男性育休経験者の2人に聞く!「共働き夫婦のキャリア形成」
「男性育休への関心は高まっているけど、実際取ったらどんな感じ?」「キャリアパスは変わってしまうの?」
政府は男性の育休取得を促すため、産後8週の間に夫が柔軟に育休を取れる制度「出生児育児休業」(男性版産休)の2022年10月からの新設を目指しています。そうでなくても、男性育休制度で日本は世界1位と言われるのに、実際の声はあまり聞く機会がありません。
そこで、ミートキャリアでは、育休取得経験もあるワーパパしぶたくさんとイミーさんのお二人をゲストにお招きし、育児と両立する働き方や共働きのキャリア形成について、リアルな体験談を語ってもらいました。
本日のnoteではこのイベントレポートをお届けします!
<ゲストプロフィル>
しぶたくさん twitter
イミーさん twitter
モデレータはミートキャリア代表の喜多村若菜が務めました。
Q:男性育休を取得する前、不安に感じたことは?キャリア面での準備は?
A:1年くらいかけて収入源の基盤を整備しました
しぶたくさん:双子だったので育休は1年取得しようと思い、それ相応の覚悟で会社に申請しました。結果として、1年育休を取得して無事に復帰し、特に心配していたことは起きませんでした。
ただ、キャリア面での準備は1年くらいかけて行いました。育休前、趣味レベルだったブログを収入源の基盤となるように頑張って構築しました。
ブログは副業収入という形でしたが、育休中も副業はできます。他社と雇用契約を結ばない、月80時間以内などの条件がありますので、ハローワークに問い合わせてみてください。
▼しぶたくさんのブログ『転職エージェントナビ』
A:育休取得はキャリアにプラスになると気持ちを切り替えました
イミーさん:長い育休だったのでキャリアパスで不安になることはありました。しかし、世の中で男性育休が推進される今、育休取得経験は将来のキャリアに向けてプラスの経験になると気持ち切り替えました。
キャリア面では、育休中に育休経験をtwitterで紹介したり、育休シミュレーターをツール化したりしました。
▼イミーさんの『育児休業給付金シミュレーター』
Q:男性育休を取得して感じたことやキャリア意識の変化は?
A:生後半年は毎日生きているだけで精一杯でした
しぶたくさん:双子なので、生後半年くらいは2-3時間睡眠という生活でした。仕事も一部していたのですが、毎日生きているだけで精一杯。自分のキャリアはどうでもよくなった…というのが正直なところです。
育休前は「育休中に勉強しよう」「ブログもっと頑張ろう」と思っていたけど、何もやれない状態でした。育休の後半はだいぶ落ち着いてきたので、最後の1ヵ月だけプログラミングスクールに通いました。
イミーさん:わかります笑。仕事は休むわけだし、育休中に何かできると思ったら…全然それどころではない。
しぶたくさん:本当に。育休中は優雅に子連れでお散歩とかしてるのかな?と想像していましたが、実際は全然違いました。
A:柔軟に働けることの重要さに気づきました
イミーさん:育休を通して感じたのは、フレキシブルに働けることの重要さです。私自身は育休中に息子を一時保育やシッターさんに預け、副業したりしていました。子育て中は1日の中で時間を分割して働きたい、リモートで時間を確保しないとできない、ということを痛感しました。
「小1の壁」という問題もよく耳にしますが、壁が先に見えているなら今からフレキシブルな働き方の準備をしておかねばと思いました。
キャリア観については、育休を取る前は会社にしがみついていたというか、会社の中で上り詰めようと身を粉にして働いてた気がします。子どもが生まれて家族のキャリアを重視するようになると、会社にしがみつくという発想がなくなり、社会の中でいろんな働き方の経験やスキルがある人になりたいと思いました。
会社の中のキャリアではなく、社会の中でのキャリアをつくりたいと感じるようになりました。
Q:育休後の生活スタイルと、育児と両立するために決めているルールはある?
A:時間の融通がきく仕事をすることです
しぶたくさん:双子はこの4月から保育園に入り、5月には妻が復職します。自身は今一時的にフリーランスとして働いてますが、もうすぐスタートアップで働き始めます。
そんな中で、時間の融通がきく仕事をすることは重要だなと感じています。転職先の企業を選ぶ際は「ハードでもいいけど、時間の自由がきくこと」を条件にしました。
育児はめっちゃ忙しい朝と夕方にヘルプが必要なので、その時間を柔軟に使える仕事をしたい。それを入社前に業務委託で手伝いつつ実現できそうかを確認しました。面接では「パパ社員やママ社員もたくさんいるから、大丈夫ですよ」と言われも、いざ入ったら実態は違うということもありますので。こんな風に2-3ヵ月戦略的にフリーランスになり、転職前に働き方を確認してみるのはいいと思います!
A:夫婦で時間を捻出することを大事にしています
イミーさん:しぶたくさんと同様に時間の自由さは重視しています。
さらに、夫婦で時間を捻出することを大事にしています。我が家は祖父母も近くに居らず夫婦だけで子育てをしているため、家事代行やロボット掃除機、食洗器、テイクアウト…いろんな人の手を借りて家族の時間をつくっています。
夕食は元々私が担当で必死にやっていたのですが、近所に栄養バランスもメニューもいい小料理店ができたので、お弁当を重宝しています。それを妻がnoteに投稿したら話題になり、テイクアウトの達人としてTVで紹介されたことも笑…!
色んなサービスがあるので、選択肢の中で自分たちに合うものを選んでいくと良いと思います。大事なのはパツパツにならないことです。
▼イミーさん家のテイクアウト体験記
Q:今後のキャリアの方向性や大事にしたい価値観があれば教えて下さい
A:夫婦でキャリアについて話し合うことは大事
しぶたくさん:僕は去年4月に復帰しましたが、子どもが保育園に入れなかったので、働く時間をセーブしたしんどい1年間でした。この経験から、あんまり仕事を我慢しすぎるのは良くないな、やりたいことをちゃんとやった方がいいなと感じています。
そこで、大事なのは夫婦で話し合うこと。「今は僕が勝負したい時期だから仕事を優先させてほしい」とか、「5月には妻が慣れない部署に復職するので、その時は妻優先」とか。
こんな風にキャリアについて話し合うようになったのも、子どもが生まれてからです。
A:夫婦や家族というチームでどうキャリア形成するか考えます
イミーさん:それは本当に大事だと思います!うちも家族定例を週1回やるようにしています。2人でくだらないことから、仕事の話、子どものことで決めること等を話します。
と言っても、最近数週間できていなくて、妻に「定例やらないと、しっくりこない」って言われてます。やった方がいいですね。
育休を取ってから、夫婦や家族というチームでどうキャリア形成するか考えるのが大事だなと思うようになりました。育休も、私=仕事担当、妻=育児担当という先入観を捨て、2人がダブルですることで、色んな選択肢ができたと思います。子どもの小学校はどこがいい?そしたら仕事どうしようね?…という風に、生活の変化に合わせ家族で選択肢を幅広く持てたらいいなと思います。
育休中は夫婦で数えきれないほど喧嘩やぶつかり合いをし、その度に話し合って分かり合うということを繰り返してきました。おかげで夫婦のすり合わせができたと思います。
Q:育休復職前後、会社の同僚や妻に求めることなどあれば教えてください
A: 育休復職後に過剰な配慮をしないで
しぶたくさん:会社に対しては、復職するときあまり気を使いすぎないで欲しいと言いたいです。僕が復職したとき「双子なので大変だよね」「夕方は働けないですよね?」と言われ、過度に配慮されることが辛いという世のママたちの気持ちが分かりました。
妻に対しては、在宅勤務の会議の時間に子どもが突撃してこないようにしてほしいってことかな‥‥笑。
A:誰でも柔軟な働き方ができるようにしてほしい
イミーさん:会社に対しては、育休者だけでなく、誰でもフレキシブルに働けるようになると嬉しいです。育児に限らず、介護でも、プライベートな理由でも、時間をずらして働きたいという人はいます。いろんな都合で柔軟に働けたらいいなと思います。
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イベントにはワーパパ・ワーママらにたくさん参加いただき、週1の家族定例というアイデアには「いいですね」「うちもやっています!」とのコメントも。変化に合わせて柔軟に対応しながら、家族というチームとして最善の生活やキャリアの方法を探ろうというお2人の姿勢に共感の声が集まりました。
育休復帰が不安な方へ
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ミートキャリアには会社員として育休復職を経験した男性・女性キャリアサポーターや、企業人事として復職者サポートの経験があるキャリアサポーターが在籍しています。キャリアサポーターと1対1で会話し、育休中にやりたいことや不安なこと、復職後であれば現状の悩みや課題を整理・目標達成まで伴走します。
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※2022/2 テキストプログラムは「大人の自己分析プログラム」に生まれ変わりました。注釈追記やリンク先を変更しました。
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