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自然とのであい

都会に住んでいると、目まぐるしく情報が行き交うなか、
日々自然を感じること、ましてや自然に生かされている
という思想になかなかになりづらい。

自然と言われたとき、
遠くにあり、時にはスピリチュアル的な不思議なパワーを持ち、
どこか掴めないもののように思える。

一方、東京は日々新しいものが生まれては消えを繰り返し、
長年人々に愛されたものだけが残る。

そんな変化著しい楽しい街に物足りなさを感じたのは、
私が社会人2年目の頃だった。

まだうすら寒い季節の変わり目、
もうそろそろ訪れるGWをどう過ごそうか、
ずっと都内に篭るのももったいないなぁ、
行列のできるお店や観光地「以外」をネットで必死に探し、
これだ!と出発前日に上高地行きの夜行バスを予約した。

深夜23時頃出発場所である新宿西口のバス停へ向かうと、
同じくらい、いや、ひとまわりは大きなザックを持った
いわゆる登山ガチ勢がわんさかいるではないか。

一方の自分は、バンコク一人旅用に買った30Lの登山ザック、
レインジャケット、デニム、 ランニングシューズ。以上。
リュック以外、どうみても一人だけ様子がおかしい。
パッキングしてた時はやりすぎかもと思っていたが、
目の前の光景を見て一気に不安になった。

期待と不安を感じつつも、高速バスに揺られながら、
早朝5時に上高地バスターミナルに到着。

(え・・・寒っ・・・・)

途中のサービスエリアで休憩するときから少しずつ気になってたが、
この時の気温はやはりマイナス。

(GWは皆みたいに暖かいところに行けばよかったか・・・。)
と若干後悔しつつ、バスターミナル目の前の食堂へ避難。

暖と朝食をしっかりとり、ここまで来たら引き返せないので、
フリースやダウンやら暖かいモコモコした布を全て装着し、
ようやく歩く覚悟を決め出発した。

外気はひんやりしているが、空気が美味しいことはすぐわかる。
歩き進めると、観光名所の河童橋に到着。

(あれ・・・もう着いちゃった・・・。)

河童橋がメインの目的だったので、到着1時間で目的達成!
が、時計を見るとまだ6:00。ちなみに帰りのバスは15:00。
9時間余ってるというわけだ。

こんな早朝から開いてるお店なんてないし、
同じ場所にずっと留まっているだけでは凍え死んでしまうので、
ひとまず歩き進められるところまで行くことにした。

なんと無計画な・・・とかぐるぐる思いながらも
一瞬でどうでもよくなったのは、
そこには透き通った美しい水が広がっていたからだ。
太陽も顔をだし始めると、木漏れ日の美しさにもついうっとりしてしまう。

早朝ということもあり、前後に歩いている人がいない。
(変な感じだ・・・。)
歩く道は整備されているので、迷うことはないが、
これほどの木々に前後左右から覆われると、
とにかく圧倒され、どこから吸い取られるような怖さも感じた。

この時、感覚的にうけた衝撃がとても心地よかった。

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