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柿の葉茶は深い!

私が柿の葉茶を知ったのは約20年前、当時アトピー性皮膚炎を患っておりました長男の脱ステ治療中に手にした本がきっかけでした。
西式健康法や甲田療法などその昔にいらしたお医者さんからの伝承療法にふれては幾度となく柿の葉茶の存在を目にしていました。当時はビタミンCが沢山とれるんだくらいの知識しか持っていませんでした。
さて時代は移り・・・。

 私のいる待合室では、患者さんの治療期間中には偏りのない和食中心の食生活をお勧めし、できるだけ自然な形で栄養素をとれるようにと、その有用性から柿の葉茶、タンポポ茶、まこも茶などをご紹介し、ビタミンやミネラルの摂取にサプリメントではなく自然な形で必要な栄養素の補給をと御提案しています。
クリニックを開院したのが8年前、それから4年後ですが、待合室にお茶を置き始めた頃のつたない文章・・・。ブログも残っています。
柿の葉茶とアトピー性皮膚炎 | 木俣肇クリニックBLOG (kimatahajime-clinic.com)

 待合室でお茶を置き始めて以来、多くの患者さんから喜びのお声を私たちは聞きました。飲用されている方とそうでない方のリバウンドによる治療経過の違い、心身ともにおける回復の差など、院長とともにチーム木俣は患者さんの変化に気付き始めていました。
もちろん患者さん同士の年齢、性別、職業、環境、アレルギーの有無ステロイドなどの免疫抑制剤や保湿剤の使用歴やそのランクの違いが様々ですので正確な比較対象にはなりませんが、リアル待合室で感じ気づいた有用性から日々探求心が募ります。

 皆さんはgoogle scholarを利用なさいますか?
Google Scholarとは、Googleが提供する論文検索サイトです。世界中の学術的な論文、書籍、要約などを検索・閲覧できます。
一般的なGoogle検索と同様、無料で使用することができるので、リアル待合室で提供される情報は第一にクリニックでの臨床とそして文献を通して有用性を知り、学ぶことから。
では、どうしてこんなに柿の葉茶が素晴らしいのか?Google Scholarで嬉しい研究や素晴らしい論文の発見が続きました。

柿葉のビタミンCとポリフェノール成分との関係

論文はこちら⇒ 柿葉のビタミンCとポリフェノール成分との関係 (jst.go.jp)

要約:健康茶として飲用されている柿葉茶の有効成分, すなわち, ビタミンCとポリフェノール成分の含有量の挙動を, 季節別生葉とその乾燥法別柿葉茶, さらに柿葉茶浸出液について追究した。その結果は次のようである。
①ビタミンCは、収穫時期7月葉に最も多く485mg/100gで還元型が70%を占めた。
②ポリフェノール量は季節の経過に伴ってしだいに増加し, とくに10月の若葉は著しく高く3, 100mg/100gであった。

メディの庭先にある柿の木です。(6月末に撮影)
この柿の木なんと鳥からのこぼれ種から大きく育ち今年初めて実をつけました。
メディ・フュージで扱う柿の葉茶はこちら。
https://shop.m-fusion.co.jp/products/k
小川生薬さんに収穫時期を確認したところ7月から9月の夏の葉のみ!

柿葉茶の浸出方法が抗酸化成分含量に及ぼす影響およびそ の浸出液の安定性

論文はこちら⇒ 柿葉茶の浸出方法が抗酸化成分含量に及ぼす影響およびその浸出液の安定性 (jst.go.jp)

要約*柿の葉茶の浸出方法および浸出液の保存方法が,アスコルビン酸(ビタミンC),アストラガリンおよび総ポリフェノール含量 に及ぼす影響を検討した。その結果,成分により効率よ く浸出するのに適する入れ方は異なった。アスコルビン 酸 5 'c の冷水の場合は10~60分間, 60~100'C の熱場合は水の場合は, 3 ~10分間程度置く方法が適していた。

一 方,抗アレルギー作用が期待されるポリフェノールの1種アストラガリンおよび総ポリフェノールは,半量に なるまで煮詰める方法や加圧浸出などの方法を用いるこ とによって浸出効率は高まった。また,浸出液中のアス コルビン酸は 5'c程度の低温下で保存する方法が最も含 量が保持された。しかし,アストラガリンおよび可溶性 ポリフェノールは高温条件下の保存でも安定性に優 れ, 90'Cで24時間保存した場合でも,アストラガリン含 量の減少は約10%の減少にとどまり,総ポリフェノール 含量はほとんど減少しなかった。

「柿が赤くなると医者が青くなる」


初収穫‼メディの庭先の柿の木は甘がきでした!真っ黒は不溶性タンニン!の証。
鳥さんは「紀の川柿」「黒あま」と呼ばれている甘がきを落としていってくれたようです。
柿は1000種あるといわれているそうですが、甘がきの種類は非常に少なく20種ほどだそうです。

この有名なことわざは柿が赤くなる良い季節になると病気になる人が減り医者がもうからず困る⁈という本来の意味のほか、ミネラルやビタミンが豊富で栄養価摂取の低い時代には医者いらずの万能薬とされたことも表しているようです。

ニュース⇒【新型コロナ】「柿渋」が新型コロナを不活化 ウイルスを1万分の1以下に 食品開発に期待 | ニュース | 糖尿病ネットワーク (dm-net.co.jp)
奈良県立医科大学は「柿渋」が新型コロナウイルスの不活性化に有効である旨、実験で検証されたと発表されました。
新型コロナウイルスが1万分の1以下にまで不活性化するという。

実験では、試験管内で「新型コロナウイルスと人の唾液のみ」と「新型コロナウイルスと人の唾液に柿タンニンを加えた場合」を比較した。その結果、柿タンニンの添加により、新型コロナウイルスが不活化することが明らかとなったそうです。なお、今回の研究では、治療効果についての検証は実施していない。また、人の口腔内に新型コロナウイルスが入った場合の予防効果についても、直接的に検証していない。しかし、実験条件は人の口腔内の条件と類似しており、柿タンニンによる新型コロナウイルスの不活化が人の口腔内でも起こる可能性を示唆しているとのこと。
柿タンニンのウイルスに対する効果としては新型コロナウイルスに限られず、インフルエンザやノロウイルス、O-157などの不活性化にも有効であるとの研究結果もあるようです。
こちらも⇒台湾のコロナ研究に進展、タンニンが新型コロナウイルスを抑制 : Taiwan Today

リアル待合室では、下記の葉茶をご案内する際には、高温で長らく煮出すとタンニンが出やすくなる為その作用で便が固くなることもあり、浄水を沸かし一呼吸おいて茶葉を入れていただくように勧めてきました。そして腐食しやすいためすぐ飲まない場合は冷蔵庫に冷やしていただくように伝えています。今回発見した論文により柿の葉茶の魅力を再確認できました。