければならない存在「自分」を分解し、新しい仕組み・価値観を創り上げて行動・未来を変えていく。
自分を疑わないからこそ、どれだけイケイケな気分でいても、最後にトーンダウンを起こし、失敗ループへと自ら向かう。
自分を疑うために、まずは勉強自体を疑ってみよう。
1-2:勉強パターン-質疑応答-
勉強は基本「質問と答え」からなる。
誰か(出題者)が質問し、あなたが答える。
あなたが答えるときも、単純な指摘をする場合もあれば、
「これこれこうなって、これが答えになる」
流れをまとめたうえで答えるときもある。
勉強する際、出題者があなた(回答者)に質問を送り、
あなたは出題者が求める情報を提供(=答え)する。
社会に出ると、出題者は上司や同僚、顧客、そしてあなた自身になり、あなたが調べ、答えにたどり着かねばならぬ。
受験時代は「与えられた問題に答える」受動行為だけだったが、社会に出たら「問いかける」積極行為も加わる。
質問は勉強科目の対象にならないし、教えてももらえない。
教えてもらえない分野を独学せねばならない。
勉強の基本を疑ったところで、勉強とは何かがわかった。
次は勉強のやり方に迫っていこう。
僕のやり方を振り返ってみたい。
2:勉強公式(学習法)=土台×面積×複素数
僕が今取り組んでいる勉強法(公式)として
土台×面積×複素数
土台とは「0→1」で仕組みの根本だ。
最初にいろいろ基本を学び、練習問題を通してパターンを覚えていくものの、土台にこそスランプの原因がある。
数学を例にとると、確率の基本、微分積分の基本的な考え方、公式……といった、問題を解く上で最低限つかんでおかねばならぬ部分だ。
面積とはいろいろなパターンを知る、練習問題にあたる。
例:数学なら数学問題のパターンを学ぶ。確率、微分積分、関数、数列……そして応用として確率×数列、微分積分×複数の関数(指数、三角)の組み合わせ。
ここまでは受験勉強を通し、誰もが学ぶところだ。
複素数とはぶっ飛んだ応用であり「まさか、それとあれが結びつくとは」衝撃を受ける組み合わせを示す。
数学を例に出すと(上記動画:僕が作った音楽)……
「楽譜に音符を載せるとき、関数の視点からどういう並べ方をすると、聞き手の心に良い印象を与えるか」
「大規模なキャンペーンを行ったのに、誰も反応しなかった。原因を数学の視点を使って特定せよ」
「上司の田所さんがいつも、私のお茶の入れ方に怒る。彼と私はどういう生活パターンで生きているのか。分解してみよ」
何を言っているか、ついてこれるだろうか?
自分自身に対する疑いも、ぶっ飛んだ応用の一つだ。私たちは自分の行いやありかた・考え方に疑いを持たないで生きている。
今こういう情報を書いているからこそ、自分を疑えているのではないか?
誰かが「疑え」書かなくても、ある出来事、ある事件、ある考えを通し「ちょっと待てよ」ツッコミを入れられるか?
自分へのツッコミとは脱線だ。勉強の本筋から離れなければ、自分に対する疑いなどうまれない。
自分へのツッコミを一つの目的とし、一つずつ勉強をこなしていこう。まずは土台だ。
3:土台「0→1」編
土台ですべき仕事は単純だ。
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