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第125話 歌声に花のひらく




 その日の夢の中で、私は旅行者だった。今まで生きてきた中で実際にはそんな経験はしたことがなかったけど、その世界の私は大荷物を背負ったバックパッカーで、どこかのドミトリーに泊まりこんでいた。
 大きな荷物はそのまま置いて、貴重品だけ持っての外出から帰ってくると、今朝まで私が泊まっていた部屋は大勢の人で埋まっていた。

 うわ、いつの間に。どうしよう足の踏み場もない……。

 仕方なく、置きっぱなしだったバックパックを背負い直すと隣の部屋へと移動した。
 さっきの人口密度が嘘のように、そこは、柔和な雰囲気のおじさんが一人だけしかいないガラガラの部屋だった。

「やっぱり移動して正解、快適だなぁ」と寛いでいると、自然とそのおじさんとの会話が始まった。紺色の作務衣のような服を着たその人は、いわゆる“視える人”だった。

「私、今トカゲが憑いてるんですけどわかります?」

「うーん、確かにいるね。……ちょっと待ってね。」

 その人は大きなアルバムを取り出すと次々とページをめくって、過去のデータにトカゲがいないかどうかを調べてくれている。
 ただあいにく、彼が持っている記録の中には地球のものは無いようで、照合までには至らなかった。

 すると次にそのおじさん、私の内側のトカゲを追い出すように意図してくれた。
 たくさんのデータの中から、“スサナル先生が私に渡したがっている物の記録”を出してきてくれたのだ。

 この人は誰なんだろう、スサナル先生のハイヤーセルフなのかな。それか、アカシックを管理している人なのだろうか。

 そうして見せてもらったのは、先生が私へと贈りたがっている、『指輪の記憶』。
 過去も未来もここでは渾然となっているのか。

 その記憶を、心で受け取る。
繋がった!私が指輪を見た途端、スサナル先生の意識体が私たちの所へとやって来てくれた!

 気づいた時にはドミトリーではなく、三人、空間に漂っていた。どうやらそこは、私の身体の中に広がる小宇宙のようだった。
 それから彼ら二人の意識が、その宇宙空間という私の体内を透過していく。力強い二人の男性に押し出されるように、肉体の中に収まっていたトカゲが少しずつ少しずつ、外へと弾き出されていく。
 広い空間の中で、果敢にトカゲにアタックしていくたくましくも強力な男性性。

 その夢の“観察者”でもある私はそれを見て、算段を立てつつこんな風に考えている。

 男の人たちが闘ってくれてる。それじゃあ私はどう闘う?
 剣?光?私にできることは何だろう。どのように彼らの援護射撃をしたらいいのだろうか。

 その直後。
まさかの“私”の行動に、“観ている私”は完全に虚を衝かれ、すっかり拍子抜けしてしまった。てっきり闘いに参戦するものだと思って疑わなかったところに舞い降りたのは、柔らかいドレスを纏った私だった。

 そうして“彼女”はこう言ったのだ。

「それなら私は、歌を歌うわ!」

……

 本来の私の女性性とは、なんと自由だったのだろう。私の中に眠っていた奔放な“彼女”に出会えて、こんな状況にもかかわらず、苦笑しつつも自分のことが愛しいものへと思えてきた。

 トカゲと闘う男性たち二人の横で、女性性の私はそんなことはお構いなしに、一人伸び伸びと歌い続けていた。


♪あなたが宇宙そのものなの。
あなたに出来ないことなんてないわ。
想像できたのならば、叶えることができるのよ。
あなたの“本当”と私の“本当”を、
私が信じているからよ。




written by ひみ

⭐︎⭐︎⭐︎

実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

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今回のこれ、わかります?
なんで私は闘わず、のほほんと歌など歌い出したのか。
(え?笑)

おそらくガイドであろう謎のおじさんの応援で、この時私の男性性(イコール彼の男性性)が先に開花し、だから私の女性性が出てきた構造なんです。

本来男性が持っている、「ツインレイ女性を護りたい」という性質を、彼が思い出してきました。

私たちにとっての指輪とは、彼のひとつの後悔と悲願の『記憶のシンボル』。
それを私が見て気づいたことで、彼の本質が呼び覚まされました。
(その“指輪物語”の真相は、今後の連載をお待ちくださいね)

ツインレイ男性が、与える側。
ツインレイ女性は、受け取る側です。


ちょっと大事な解説になるので、アメブロにて詳しく書いていきたいと思います。↓バナーをクリック!


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←今までのお話はこちら

→第126話 滲み出る


ブランニューヘヴィーズ
♪You Are The Universe
タイトルまんま!!
中身もまんま!!
サビの歌詞はギリ知ってたけど、この状況でよく歌ったよ私笑

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