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岡本太郎「太陽の塔」に学ぶ究極の集客術

SNSマーケティングの目的は集客


SNSマーケティングの目的は集客です。集客を図るために、InstagramやYouTubeを活用して自社の製品やサービスを宣伝するわけですが、宣伝に力を入れる以上に重要なことがあります。それは、大阪万博で太陽の塔を作り上げた岡本太郎から学ぶことでができます。

集客成功のためには圧倒的なシンボルが必要


岡本太郎から学べることは、集客成功のためには圧倒的なシンボルが必要だということです。人類の進歩と調和をテーマにした1970年の大阪万博は、183日間で6422万人もの入場者数を記録し、日本人口の6割が来場しました。収支赤字を予測する声も多かった中、結果として160億円の黒字を達成しました。これは入場者が予想の2倍以上になったからで、入場料だけでなく物販や飲食の歩合収入も大幅に伸びたからなのです(堺屋太一著「人を呼ぶ法則」 より)。

50年経った今でも、大阪万博といえば「太陽の塔」というくらい、圧倒的なシンボルであり続けています。SNSどころかインターネットすらなかった当時でも、アイコンとして存在し、人々はそれを見たくて大阪万博に詰めかけました。しかし、この万博成功の要となった太陽の塔も、最初は作る予定がなかったそうです。

予算のほとんどを太陽の塔につぎ込んだ岡本太郎


岡本太郎に当初与えられた役割は、万博のコンセプトに見合った展示を提案する、というものでした。しかし、その役割を無視して太陽の塔の建築を提案してきたといいます。
万博のプロデューサー、故・堺屋太一氏は当時のことをこう振り返っています。

テーマ展示プロデューサーの本来の役割は、「人類の進歩と調和」というテーマにふさわしい展示物を展開することだった。ところが岡本氏は、与えられた予算のほとんどを費やしてただ一つの巨大な展示物、「太陽の塔」を提案した。

「人を呼ぶ法則」 より

与えられた予算をほとんど「太陽の塔」につぎ込むという、荒唐無稽な提案にみな驚き、基幹施設プロデューサーの丹下健三氏とは取っ組み合いになるほどの激論を交わしたそうです。しかし、最終的には建設されることとなり、誰しもの記憶に残る万博のシンボルとなります。

しかし、でき上がって見ると、岡本氏の個性あふれる造形は断然目を引き、日本万国博覧会のシンボルになった。いわば、丹下氏が警戒していた通りに「目立った」のである。
「人間の博覧会」では、テーマ展示を理屈通りにならべてもつまらない。人を呼び、人に覚えられる行事には「太陽の塔」こそふさわしい造形だった。

「人を呼ぶ法則」 より

岡本太郎がもともとのオーダー通り、細かい展示物を作っていたら、万博の要となる圧倒的シンボル=太陽の塔は誕生しなかったわけです。

集客するには予算を一局集中せよ


集客する際には、予算を効果的に使用することが非常に重要です。特に、目を引く強烈なシンボルを作り上げるためには、予算を一点に集中させる戦略が効果的です。岡本太郎は限られた予算の大部分を使い、記憶に残る巨大なシンボルを創造しました。

こういったシンボルを作り上げた小売業界での成功事例として、Appleの「Apple Store」があります。彼らはデザインと技術に特化した店舗作りに大きな投資をし、それがブランドの象徴として世界中で認識されています。
マクドナルドは「ハッピーミール」のおもちゃに特に力を入れ、キャラクターを活用して子供たちを引き寄せる戦略を取っています。これらのおもちゃは、時に限定品としてリリースされることで、親やコレクターにも話題を提供し、訪問の動機を増やしています。

さらに、エンターテインメント業界では、ディズニーがその最たる例です。彼らは映画やテーマパークだけでなく、キャラクターマーチャンダイジングに莫大な予算を投じ、それが世界中で愛されるブランドイメージを形成しています。ディズニーキャラクターの一つ一つが、それ自体がシンボルとなり、商品やメディアを通じて広く認知されています。

このようにシンボリックな要素を中心に予算を集中投資することで、訪れた人々の心に強い印象を残すことが可能です。そして、現代ではこのような印象的なシンボルは、SNSを通じて瞬く間に拡散されるため、さらに大きな集客効果を期待できます。SNSが広範に利用されている今、一つの強力なビジュアルコンテンツが世界中に瞬時に共有され、話題を呼び、さらに多くの人々を引き寄せることにつながります。

ですから、究極の集客術、究極のSNSマーケティングとはPRに力を入れるよりも、人々の心をつかむシンボルを作り上げることが最も効果的なのです。


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