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「縦書き」の本と「横書き」の本

神保町の古本屋さんで、何気なく洋書の本を手にとってを開いてみました。
すると当たり前のことかもしれませんが、ローマ字がびっしりと「横書き」で書かれているのです。
普段、私が読んでいる日本語の本は、ほとんどが「縦書き」です。
時々「横書き」の本もありますが、小説なんかは基本的には「縦書き」です。

普段、あまり意識をしたことはなかったのですが、「縦書き」の本というのは、世界的に見て珍しいのではないかと思うのです。

そういえばある時、地下鉄のホームで本(小説)を読んでいると、ある西洋人に話かけられたことがあります。
何語で話かけられたのかは覚えていませんが、ジェスチャーで「縦に読んでいるのか?」というふうに聞いてきたのがわかりました。
私は、なんとなく「そうです」というふうにジェスチャーで答えました。
するとその西洋人は「うん、うん、」と頷きながら立ち去ったのです。

後から思えば、縦に文字を読むことが珍しかったのだと思います。

普段、日本語を使っている私たちの生活を考えると、「縦書き」よりも「横書き」の方が多くなっています。
パソコンの画面にしてもスマホの画面にしても、表示されるのは「横書き」です。

中国語はどうなのかとネットで調べてみると、中国の本は「横書き」になっているようです。
お隣の韓国も、ハングルは「横書き」です。
あまり詳しいことは分かりませんが、「縦書き」の本というのは、日本独特のものなのかもしれません。

日本語も、元々は「縦書き」しかなかったものが、西洋のローマ字の影響を受けて、「横書き」が増えていったものと思われます。

最近は、文字を筆記用具で書くこと自体が少なくなりました。
スマホへのフリック入力や、パソコンへのタイピングが主流になりました。
字を上手に書くよりも、パソコンにブラインドタッチで、早く且つ正確に打てるスキルの方が重宝がられます。
もしかしたらこの先、それさえも無くなって、音声入力が主流になるのかもしれません。

今、こうしてパソコンで入力している文章も、「横書き」です。
すでに「横書き」になれてしまっているのです。
でも、なぜか小説は「縦書き」でないと違和感がある気がするのです。
不思議なものです。

そういえば小説家の先生方は、「縦書き」で書いているのでしょうか。
MicrosoftのWordなら「横書き」で入力をして「縦書き」に変換することもできます。
でも、書籍になることを想定して書いている筈なので、最初から「縦書き」で書かれているのでしょうか。


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