詩『敵かもしくは味方の貨幣』

他人《たにん》の名に

身をひそめる

人影。

信頼をくれた人の

内ポケから抜き取る

緊張感。

人に

色目いろめを使う

貨幣かへい

私利しりに走ろうと

私欲しよくおさえようと

その大金の

自由。

救いの手に

必要なのは

貨幣より

体の中。

貨幣を集めて

届けた物資。

群がる人々の背中を

突き抜ける

銃声。

使い方に

翻弄ほんろうされるさま

赤い月光に

陶酔とうすいする

刃物のよう。

貨幣の

はしゃぐ声が

聞こえて

目覚める

無意識。

心臓を握る貨幣に

どこまで従うかは

その良心

次第しだい


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