【正しい決断とは?】カエルの楽園2020-百田尚樹

#読書記録 2021.01.15 4冊目

■この本はどんな本?

・新型コロナウイルスが蔓延した日本社会を、カエルの社会に例えて表現した寓話。

・2匹のアマガエルが、温厚で平和を愛するツチガエルの国にやってくる。
ツチガエルの国は、隣国のウシガエルの国からたくさんのカエルを受け入れて、食料であるハエを得ている。
しかし、ウシガエルの国では、未知の病気が蔓延して、多くのカエルが死んでいるようだ。

ツチガエルのリーダーは、自分を後援するカエルの存在から、ウシガエルの入国を止めることができない。
有識者であるカエルたちも、「大したことはない」「風邪みたいなものだ」と、カエルたちを安心させるようなことを言う。
そのうちに、恐れていた事態がやってくる。ツチガエルの国でも、病気が蔓延し始めたのだ。

・ウイルスが蔓延するまでの話が本の8割を占めるが、終章でその後日本がどうなるかを、グッドエンディングとバッドエンディングで表現している。

・前作「カエルの楽園」では、ツチガエルの国(日本)、ウシガエルの国(中国)、ワシのスチームボート(アメリカ)の三者を主軸に話が展開し、ツチガエルの国の安全保障を巡る状況を、わかりやすく寓話に喩えていた。
スチームボートがツチガエルの国を去り、ウシガエルによってツチガエルの国は占領されてしまうというオチだった。
余談ですが、未だに初めてこの本を読んだときの衝撃を覚えています。「こんな未来に、絶対にしたくない」と強く思いました。

■思ったこと

・日本は、データ云々というよりは世論や声の大きい人の意識で政策を決めているなぁと思いました。そしてその政策を主張する者の裏には、必ず利権が絡んでいる。この日本に住む一人の人間として、他人事だと思わずに、そこまで考えて政治を見ていかなければなぁと感じました。
そして、「本当に日本国民のことを思う政治家は、この国にいるのか?」と思ったら、悲しくなりました。

プロメテウスがウシガエルを止めない本当の理由は別にある。
(中略)
プロメテウスにガッツがないからだ。
ウシガエルをナパージュに入れないなんてことをやれば、大変な騒ぎになる。まず、ウシガエルが怒るし、お客様としてやってくる王様の件もある。
(中略)
要するに、そういう大変なことを背負いたくないというだけのことだ。

出典 カエルの楽園2020-百田尚樹

・自分は、リーダーになったときに、大変なことを背負う覚悟ができるか?と思いました。
私はまだリーダーの立場ではないけど、いつかは必ずその責任を負うことになる。
正しい情報に基づいて、自分で判断して、その責任をとっていく生き方をしたいです。
要は、「覚悟するかどうか」なんだろうなぁと感じます。

・何を判断したとしても、必ず賛成者と反対者がいます。
ということは、どちらを選んでも絶対に批判はされるということ。根拠に基づいて自分が正しいと判断したことを、どれだけ目に見える成果を出せるまでやり抜くことができるかが、結果を分けるのだと感じました。
もちろん、これはダメだなと思ったら止めるという選択も必要だと思います。しかし、コロコロ方針を変えていたら、何の成果も得られないと思います。

・政治に無責任にならない。
どこか他人事でテレビを見ていた気がします。私が決めることではないから、と諦めていたかも。
自分でもどうしたらわからないけど、ただリーダーの決めたことを批判だけするのはずるいし、自分の頭で考えていないのは無責任だし、何も生まないし、何よりカッコ悪い!と思います。
きちんと自分でも「どうしたらいいか」を考えて、未来に責任を持っていきたいと思いました。

・著者の百田さんは、未知のウイルスに対して、以下の主張なのかなぁと私は感じました。経済活動を再開させないリスクを、私は国内で失業者が増えることなど国内目線で見ていたのですが、他国(経済活動を再開している中国など)との関係で見る視点もあるよなぁと驚きました。
蔓延初期→ウイルスを持ち込む可能性がある人を国内に入れない
ウイルスの脅威のレベルがわかったあと→いち早く経済活動を再開しないと他国から遅れを取り、国をもとに戻すことができなくなってしまう。

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