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【ドローンデリバリー】が環境イニシアチブ賞受賞

2017年にアイスランドの首都レイキャビクで世界初のオンデマンド商用ドローンデリバリーサービスを開始したオンラインコマース企業Aha社(Aha.is)が、ドローンデリバリー(drone delivery)活用による環境負担(環境負荷)軽減への貢献でSA Confederation of Icelandic Enterpriseの「環境イニシアチブ賞」を受賞した(2021年10月7日付『Morgunblaðið』「Hamborgarar á flugi」)。

商用ドローンデリバリー

世界初のオンデマンド商用ドローンデリバリーサービス(drone delivery service)がアイスランドのレイキャビクで開始されたのは2017年。現在では中国(郵便でのドローンデリバリー使用は2015年頃から開始とされる)、アイルランド、オーストラリア、アメリカ、カナダなどの一部地域に拡大したドローンデリバリーサービスのユーザー満足度は非常に高く、サービスを利用していない非ユーザーを含めた地域住民におけるドローン宅配サービスの好感度は驚異の9割である(詳細は以前の記事『【ドローン宅配】アメリカでの好感度は驚異の9割』を参照ください)。

郵便物のドローンデリバリー

中国では2015年頃から郵便物の配送にドローンが使用されていたようだが、スイスではSwiss Post社が2017年からルガーノ、2018年からチューリッヒで、イギリスでは郵便事業を行うRoyal Mail社が2020年から離島などへ小包など郵便物のドローンデリバリーを開始している。

医療物資のドローンデリバリー

また、商用ドローンデリバリーが規制されている国や地域においても人道支援や医療物資のドローン物流は進められており、離島や僻地への支援物資や医療物資のドローンデリバリーが実施されてきた(以前の記事『【医療物資のドローン物流】 コロナ禍で加速したドローンによる医療サプライチェーン変革[序章]』で2018年タンザニアにおける離島への医療物資ドローンデリバリープロジェクトなどを紹介)。

取り分け、コロナ禍によって検体やワクチンなど医療物資の非接触型ドローン配送が加速し、離島や僻地だけでなくドイツの首都ベルリンといった都市部でも医療物資のドローンデリバリーが行われるに至り、ドローンが世界の医療サプライチェーンに変革をもたらしている(詳細は前出の記事を参照ください)。

エコでクリーンなドローンデリバリー

そして今回、ドローンデリバリーのエコでクリーンな特性がフィーチャーされ、CO2(二酸化炭素)等のガス排出がほとんどなく、道路の交通渋滞を緩和させ、社会全体における環境負担(環境負荷)の軽減に寄与したとして「The SA Confederation of Icelandic Enterprise prize for the environmental initiative of the year」(環境イニシアチブ賞)をAha社にもたらした。

もちろんAha社は配送車両を全て電気自動車にするなどドローンデリバリー以外にも環境問題に積極的に取り組んできたが、取り分け2017年当時最先端だったドローンデリバリーを逸早く社会実装した点が評価された。今回の受賞はまさしくドローンデリバリーがもたらした「環境イニシアチブ賞」と言える。Aha社のドローンデリバリーサービスはイスラエルFlytrex社のRPAS(UAS)をベースに構築されており、ボーイング社などとも協力している。

環境負荷軽減へ今後の課題

一部を除きドローンデリバリーで使用されるドローン機体(UAV)のほとんどが全電動機体とは言えバッテリーの充電には電気が使用される。ドローンのバッテリー充電に使用する電源もグリーンエネルギーでなければ意味がないということになる。太陽光発電や水素エネルギー(ブルー水素)は場合によって化石燃料の使用より環境への負担が大きいことが判明している以上、本当の意味でのエコでクリーンな社会の実現は容易ではない。

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