SOMAをプレイ: 深い、怖い、古い、面白い
SOMAをプレイしました。PC Game Passを利用してPCでプレイしました。
クリアまでにかかった時間は8時間半程度。
Game Passでの配信は4月15日までですが、過去にEpic Gamesにて無料配布が行なわれていたため、既に持っている人も多いかもしれません。
概要
主人公サイモンは交通事故による脳への後遺症を治療するため、専門家の元へ向かいます。脳の状態をスキャンしコンピュータで治療法を見つけるはずが、気が付くと整備場のような場所に独り残されて目を覚まします。
自分の状況と家へ帰る術を探すべく、探索が始まります。
ジャンルとしてはホラー、一人称のアドベンチャーです。戦闘要素は敵から逃れるためのステルスのみで、シューティング等はありません。パズルや物探しとステルスが半々といった感じでしょうか。
それなりにグロテスクな描写や急に驚かしてくるジャンプスケアも出てきますが、分量としてはそこまで多くはありません。ゲーム全体の難易度も高くなく、難しくて詰まってしまう部分はありませんでした。
公式な日本語訳はありません。自分は英語で遊びましたが、字幕を付ければ大学レベルの読解で充分理解が出来ました。
良かった点
ストーリーの主題が非常に良く練られていました。人間の本質と生命の意味、機械との境界線をプレイヤーに問いかける重厚なテーマが扱われています。ホラーの環境も上手く作用し、このテーマについてより深く考えさせられます。
主人公の反応や考えの変化も見ていて面白いですし、巻き込まれた状況への戸惑いや選択への葛藤も遊び手が共感しやすい作りになっています。
物語の舞台もホラーに相応しく、閉鎖的環境と暗闇による視覚的表現が進む怖さを引き立てます。自分でキャラクターを操作しなければいけない点がホラー映画と違い、次の一歩を躊躇わせる仕掛けが用意されています。
プレイヤーの選択による分岐は無く、エンディングも一つで固定されています。終わり方には賛否あるかもしれませんが、自分は非常に好みなエンディングでした。
気になった点
ストーリーは非常に面白いですが、ゲームプレイ自体には特筆すべき点はありません。パズルやステルスは他のゲームで経験したことのある手触りのものも多く、新鮮さは感じませんでした。
敵からのステルスも慣れてくると冗長になります。最初こそ怖いものの基本は迂回するしか手が無いため、どうしても面倒さが勝ってしまいます。
約9年前に発売されたゲームのため、グラフィックや操作性にも若干古臭さが残ります。ポリゴン感の残るグラフィックは独特の怖さにも一役買っていますが、現在プレイするには少し見劣りしてしまいます。
最後に
ゲームプレイの不満点を帳消しにするほど面白く個性的なストーリーを持つ一作です。このテーマ、ホラーというジャンル、ビデオゲームというメディア、三つが密接に関わり合うことで、唯一無二の体験が得られました。
プレイ中の選択はエンディングにこそ反映されませんが、各々の性格と価値観が試されるものが多いです。プレイできる環境の方は是非ご自身で確かめてみてください。
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