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ショートエッセイ集

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短いのばかりをまとめてみました。お気軽にどうぞ!
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#エッセイ

「味覚が変わったよ」

 これまでにも書いてきたとおり、家族の中に「霊感」と呼ばれる能力を備えた者が複数いて、超…

「すったもんだの仲裁日記 ~ めどうの天文館夜話」

 5年ほど前のことになる。  まだコロナが流行する前、夜の街が華やいでいた頃。僕自身、ま…

「20歳をなぜ(はたち)と言うのか?」

 20歳をなぜ「はたち」と言うのか?  改めて振り返ってみると、幼き頃そんな疑問を持ったよ…

「近所のコンビニでのトラブル ~ 抗がん剤治療を受けていた頃の日記より」

 5年前、がん手術を受けた後、半年以上に亙る抗がん剤治療を受けました。その間、「体がだる…

「小川文明氏との語らい ~ 15年前の日記より」

 ロック・キーボード・プレイヤーとして活躍しておられた故・小川文明氏と語り合った夜の日記…

「黒田先生という人」

 小学校3年生のときの担任の先生は、ちょっと変わった感じの人だった。黒田先生といったが、…

ショートエッセイ「おっと、その手には乗りませんよ」

 自分がまだ30代そこそこで、長野県上田市のある町で1人暮らしをしていた頃の話。  静かな平日の午前中、ピアノの練習をしていると、玄関のドアをノックする音が聞こえた。  ドアを開けると、警察官の制服を着た体格の良い男が立っていた。挨拶のひと言もなく、こちらには目をくれず、左手に書類を挟んだボードを持ち、そこに何やら書き込んでいる。  何か事件でもあったのかと、反射的に身構えた。黒縁のメガネをかけていたので、斜めに落とされた視線から表情も読み取りにくく、それがまた、心理的な距

ショートエッセイ「悪ガキたちとの楽しい酒」

 スナックやバーなどで飲む楽しみの一つに、初見のお客さんと交わす何気ない会話があげられ…

エッセイ「三人の幼子たち」

 ネット通販をよく利用する。もっぱら「コンビニ支払い」を使うのだが、最寄りのコンビニが改…

「面白い偶然 ~ 自分の生年月日と生誕地にみる」

 1932年生まれの母は、僕を産んだ年に 24歳になった。  1924年生まれの父は、僕…

「瞳がほほえむから ~ ちょっと悲しい思い出」

  カラオケで歌う時は、70年代80年代の洋楽が多いが、日本語の歌の中にも好きな歌がある…

「懐かしのアブラゼミ」

 コンクリートの路面にアブラゼミの亡骸が落ちていた。破損している個所が無いので、写真を見…

ショートエッセイ「夏の甲子園 ~ 昭和の思い出」

 昭和49年の夏。  全国高校野球選手権大会の鹿児島県大会で、卒業したばかりの母校・鹿児…

「ゴーシュ、ハンガリーに渡る ~ 思い出のアルバム」

 以前住んでいた長野県上田市の、隣のそのまた隣ぐらいの所に、上山田という温泉で知られる町がある。その上山田に住む銅版画家の若林文夫氏がハンガリーの工房で作品制作を行ったことがきっかけとなり、ハンガリーのヴェルーツェっていう小さな町との交流が続いている。その流れに乗って、上山田文化会館を拠点とするアマチュア劇団が1997年、ヴェルーツェに渡り、すべて日本語で演劇を披露するという大胆な企てを実行した。  僕は劇団員ではないが、役者の動きに合わせてピアノの即興演奏を行うという面白い