OL

私は学生時代に、字を書いたり、細々した雑用を先生などから頼まれたりするのが大好きでした。
テレビドラマなどに出てくるOLに、とても憧れていました。
あんなに楽しそうなことをして、お給料をもらえるなんて!

高校を卒業後、ゼネコンに入社しました。
支店採用の事務職でした。

仕事に特にやりがいはありませんでしたが、嫌だと思う仕事はありませんでした。
ワープロも得意だったし、電話対応も好きでした。

ちょうどバブルの時期で、お給料やボーナスもどんどん上がっていきました。

私が在籍していた支店は、県庁所在地にありましたが、事務はそんなに忙しくなく、残業をする女子社員はほとんどいませんでした。
手取りのお給料は毎月同じくらい。
5時半には仕事が終わり、バスで家に帰ると、6時くらいには家に着きました。
田舎なので、街の方に出たところで楽しみもないし、母にお給料の半分も定期預金をさせられていたし、家にお金も入れていたので、自由に使えるお金はほとんどありませんでした。

その当時は、男性のほとんどはタバコを吸い、仕事をしながら休み無く吸う人が何人もいたので、部屋の中は常にモクモクしていて、タバコが嫌いな私はそれだけでもかなりストレスでした。

同期は男性4人、女性1人でした。
みんな高卒で同い年でした。
男性は建築や土木の現場監督なので、会社の行事や飲み会以外で会うことはめったにありませんでした。
女の子は、人柄は悪くありませんでしたが、気も話も合わず、あまり話すことがありませんでした。
行事などでは隣に座ることが多かったけれど…

同期の男性は、すぐに2人が辞めてしまい、残った2人のうちの1人と、私は結婚することになりました。

社内恋愛といっても、仕事場所は違うのに、何だか会社の人達には、すぐにバレてしまいました。

私の会社の事務員は、男性も女性も、会社の近くにあった商業高校の出身者が多く、その人達で【○○会】という、OB・OGのサークルを作っていました。
私はその学校の卒業生ではないし、
その人達の誰とも気が合わなかったから、その会について何とも思わないのに、
その○○会のメンバーは
「✕✕さんには内緒ね」という口止めをして、私にはその会で行っていることを、隠そうとしていました。
その当時、ちょうどJリーグが始まり、サッカースタジアムが建設されたりしましたが、皆で乗り合わせて行っては楽しんでいたようです。
私はもともとサッカーのことはあまり知らないし、サッカー部の友達もいなかったし、サッカーに興味がありませんでしたが、そのことで更にサッカーが大嫌いになってしまいました。
同年代の男女が、常に私を意識しながらヒソヒソしているのは、ただのイジメでしかありませんでした。
そんなの行きたくないんだから、堂々と隠さずにやればいいのに!

会社では、独身の会とか、地域の会とか、女性会などといっては毎月会費をとられ、親しくもない人達と定期的に食事をしたり旅行などに行かなければなりませんでした。

上司は仕事をせずに居眠りをしたり、現場に電話をしては長話をしたり、
「現場に行ってきます」などと言ってすぐにいなくなり、どこにいるかわからなくなりました。
携帯電話がなかったり、平野ノラがコントで見せるような、大きな電話がやっと出始めた頃でした。

飲み会は、経費だと言って会社のお金を使い放題でしたし、みんなやっているから、それが暗黙の了解という感じでした。

大人の汚い世界を知り、
同年代の人達に嫌がらせをされ、
だんだん会社が嫌いになりました。

良い思い出はありません。

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