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たつくん1

わたしとたつくんとの出会い。




高校の同級生3人で飲んでいた夜。
その内の1人が
「俺このあと中学の先輩の家で宅飲みするけど、お前も来る?」
と誘ってくれ、お言葉に甘え行くことに。
時間も遅い。確か、22時過ぎ。




暇を持て余している私は二つ返事で
「行く!」と。





たつくん宅への道中
石神井川の桜がすごく綺麗だった。酒ブレ。





連れられ到着したおうちが、たつくんち。
たつくんちでは既に飲み会が開催されており、
泥酔した女がたつくんのベッドで寝ており、
ドラマーとたつくんが二人で飲んでいた。





「おじゃましま〜す」と2人で入室。
「アヤカさん、もう潰れたんですか〜?」
と調子のいい同級生男はすぐにベッド・イン。





なんだこの世界は。
と思った。
わたしの知らない世界。
男女が入り乱れる宅飲みが初めてだった。





オレンジの常夜灯とチャンダンのお香が焚かれた、ムーディーなたつくんの部屋。
すっかり萎縮してしまっていたわたしだが、
ドラマーが優しく、
「座んなよ〜」と声をかける。





「アッハイ。」と返事し、
手慣れた手付きで酒を作るたつくん。
「すみません…急にお邪魔してしまって…。
ホクです。よろしくお願いします…。」
「家主だから気にせんで〜」とたつくんは言ってくれて、それぞれの自己紹介をされた。





同級生はアヤカとイチャイチャ。
まじワケわからんまま、宅飲みスタート。





酒のおかけで気持ちもだいぶ和らぎフランクに話せるようになってきた頃ジェンガが始まる。
「飲みながらゲームするんだよね〜」と手慣れた2人。






同級生はアヤカと寝てる。






わたしは酒癖が悪いので酔うとなんでも忘れる。
同じ話を繰り返したり、暴力的な言葉遣いになったり、恥じらいもなくおおっぴろげになってしまったり。
父親ゆずりの酒癖の悪さ。
例外になく、ムーディー×酒×ゲームで、
わたしは忘れてしまっていたが、このときにドラマーとキスしてたらしい。(たつくんより後日談)
現在は禁酒している。






外も明るくなってきた頃、同級生も起きてきた。
「たつやさん、始発でてきたし帰りますわー」
「おう、またね。」
同級生は何しに来たんだ。
アヤカが好きなのかな…?なんて思ったり。
疲れ果てたわたしは始発に乗ることもなく、
金玉マッサージで金持ちだったのでタクシーで帰宅することに。






「金玉マッサージって儲かるのか〜」
とたつくん。たつくんやドラマー、同級生にも仕事のことは言っていた。
「割り切ってるので!」とその時の仕事に誇りを持ち、稼いでいたわたしは答える。






そうして帰宅。
たつくんとはラインでちょこちょこメッセージする仲に。




その時はどうも思っていなかったし、たつくんには札幌に遠距離の彼女がいることも知っていた。
山崎邦正に似ていたし。
仕事(お金)が一番なので彼氏を作る気持ちもなかった。






ある日いつものようにくだらないラインをしていると、
「いまから有楽町で仕事〜」とたつくん。
そのころ新橋で働いていたわたし。
「近いですね。会います?一服しません?」
とお互いノリノリで会うことに。





「お久しぶりです。」
「ホクちゃんって新橋で仕事してるんだ。」
と他愛のない会話をしながら喫煙所を探す。
これが、中々ない。





30分くらい散歩しながらやっと喫煙所を見つけ、
一服することに。(たつくん仕事大丈夫…?)






くだらないラインの中でも彼にはユーモアがあり、久しぶりに会う彼はスーツ姿。
(あれ…山崎邦正だったのに…)
単純なわたしは恋に落ちてしまった。





一服後、
「じゃあ、また飲もうね。」と解散。
「いつでも暇なので誘ってください!」
彼からの連絡を待つ毎日が始まった。






恋に落ちる条件なんて、いつもわからない。
その時は、彼の疲れ切っただらしないスーツ姿にときめいてしまった。
たつくんの場合ユーモアセンスも高すぎて、
わたしはすっかりメロメロに。



たつくんちでのジェンガ



恋のはじまりはいつも突然。


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