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第94話 剣と勾玉の旅



「ひみさあ、ひみはミカだし明らか剣じゃん?
こないだの比々多神社でも思ってたんだけどさ、私なんとなく、自分は勾玉だと思うんだよね。」

 けーこがそんなことを言い出した。

「私のグラウンディング(※)の方法ってさぁ、上からと下からを体ん中で通すじゃん。あれさ、まんま勾玉だと思ってて。」

「あー!確かにそうかもしれないね。」

 彼女が行う方法というのは、自分の体を火山の真上に立たせるイメージをして、マグマの噴火の火のエネルギーを下から通し、同時に天の水のエネルギーを上から通して螺旋状にぶつけることで、クレンジングしながら一気にグラウンディングまで持っていくという、かなり荒療治的な力技である。

「でさ、ちょっと前に夢の中で、私、三種の神器を集めるように言われて、お礼に貝を貰ってるんだよね。」

「私が剣で、けーこが勾玉……。」

「そうそう。なんか今回、遊びのお出かけのつもりだったのに、がっつり“そこ”に組み込まれてると思ってさ。」

 三種の神器とは、古事記において、アマテラスの孫神である邇邇芸命(ニニギノミコト)がこの地に降臨する際に、祖母アマテラスから授けられた三つの宝物のことを指す。
 そのひとつはスサノオがヤマタノオロチの尾から取り出した天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ)。そして、八咫鏡(ヤアタノカガミ、ヤタノカガミ)と八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)の二つはアマテラスの岩戸開きの時に使われた重要アイテムで、現在でも三つ合わせて天皇家に伝わっている。

「三種の神器……。」

「うちらの今回の“これ”さあ、なんか知らんけど、何かのトリガーな気がするんだよね。
わからないよ?突拍子もない話だし。
だけどなんだか、ひみと私、それに“鏡”。これ揃ったら、一体何が起こるんだろう。」


 けーこの話は確かに常識で言ったらあり得ないとは思うし、私なんかがそこに組み込まれてるとなると、益々あり得ないとしか思えない。
 「けーこ先生」と呼ばれる占い師までできてしまう彼女と違い、スピリチュアルが大好きだけど、ライトワーカー(※)になれるかすらわからない私がそこに肩を並べるなんて、憧れはしても無理だと思った。

 だけど彼女の並外れたサイキック力は、今までも桁違いの情報を拾ってきた。

 中でも一番驚いたのが、2016年夏当時。「来年の2月26日からエネルギー変わるって降りてきた。」とけーこが言い出しそれから気になって調べてみたら、日本は観測地点に含まれていない金環日食の日付けにぴったり当てはまっていて、ライバル心ばかりは隠せない私でも感嘆したのを覚えている。

「まぁさ、剣と勾玉って、本来揃っちゃいかん気もするんだけどねー。」

「あー、封印だってこと?」

「そそ。次に来るのは鏡でしょ?
でどうする?ひみ次どこ行きたい?」

「揃っちゃ駄目なんじゃないの?開けちゃまずいじゃん封印!」

「いやいやいや、蓋されちゃったら開けなきゃ面白くないじゃない。」


『剣と勾玉の旅』。
 心の中でそう名づけ、結局けーこに付き合うように地図アプリを開くと、二人で次の行き先となるパズルの謎解きを始めた。



※グラウンディング……地球と自分のエネルギーパイプを結んでおくこと。地に足をつけるというやつです。

※ライトワーカー……自らの持つ光を発揮していける人。
当時の私は、スピリチュアルなことを仕事にできる人にのみ適用されると勘違いしていたけど、例えば美味しいパンを届けたいと願うパン屋さんや、乗客を安全に運ぶことに誇りを持っているバスの運転手さんなど、螺旋状で見た場合のライトワーカーとはそれこそ多岐にわたっています。
先日突然、あきらの医療チームの若手のお医者さんの意識が入ってきて、「一人でも多くの人を救いたい」って伝わってきました。だからそんな彼も、立派なライトワーカーです。




written by ひみ

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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

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不思議な話が続いていますが、ちゃんとスサナル先生に戻るのでご安心を笑
だけどもうちょっとこの旅におつきあいくださいね。
自分でも、明日とかあさって掲載の話気に入ってて好きなの。

このころね、けーこが上から「探して買うように」って言われてたアイテム、ヒスイとメノウの勾玉ピアス。

左右どっちかが緑で、どっちかが赤。しかも、両方同じ向きのものじゃなくて上下逆さ、つまり一方が6、一方が9に見えるもので、顔まわりで本当に勾玉エネルギーが循環してるようにデザインされたもの。
その話をしてる時の対向車、12-25。クリスマスカラーじゃん!ってなったし、そのあと二人で連想したのは年越しのお供、タヌキとキツネ笑
ダッ……(しーっ)
見つからなくてよかったね笑

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