私のラジオ遍歴
ラジオを聴き始めたのはおそらく小学生のころ。地元のFM局の放送を、家にあった黒くてボロボロの、カセットテープとラジオしか聞けないデッキで聴いていた。電波が悪いと音が入らないから、アンテナを微妙に調整して電波が入りやすい角度を探した。
きっかけはV6
ラジオを聞くきっかけになったのは、当時大好きだったV6のラジオを聴くため。
土曜の21時から坂本くん、長野くん、イノッチのトニセン組が繰り広げる笑いあり、下ネタありのちょっと大人な3人のトーク。
まさかニヤニヤしながら聴いている小学生がいるとはメンバーも想像だにしないだろう。
カセットテープ大活躍
当時はもちろんサブスクなんてない。
音楽をいつでも聴きたい時に聴く、つまり自分のものにするためには、レンタルビデオ屋でCDを借り、パソコンに収め、空のCDに焼き付けるしかなかった。
少ないお小遣いで好きな音楽を自分のものにするために、私が考え付いたのは、ラジオで流れる音楽をカセットテープに録音すること。
ものすごく地味な作業だ。
パーソナリティが「さて」とか何とか発した時がタイミングだ。何の曲が流れるか見極めて、狙いを定めて録音ボタンを押す。
出だしが中途半端になることもあったし、電波が悪いと雑音が入りただのガサガサ音が収められることもある。
うっかり上書きしてしまうとその曲は二度と手に入らなくなるような気にもなった。
苦労して手に入れた曲を何度も巻き戻して聴いては歌詞を書き写したり、なんてするのが当時は楽しかった。
スクールオブロック
中学に入ると東京FMの「スクールオブロック」に夢中になった。勉強してるふりをして毎晩のように聴き入った。ラジオの中の学校と銘打った番組で、ヤマシゲ校長、ヤシロ教頭が若者の悩みに答える。呼びかける。
同じように同年代がラジオに耳を傾け夜を過ごしていると思うと、強くなれるような気がした。
23時に放送が終わると眠る時間。ルーティンの一つだった。
再会のスカイロケットカンパニー
東京の大学に進学すると、バイトや通学で移動時間が長くなった。歩きながら、電車に乗りながら、iPod nanoでラジオを聴いた。
午後4時からの東京FM「スカイロケットカンパニー」のパーソナリティが、中学のころ聴いていたスクールオブロックのヤシロ教頭だと気づいたのは番組を初めて聴いたときだった。
ラジオの中の会社だという。会社での人間関係とか、やりがいが見つからないとか。悩みに熱く答えるヤシロ教頭…否、本部長。
東京FM、うまいことやるよなぁ〜。
そう思ってちょっと泣いた。
新聞社のバイトは17時出勤。駅から徒歩20分の道を、地下鉄の駅を上り、iPod nanoを音楽からラジオに切り替えて聴くのがが出勤のルーティンになった。
渋谷は大学が近かったこともあり、身近な場所だった。PARCOやユニクロに行くために何十回もスタジオの脇を通った。
それでも何度でも、あのスペイン坂スタジオが!昔から聴いてたラジオ局のスタジオがここにある!と、通るたびに興奮した。
ラジコプレミアムがある生活
最近、好きなアーティストがJ-WAVEのラジオ番組で毎週弾き語りをしていると知り、ラジコプレミアムを契約した。その番組は終わってしまったが、契約は解除しなかった。
ラジオを聴くのは休日か夜。ぼうっとスマホをいじりながらとか、料理をしながらとか、散歩しながらだとか。
スカイロケットカンパニーは、時間帯的に聴くことができない。
今は新しい考えや情報を与えてくれる色々な番組を聴いて回るのが好きだ。東京FMよりJ-WAVEをよく聴く。オールナイトニッポンの魅力も分かってきた。
関東圏に住んでいないから、交通情報は他人事。それもなんだかいい。
トーク番組なんかでは、出演者と同時に笑ったり、ツッコミを入れたりもしてしまう。ひとりなのに、相槌なんかも打ってしまう。
落ち込んだとき、寂しくて一人でいたくないとき、ラジオを付けるとそうじゃなくなる。
そうやって、ラジオは一人にさせてくれない。
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