詩『秘密に光を当てるタイムラグ』

きよらかな空欄に

ひとつだけ

くくり付ける

姓名せいめい

落下音が

反響する

暗闇がまった

箱の中。

みんなから

照らされた

充分な光を

浴びて

ひらいた

赤い花びら。

数ページ分

めくられた

こよみ

闇をかぶせて

せられていた

真実。

純然じゅんぜんたる不手際ふてぎわ

純粋な目論見もくろみか。

敗者とは

どのように

映るものなのか。

我が身が

勝者となっても

くさりしばれるか。

騒々そうぞうしい青い海で

引っ越しのときを待つ

無言の

珊瑚サンゴ


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