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日系&外資医療機器メーカー、転職するならどっち?

国内の市場規模が約13兆円の医療機器業界。

コロナ後も市場拡大が予想され、転職には魅力的な業界の一つです。

しかし、医療機器メーカーに転職する、といっても、実際にどのような会社があるのでしょうか?

国内で医療機器製造業者として登録している企業は約10,000社ありますので、選択肢は多くあります。

今回は、その中でも「日系」「外資系」のどちらに転職すれば良いのか、その特徴を紹介します。

また、最後に日系と外資系の売上上位企業を紹介しますので転職の際のご参考にしてください。

日系医療機器メーカーの特徴


下記に記載しているような、グローバルに展開している日系医療機器メーカーは、海外に転勤するチャンスが多くあります。

しかも、外資系の海外勤務のような「お客様」としてではなく、「本社(製造元)の人間として」海外拠点で活躍できるので、よりご自身の活躍の場が広がる場面が多いでしょう。

また、収入は外資系に比べるとやや控えめになりますが、最近はIT系など他業種の収入が上がっている事から、転職の際は強気の年収を交渉する場面も出てきています。

マーケティングや製品開発なども、製造元なので、外資系のように海外から指示される事なく日本主導で行える事も魅力の一つです。

また、終身雇用的な考えを残している企業も多いので、じっくりと1社勤め上げたい方にはおすすめです。

外資系医療機器メーカーの特徴

外資系医療機器メーカーの魅力は、なんと言っても
「高収入」
「実力主義」

です。

特に営業に関しては、売ったら売った分、インセンティブは青天井のような企業も少なくありません。
マーケティングを含めた内勤の場合も収入は日系と比べて高いと言えるでしょう。

特に転職する際に内勤で成果を上げている人であれば、収入の交渉は有利に進められる事が多いです。

しかし、製造元が海外なので、日本はあくまで販売会社であるため、例えば、製品の開発や改良、現場の声を製品に活かすなどといった活動は製造元の日系企業に比べてかなり制限され、海外製造元の意見を受け入れなければならない場面が多くあるので、そのあたりの交渉術が必要となってきます。

終身雇用に関しては期待できず、定年まで勤め上げる人はほとんどいません。

営業一筋であれば、マネージャー以上のポジションであっても、50歳を境に、肩を叩かれる事が多くなり、その後の転職でも不利になります。

オススメは、20代〜30代前半は営業でしっかり稼ぎ、30代中盤からはマーケティング、薬事など本社のスペシャリストとして活躍する事です。
この場合は、40代、50代でも転職が可能で、条件が良い状態で日系企業へ転職し、定年まで勤め上げる事ができます。

または、40代あたりで医療に関連した会社を起業する事も一考かもしれませんね。


日系医療機器メーカーTop5

1.オリンパス(http://www.olympus.co.jp/jp/medical/

【概要】 売上約8,000億円、従業員数39,727名、世界に124の子会社を持つ。
売り上げの約80%が医療事業。1950年世界で初めて実用的な胃カメラを開発した。その後もファイバースコープ付き胃カメラを製品化するなど最先端機器を開発し続けている。
「早期診断」と「低侵襲治療」を掲げ患者のQOLの向上に努めている。事業領域は消化器内視鏡・処置具、外科領域。

2.テルモ(http://www.terumo.co.jp/

【概要】売上約6000億円、従業員数28,294名、連結子会社は100社を誇り、世界23の国と地域で生産拠点を持つ。
1921年創業の医療用機器メーカー。
世界初のホローファイバー型人工肺や、日本初の各種使い切り医療機器などを、世界160カ国以上で提供している。現在3つの社内カンパニー制度で事業を展開している。①心臓血管カンパニーはカテーテルによる血管内治療領域と、心臓血管外科手術の領域。②ホスピタルカンパニーは病室や患者さんの自宅などで危機と薬品をシステムで提供するビジネス。点滴の投与システムなど。③血液システムカンパニーは血液に病気を持つ患者さんのための医療システムを提供している。

3.ニプロ(https://www.nipro.co.jp/

【概要】売上約3,666億円、連結従業員数約29,000名。
本社を大阪に置くヘルスケア企業。
事業を行っている。医療機器事業では透析関連、人口臓器関連の機器を中心とした様々な医療機器を提供。医薬事業では注射剤、経口剤、外用剤など多彩な医薬品を手掛けている。ファーマパッケージング事業ではガラスを中心とした素材と部材を提供している。近年順調に売り上げが拡大している。近年はユニチカの検査薬事業、グッドマンの営業部門(バスキュラー事業)、ネクスメッド・トランソニックを買収し整形領域等事業拡大を図っている。

4.シスメックス(http://www.sysmex.co.jp/

【概要】 売上約3,000億円、連結従業員数7.450名、世界190か国に製品を供給している。
神戸に本社を置くヘルスケア企業。
血液検査、尿検査、免疫検査に強みを持つ。血液検査のヘマトロジー領域では世界No1である。

5.日本光電工業(http://www.nihonkohden.co.jp/

【概要】 売上約1787億円、グループ従業員数約5100名。
計測機器、検査機器、治療機器等の医用電子機器および関連したシステム・消耗品類の開発からコンサルティングまでをトータルで提供している。医療に国境はない、という信念のもと、医療ニーズや特性を見極め120か国以上の国や地域への輸出を行っている。


外資系医療機器メーカーTop7


1.メドトロニック(http://www.medtronic.com/jp-jp/

【概要】 グローバル売上高は、約4.4兆円。
米国に本社を置くグローバル医療機械の会社。
2015年にコヴィデンを買収投合した。
1950年代に世界初の電池式心臓ペースメーカー、1960年代後半に世界初の植込型心臓ペースメーカーを開発した。
ペースメーカーでは圧倒的なシェアを持っている。また、狭心症、心筋梗塞といった虚血性心疾患及び末梢動脈疾患等の治療のためのカテーテル、糖尿病患者向けのインスリン投与デバイスの開発、その他疾患のステントなどの研究・開発・製造・販売を行っている。

2.ジョンソン&ジョンソン(https://www.jnj.co.jp/

【概要】 グローバルでの売上高は、約3.5兆円(※メディカルカンパニーのみの売上)。
1886年に創業され125年を越える歴史を持つ。
「我が信条(Our Credo)」はあまりにも有名であり世界から尊敬を集めている。事業をヘルスケアビジネスに特化しており、コンシューマー、メディカル、ビジョンケアの3つのカンパニー制を敷いている。
コンシューマーは、バンドエイド、スキンケア製品など。
メディカルは、外科手術関連(エチコン)、心臓・末梢血管関連(バイオセンス・ウェブスター)、整形外科(トラウマ & ジョイント リコンストラクション)・脳神経外科関連(セレノベア)の各事業部が存在。
ビジョンケアはアキュビューをメインとしたコンタクトレンズを取り扱う。医薬品はヤンセンファーマという別会社で事業を運営。
カンパニー、事業部間の人的交流もある。

3.ヴェクトンディッキンゾン(http://www.bdj.co.jp/

【概要】 グローバルでの売上高は、2.8兆円。
1897年にベクトン氏とディッキンソン氏が米国で創業。
1971年に日本に上陸。当初は細胞培養用の培地の製造販売、その後ライフサイエンス関連の研究資材、血液検査用各種装置・診断キット、採血管等の検体採取関連製品、カテーテル等の輸液関連製品、注射針、プレフィルドシリンジ等が製品群。フォーチュンの選ぶ「世界を変える企業2019」にも選ばれる等、国際的な評価も得ている。

4.GEヘルスケアジャパン(http://www3.gehealthcare.co.jp/

【概要】 グローバル売上高は、約1.8兆円。
日本への医療用機器事業の参入は1982年。横河電機との合弁で横河メディカルシステムズとしてスタートした。
その後GE横河メディカルシステムズとなり、その後合併を行い現在はGEヘルスケア・ジャパンとなっている。MRI、CT、超音波診断装置など医用画像診断装置が有名。
また、日野市にある同社の日本製造工場はヘルスケア業界では珍しいブリリアントファクトリーに認証されている。

5.ストライカー(https://www.stryker.com/jp/ja/index.html

【概要】 グローバルでの売上高は、2.3兆円。整形外科医であったストライカー氏が米国で創業。整形外科、外科、脳外科、耳鼻科、口腔外科、形成外科、泌尿器科等、様々な診療科目で使用される医療機器を取り扱っており、製品は、人工膝関節、人工股関節、人工肩関節、骨セメント、脊椎および脳血管関連のインプラント製品を始め、内視鏡やインストルメント等の手術室関連商品、ベッド・ストレッチャ-など多岐に渡る。日本では松本医科器械に資本参加しその後統合した。2020年に働き甲斐のある会社Glate Place To Work ベストカンパニーに3年連続で選出されている。


6.シーメンス(https://www.healthcare.siemens.co.jp/healthcare-company-profile/about

【概要】 グローバルでの売上高は、2兆円(※ヘルスケアカンパニーの売上)ドイツに本社置く総合テクノロジー企業(エネルギー、インダストリー、他)のヘルスケアカンパニー。
世界でも屈指のグローバルヘルスケア企業として、画像診断装置から体外診断薬・機器事業、遺伝子検査、治療システムまで、ポートフォリオを拡大し続けている。さらに病院経営、コンサルティングやITサービスまでサービス範囲を広げている。
日本では2015年にヘルスケアとそれ以外に分社し、ヘルスケア企業としてより顧客にフォーカスできる体制を構築した。



7.ボストンサイエンティック(http://www.bostonscientific.com/jp-JP/home.html

【概要】グローバルでの売上高は、 1.6兆円。1979年に米国で設立された医療機器メーカー。世界100ヶ国以上に製品を提供。研究・開発への投資は年間10億ドル規模にも及び、取得した特許は15000件超。13000種以上の製品を取り扱い、その75%以上でTOP3以内のマーケットシェア(売上)を獲得している。インターベンション(低侵襲・患者の身体に負担を与えにくい手術の方法)機器であるステントやカテーテルの研究・開発・製造・販売を行っており、狭心症や心筋梗塞などの心血管疾患や不整脈の診断・治療に用いる製品の最先端企業。



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