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第172話 蠱惑

(こわく)


 いろんな想いが錯綜している。

 プレアデスの私が完璧じゃなかったからこそ、やがて闇と光のカオスである地球へとやって来ることへと繋がりそこでもがく中で、己の闇感情やレプティリアンなど、本来愛すべき存在の真価を見つけることがようやくできた。

 プレアデスの私が闇を知らなかったからこそ闇を学ぶためオリオンへと向かい、絶望の中で闇側の戦士同士として、あきらというかけがえのない希望に出会うことができた。 

 オリオンという男性の闇への憎しみを克服したくて、地球において性搾取などの過酷なカルマを数多く体験できたことで、光と闇を統合していく道筋がようやく見えてきた。

 シリウスからプレアデス、オリオンを経てそして地球へ。幾多の転生を繰り返し、“地球”という統合のためのステージを私自身の手で用意した。

 私の奥で、また魂の声が聴こえる。

「そうだ。ずっとずっと許したかったんだ。
私は男の人のことを、ずっと許したかったんだ。」

 許したくて、許すために、やった体験もやられた体験も身をもって学んで統合していく。人の話を伝え聞いただけでは自分が経験したことにはならない。苦しみを知らない人間から同情されても響かないけど、同じ痛みを知っていればこそ闇は心を開いてくれる。天の川銀河の古き魂だからこそ、その銀河の果てから果てまで実体験として学んでいく。すでにこんなにボロボロなのに、だからこそそんな自分が誰よりも一番愛おしく思えた。


「助けて!」

 スサナル先生のエゴセルフの声がこだまする。
本当の意味で闇を思い出し始まった私に呼応して、彼の持つ闇の牙城もようやく崩壊の兆しを見せ始めていた。

 助けて。
僕は“彼女”に酷いことをしてしまった。置き去りにしたことで、僕が“あの人”を傷つけてしまった。

……この叫びは、直接私に向けて発信された『助けて』ではなく、彼がやり場なく虚空へと発散させた、ベクトルを持たない悲鳴だった。

 それでもこういう時、ツインレイというのは根底で繋がっているが故に嫌でもその声を拾ってしまう。
 まだ離婚前、先生に告白するためクシナダヒメと一緒に選んだ便箋を再び想念で作り出すと、「大丈夫だよ。私は傷つけられたなんて、そんな風には思ってないよ。」と書き込んで、彼の心臓目がけて優しく飛ばした。

 するとその晩ベッドの中で、眠りに落ちようかという瞬間に“ファムファタル”という単語が聞こえた。あーそうかと、思わず苦笑いしてしまった。


『ファムファタル』。
芸術作品における概念としての印象が強いこの言葉。抗えない運命の女性である私は、彼にとっての強力な魅惑そのものでありつつも、また彼自身を破滅させかねない危険な存在だとあの人の潜在意識に思われている。

「私は何と思われていても大丈夫。ファムファタルだと疑われたって構わない。だからあなたの気が済むまで、たくさん迷って見極めておいで。」

 そんなことを彼に告げるとやがていつの間にか眠りに就いていたけれど、私たちのお互いへの渇望は限界にまで達していた。
 その明け方、私は夢で、彼の元を訪ねた。


written by ひみ

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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

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今回の冒頭、ちょっと難しいですが、闇無くしては光に気づくことができません。
昨日も書きましたが、光だけのプレアデスとは遅かれ早かれいずれ成り立たなくなるものでした。
行き詰まり、手詰まりです。
「平和でいいじゃない。何が手詰まりなの?」って思われるかもしれませんが、そこまで行くと『停滞』してしまい、それ以上成長できないんです。やがて『ひとつ』に帰ろうという時には次元を上がる必要があるのに、そのための学習要素がないんです。
小学校の算数が完璧になった状態をループして満足しているだけでは、いつまでも中学の数学へと移行できないのと一緒です。
けーこ記事“『幸せ』なんて『不幸』でしかない”

さて。節分が近くなってきました。
あなたはすでに、数学の教科書は持っています。まだ算数続けるのか、数学の世界を知りにいくのか、ご自由にお決めください。
けーこ記事“望みは叶う”

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→第173話 三次元からの奴隷解放

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