「ふと思い出したこと ~ 若き日の伯母のこと」
亡き母のお姉さんが、生前に言ったひとこと。
新婚旅行のとき、列車の窓から雪景色が見えていて、向かいに座っていた新郎(私の伯父さん)にこう言った。
「雪が一所懸命降ってるね」
伯父は、その表現を面白いと言って笑ったという。
その前後にどのような話をしたかは全く覚えていないのに、そのほんの一瞬のひと言を、今でも鮮明に覚えている。
伯母のその表現が面白く、自分では見ていない雪景色がはっきり見えたような気がした。
だが、まだ幼かった僕に、伯母は、なんでそんな話