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年末年始にはじめる睡眠負債の返し方


イチロー選手は、毎日必ず8時間の睡眠をとっている。


あの驚異的なパフォーマンスを保ち続けるためだけではなく、怪我をしない体の状態を保つためだそうだ。


私たちは、日々の忙しさに飲み込まれて、もっとも大切な睡眠を削る日々を過ごしてしまっている。

2017年に流行語大賞のトップ10に選ばれた「睡眠負債」という言葉。

睡眠負債は「睡眠不足が借金のように積み重なってあらゆる不調を引き起こす状態」を指す。      

厚生労働省の「平成29年度 国民健康・栄養調査」によると「20歳以上の平均睡眠時間は6時間未満が40%」同じ調査で「睡眠で十分に休養が取れていない」という回答も10年以上前から増加し続けている。

年の瀬が迫るいま、体調を崩す原因の根っこは、睡眠不足。
満員電車、朝晩の寒さ、外気と室内の温度差、ストレス、師走の忙しさ、忘年会やパーティ、体調不良の原因をあげればキリはないけれど、仕事納めの後に一気に体調を崩す人も多い。

もし体調を崩した人は休養し、今は大丈夫な人も、年末年始をきっかけに睡眠負債の返済をスタートしよう。

「睡眠負債=寝不足の借金の塊」は、利子がつかない代わりに、一括での返済はいっさいできないようになっている。

たとえば、12月29日に10時間眠ったとする。
普段の睡眠時間が6~7時間の人の場合、普段との誤差はプラス3~4時間。

このプラス分の睡眠時間は、実はほとんど返済にはまわらずに文字どおり、「惰性の睡眠」となるので、いくら長く眠っても効果は薄い。

長期休暇や土日に無理をして長く眠ったとしても、普段の自分の体の睡眠リズム(体内時計とも言われる)からかけ離れた眠り方をすると、脳がその睡眠を浅い眠りと認識してしまい、睡眠負債はほとんど返済されない。

“寝だめ”ができないのは、これが理由になる。

そして、無自覚な睡眠負債をしっかりと自覚して対策をとることが何よりも重要。

睡眠負債解消のための、「良い睡眠」チェック
・眠りに落ちるまでは30分以内
・夜中に起きるのは1回まで
・夜中に起きた場合20分以内には眠れる
・総睡眠時間の85%は寝床で眠っている(昼寝や居眠りの合計が総睡眠時間の15%以内)

この4つを満たすことが「良い睡眠」の最低条件で、ひとつでも当てはまらない場合は睡眠負債の可能性が高くなります。
(鈴木 祐 著「最高の体調」クロスメディア・パブリッシング発行 より一部抜粋 )

この4つに当てはまらなかった人は、これから効率よく解消していこう。



睡眠負債の一括返済はできない。どれくらいたまっているかも目には見えない。けれど、これから債務超過になるまで、新たに睡眠不足を重ね続けるわけにはいかない。

睡眠負債は1週間の間に、普段の睡眠+30分ずつ分割返済をすること。
・普段の睡眠+30分(仮に普段が6時間半~7時間未満だとした場合8~9時間以上は眠らずに、7時間30分の睡眠をとる)

コツコツと普段の睡眠時間+30分をとることで、睡眠負債は少しずつ解消されていく。普段の睡眠より+2時間以上、余計な睡眠はとらない方がいい。

また、眠る時間帯はあまり気にしなくてもいい。

夜10時〜2時のいわゆるシンデレラタイムと呼ばれる時間帯は、正確ではなく、基本的に眠り始めた時間から睡眠は始まり、成長ホルモンが出る。

なのであまり寝る時間にとらわれ過ぎると寝つきも悪くなるので、気にしないように。

休日にどうしても普段の睡眠+2時間以上寝てしまう場合は、深刻な睡眠不足が体の負担になり体が無意識に解消しようとしているか、過度のストレス状態にある可能性がある。

その状態が1か月以上続く場合は、専門医に相談してください。

気が長い話だけれど、毎日、普段の睡眠+30分ずつ7日間をワンセットにして(合計3時間30分)負債解消をしていく流れをつくり、これを3週間続けていく。

※普段の睡眠時間が不規則で6時間未満睡眠の場合は、成人で最低限とっておきたい睡眠時間がギリギリ6時間なので、6時間+30分を7日間続けてほしい。(余裕があれば7時間)

もし、職場や自宅で昼寝ができるなら、20分~30分以内。目を瞑って横にならないで、いすや壁、机に寄りかかって眠る。

昼寝は睡眠負債解消の「+30分」の中にはカウントしないで、昼の眠気から脳を覚醒させるための補助睡眠だと考えてほしい)

夜の睡眠のとり過ぎで仕事に支障が出ては意味はないし、睡眠を削り続けて負債がこれ以上たまったら元も子もない。

年末年始をきっかけにしてほしいのは、まず7日間の睡眠リズムを作ってもらい、仕事始めの生活サイクルにスムーズに移行していくため。

家で仕事をする主婦や自営業の方も、生活の中に睡眠負債解消のリズム(+30分)を組み込むことで、睡眠負債解消のサイクルを習慣にして続けやすくなる。

正直、実践し続けるのことはすごく地道で退屈なことだと思う。

この記事を読んでくださった方の中には、「何だそんなこと、そんな時間があればとっくにやってるし、時間がなくてできない」と思うかもしれない。

たかが30分。自分の体を最終的に管理監督していくのは自分自身だから。

寝具にこだわるのも、整体に通うのも、ヨガをやるのも、もちろん素敵なことだけれど、睡眠時間を確保しないことには、健康の土台が崩れてしまう。

時間の確保、負債解消のサイクルができてきた段階で、寝室の温度や湿度、光の調整や、まくらや敷き寝具を替えてみる。

運動習慣を始める、体のケアをするなど、段階を踏んで取り組んでみてほしい。

全く眠らなくていい人はいないので、少なくともここまで記事を読んでくださったあなたは、自分のできるタイミングで負債解消のサイクルをスタートしてみてほしい。

読んでくれて、ありがとうございます!

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