お母さんは中国人が嫌いだ。
こんばんは〜もっちゃです〜。
今回紹介する本はこちら!デデン!
ブレイディみかこ著『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』です!
イギリス人の夫を持つブレイディみかこさんと、その息子さんの日常が面白く描かれています。
イギリスの中学校に通う息子は、毎日が刺激的。様々な人種や家庭環境の子がいる中で、友達との関わり方に悩んだり、時には自分のアイデンティティに悩みます。思春期の息子とパンクな母ちゃんが、複雑でセンシティブな問題を乗り越えていくお話です。
「一生モノの課題図書」と帯にはありましたが、この本はまさに「今読むべき課題図書」ではないでしょうか。
なぜかと言うと、
「差別はいけない」と正論を述べる本ではなく、
「多様性はどうしていいの?」
「今すれ違った人は、なぜ僕たちにニーハオって言ったのかな」
「人種差別は違法だけど、貧乏な人は差別しても合法なんて、本当に正しいのかな?」
「貧乏な同級生に好意で物をあげる時、どうやって渡したらいいのかな?」
と、差別について一緒に考えながら読める本だからです!
(ちなみに今4章分無料公開してるみたいよ!)
母ちゃんと息子の会話シーンには、
たびたびハッとさせられます。
その中で、一番印象に残ったシーンを紹介するぜ!
「多様性は、そりゃない方が楽よ」
母「多様性ってやつは物事をややこしくするし、喧嘩や衝突が絶えないし、そりゃない方が楽よ」
息「楽じゃないものが、どうしていいの?」
母「楽ばっかりしていると、無知になるから」
母「多様性はうんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知を減らすからいいことなんだと母ちゃんは思う」
多様性はない方が楽と言い切る母ちゃん!
パンクやなぁ!
たしかに、「差別の原因は無知」はよく聞きます。
相手のことをよく知らずに、メディアや周囲の意見に影響されて、差別意識を持ってしまうとかね。
「多様性がないと、無知になる」
ということはさ、
「多様性は知ることから始まる」
ということだよね!パンク母ちゃん!
なあんだ、簡単じゃん!!
と思いそうになるけど、
「知る」ことって実はめちゃくちゃ難しいなと感じます。
特に、もうすでに抵抗がある人、、、。
お母さんは中国人が嫌いだ。
私のお母さんは、中国人が嫌いなんです。
中国人の話題が出ると「中国人は野蛮だから」とすぐに言います。
電車で座ろうとした時、「中国人が座っていたから、そこの席は辞めた方が良い」と言われたことがあります。
私がゼミの実習で中国に行くと決まった時は、本気で止められました。笑
母のことは大好きだけど、やっぱり差別的な発言をされると嫌な気持ちになります。
すでに抵抗がある人に、どうしたら「知って」もらえるのか。
「留学中、ルームメイトの中国人が英語の勉強の仕方を教えてくれたんだよ」
とか、
「免許合宿のとき、中国人の女の子が話しかけてくれて、ずっと一緒に授業受けたんだよ」
といろいろ親切エピソードを話してみましたが、「やっぱり、母さんは無理やわぁ、、、」と
一言。
すでに抵抗がある人は、その人自身が親切を受けたり、コミュニケーションを経験しない限り、「知る」ことは難しいのかなぁ。
とりあえず、今私にできることは、
母に自分の経験を語るくらいしか思い浮かばない。