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【タケコプター】は「タケ」+「コプター」という認識でノープロブレム

「ヘリコプター」(helicopter)の語源雑学から漫画『ドラえもん』に登場するひみつ道具「タケコプター」の区切り方に発展して話題になっているようです。個人的にはまたかという印象ですが、本稿では「タケコ・プター」でも「タケ・プター」でもなく「タケ・コプター」という解釈で問題ないことを解説します。

今回の発端Tweet

今回の発端はカレーとネコ(@kareneko02)さんのTweetのようです。

過去にも話題となったヘリコプターの語源

「ヘリコプター」の語源雑学は過去にも何度か話題となり、記事も『「ヘリコプター」は「ヘリコ・プター」!? 実は知らない意外な区切りの単語たち』や『衝撃の事実…ヘリコプターの区切りは「ヘリ」+「コプター」ではなかった、じゃあ正解は?』など幾つか出ています。

後者の記事では「タケコプター」にも言及されており、「ドラえもんのタケコプターもタケプターのほうがふさわしいのかもしれませんが、今さら変えられても困りますね」と結んでいます。

ヘリコプターの語源

「ヘリコプター」(helicopter)の語源はギリシャ語の「ἕλιξ」(螺旋)+「πτερόν」(羽)が組み合わさった名称とされています。つまり「helix」(helic)と「pteron」(opter)が合体した語です。

そもそも区切り方は必要か?

語源を知ることは有意義だと思います。しかし、だからといって、そもそも語源で区切る必要性はあるのでしょうか?英語の発音でも「ˈhel.ɪˌkɒp.tər」「ˈhel.əˌkɑːp.tɚ」「ˈhel·ɪˌkɑp·tər」など「hel・i・cop・ter」の4音節が主流であり、「ヘリコ・プター」とは区切りません。

「copter」とは何か?

それに元来、欧米圏でもヘリコプターなどの回転翼機(rotorcraft)の略語として「copter」が使用されています。一般的な4つのローター(回転翼)を持つドローンは「quad」+「copter」で「クワッドコプター(quadcopter)」(または「クワッドローター」)と言いますし、ドイツの「乗用ドローン」(エアモビリティ)メーカーの『E-volo』社は日本語の感覚的には印象的な響き(語感)の社名である『Volocopter』に社名変更しています。もちろん、「copter」という単語は英語辞典に載っています。

「タケ」+「コプター」という解釈で問題なし

従って、「タケコプター」を「タケ」+「コプター」と解釈しても何の差し障りもありません。傍証として『ドラえもん』には家屋用の「イエコプター」が登場します。そもそも「タケコプター」を区切る必要はありませんが、原作者からの注意がない限り、「タケ(トンボ)」+「コプター」(copter)という認識で問題はないということです。

真面目に答えるべき問題ではないかもしれませんが、「ヘリコプター」の語源だけではなく、異なる視点からみると「タケコプター」というネーミングに論理的な矛盾はなく、竹とんぼのようなひみつ道具で空を飛ぶことを連想させる実に素晴らしいネーミングであることが理解できます。

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