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チーズの驚くべき効果について

はじめに

 こんにちは、もんてです。

今回は"チーズ"好きな方が喜ぶようなお話をします。

チーズは今やレストランや専門店だけでなく、スーパーでもお手頃価格で食べられ、わたしたちの生活において身近な食品になっています。

そんなチーズですが、ダイエットには向いていないと思って遠ざけている方もおられるのではないでしょうか。

確かにチーズには肥満の原因の一つでもある飽和脂肪酸を多く含んでおり、カロリーもそれなりに高いのは事実です。

しかしそれはチーズの一側面であって、別の側面も持っていることを知ったら、さらにチーズを身近に感じてもよいと思えるはずです。

それでは早速チーズのメリットについて見ていきましょう。

チーズを食べることのメリットに関する研究

 まずはコペンハーゲン大学が2015年に発表した研究をご紹介します。

これは健康な男女15人を対象にし、被験者に以下の3パターンの食事を14日間ずつ続けてもらいました。

(1)牛乳が多いパターン
(2)チーズが多いパターン
(3)乳製品を摂らないパターン

その際に被験者全員の尿と便を採取し腸内環境の変化を調べました。

その結果、(2)のチーズが多い食事をした被験者の腸内には短鎖脂肪酸(SCFAs)が増える傾向を確認しました。

短鎖脂肪酸:腸内細菌が作る有機酸の一種で、酪酸・プロキオン酸・酢酸などがある。主な働きとしては、悪玉菌を抑えたり、ウイルスや外敵から体を守る腸管のバリア機能を上げる。

短鎖脂肪酸が増えることは腸内環境が良くなることを意味しており、チーズが腸内環境をよくする可能性を指摘しています。

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余談ですが、研究者はさらにフレンチパラドックスの要因にチーズによる腸内環境の改善も示唆しています。

フレンチパラドックスの要因は研究者によってさまざまな見解があるので、チーズもその一つかもしれませんが断定はできません。

フレンチパラドックスについては以下の記事で詳細に述べているので参考までにどうぞ。

 他にも乳製品と血管の関係に関する多くの研究をまとめたレニング大学の論文では、

バターを除いて乳製品が心疾患による致死率や悪玉コレステロール(LDL)の悪化との相関関係は見られない

という結論を出しています。

 さらに、1日にチーズを145g摂取しても

心疾患メタボリスクが19%減少
・HDLコレステロール(善玉)の減少リスクが13%低下
・LDL(悪玉)は6.5%減少

というデータも示しています。

145gのチーズというと相当な脂質を含んでいます。モノにもよりますがだいた35~50gほど。

 しかし2017年の別の研究では、1日の総摂取カロリーのうちチーズの摂取量が14%までに抑えていれば体内の炎症や糖の代謝に問題は生じないという結果も出ています。

1日にどれくらいチーズを食べるとよいのかについては研究によってまちまちですが、僕はだいたい30~40gほど食べています。

カマンベールで頭がよくなることが判明!?

 数あるチーズの中でも特にカマンベールは日本人の間でもよく食べられていると思います。チーズ独特の臭みも控えめで食べやすい味のものが多く好きな人も多いはず。

そんなカマンベールですが、摂取することでBDNFが増加することを、世界で初めて日本人研究者たちが発見しました。

BDNF:脳由来神経栄養因子の略。ニューロンの回路、つまり脳のインフラを構築し、維持させる神経栄養因子。海馬とよばれる記憶と学習を司る領域に多く存在している。

これは2016~2018年にかけて桜美林大学、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター、株式会社明治の共同研究グループによって行なわれた研究です。

東京都に居住する軽度認知障害(MCI)と判断された71人の高齢女性(70歳以上)を対象にし、被験者を無作為に2つのグループに分けました。

(1)白カビを発酵させたカマンベールチーズを1日に約33g摂取したグループ
(2)カビ発酵していないプロセスチーズ(対照チーズ)を1日に約33g摂取したグループ

どちらのグループも指定されたチーズを3ヶ月間摂取した後、3ヶ月間試験用のチーズを一切摂取しない期間を設けます。

その後(1)のグループはプロセスチーズを、(2)のグループはカマンベールチーズを摂取し、同様の実験をしました。

その結果、カマンベールを摂取したグループの血中BDNFの濃度は6.18%増加したのに対して、プロセスチーズを摂取したグループの血中BDNFの濃度は2.66%減少しました。

実験結果から、カマンベールを摂取することでBDNFが上昇することが示唆されました。

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 BDNFが増えることで、記憶力や学習能力などの認知機能がよくなることがわかっています。つまり、頭がよくなることにつながります。

これまでBDNFを増やす方法として運動が推奨されていましたが、食品がBDNFに及ぼす影響についてはあまり研究がなされていませんでした。

カマンベールの摂取とBDNFの関係を示した研究は、これまでマウスを対象にしたものはありましたが、ヒトを対象にした研究は世界でも初めてであり、大きな快挙を成し遂げたと言えます。

おわりに

 今回はチーズ好きダイエッターには嬉しいお知らせだったと思います。

僕自身も昔からチーズが好きでしたが、脂質や飽和脂肪酸が多いことからダイエット期間中はチーズを極力避けていました。

もっと早くこの情報を知っておきたかったです。

最後に注意点ですが、いくらチーズが体にいいからと言っても、食べ過ぎは厳禁です。

安全圏にいたければ40gまでに抑えるのが無難だと思います。

また、チーズには程度の差はあれ塩分も多く含んでいますので、塩分過多にもならないよう気をつけてください。


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