復刻版:第2回 はじめてのお買い物
(20年前の母のバルセロナ駐在妻の記録を娘が振り返る)
2000年4月
引越しが終わると、さあその日から生活がはじまります。小さな子供を連れてではそうそう毎食、外食というわけにはいけません。すぐに、3食のご飯作りです。まずは翌日、買出しに出かけることにしました。幸い、家から歩いて数分のところに大型ショッピングセンター(どうやら130店舗くらいはいっているらしい)がありました。子供の大好きなディズニーストアーまで入っています。その中の一角に、日本のダイエーのようなスーパーマーケットがありました。
さあ、カートに100ペセタコインを入れて、子供を座らせて出発です!! ある程度想像はしていましたが、日用品から電気用品、食器からお鍋におもちゃ、衣料品から食料品、大工道具までありとあらゆる生活用品が1面に並んでいるのでした。つまり、その一つのカートの中に洗剤を入れたり、洋服を入れたり、野菜を入れたりしてすべて一緒にお会計…ということです。
まずは、日用品から。トイレットペーパー・洗剤類はなんとなくわかりました。サランラップ(ああーまたこの国のも切れ味が悪いのね…なんて思いながら)、アルミホイル、ゴミ袋、忘れてはいけないお水!と順調に買い物をしていきました。いよいよ食料品です。お砂糖はどこ???覚えたてのスペイン語を駆使して、近くの店員さんに「Donde esta…(どこにありますか?)」といいかけて、はて?お砂糖ってスペイン語で何ていうんだっけ? 「sugar?」「sugar?」と何度言っても通じません。あきらめて、自力で探すこと数分…。お砂糖は、お菓子売り場の横にありました。それから、卵。また気を取り直して、「Donde esta…」と聞いてみようとするのですが、またまた卵がなんというかわかりません。自力で探すこと数分…。小麦粉にはまいりました。それらしい粉コーナーを見つけたのですが、種類がすごいのです。麦の穂のような絵が書いてあるものをとりあえずカートに入れて、食用油にしても種類はたくさんあるし、そろそろ、私もぐったりです。静かに座っていた子供は、カートから降りたがるし…。
次は、野菜コーナーです。ビニール袋と、ビニール手袋が側においてあって、好きな量だけそのビニール袋に入れて重さを量ってもらい、値段の印刷されたシールを貼ってもらってレジで清算する方式です。日本と違って、パックになっていないのでりんご1個から買えるのです。シールを貼ってもらってからお客が追加できないように?その場でビニールの口をテープで留められます。ガイドブックの新鮮な果物や野菜がカラーで並んでいるのを想像していたので、さぞかしスペインには新鮮な野菜や果物があるんだろうなあと勝手に思っていたのですが、びっくり!! 並んでいる野菜も果物もどれもシナシナなのです。中には虫くいのものまで…。えっ? この野菜でこれからどうやって料理するの?とこれまでの疲れもたまってしょんぼり…それでも、じゃがいも、たまねぎ、にんじんを買って、とりあえずカレーくらいは作れるぞと。
それから、肉、魚です。うーん、パックのものはなんだか賞味期限は数日先の日にちが書いてあるのですが、なんだかねえ。かといって、お肉屋さんに注文する気力はまだないし…。無難そうな鶏肉を買って、今日はチキンカレーだ!!とレジに並んだのでした。レジでお金を払って、時計を見ると2時間は軽く越えていたのでした。
結局、新鮮な肉・魚・野菜・果物は、スーパーではなくて、メルカド(市場)に行けば、あのガイドブックに出ていたような新鮮なものが安く手に入ることがわかりそれから私のメルカド通いが始まりました。
といっても、ここ1、2年の間にスーパーの野菜/果物コーナーも曜日によって違うのですが、改善されてきている気がします。
欧米のスーパーは、どうして日本に比べてあんなに広いのか不思議に思いませんか? 一つ思うのは、ヨーグルトにしろハム・ソーセージにしろ、賞味期限が異常に長いのです。ヨーグルトなんて平気で3週間先くらいの賞味期限が書いてありますし、ハム・ソーセージは3ヶ月くらい先の日付が書いてあります。恐ろしいのは、パンです。普通の食パンやカップケーキなんて2週間くらい先の賞味期限で、その賞味期限が1ヶ月くらい過ぎてもカビひとつ生えないのです。っで、どうして広いのかは、ヨーグルト一つにしても種類が異常に多く(世界の2大ブランド? Nestleと Danoneがすごいですが)賞味期限が長いためなのか陳列してある商品が多いのです。私の勝手な思い込みだったらすいません。地震がないから?上のほうまで高く積み上げられていますし、さっさと買い物をしたい時は、もう大変です。
最後のお会計のレジでは、みんな山のようにカートいっぱいに買っているので当然待ちます。おまけにレジのお姉さんは日本のようパキパキしていないですし、中にはお客さんとぺちゃくちゃしゃべっている時もしょっちゅうです。でも、一つ、いいところは、こちらのスーパーでは必ず、一箇所か二箇所に品物が10品目までの人しか並べない列があります。少ない買い物のときは便利です。(もしかして日本もあるかしら?)
私はたまたま大きいスーパーに最初から行ってしまいましたが、バルセロナには本当にたくさんの商店があります。入り口は狭いのですが、どのお店も奥行きがあって突然入ってみるとびっくりすることがよくあります。
バルセロナでのスーバーでの買い物でいい事といえば…。このカートいっぱいの買い物をどうやって家に運ぶと思いますか? 週末、車で家族でお買い物というのもいいのでしょうが、この荷物を地下のガレージからエレベーターで運ぶというのも一苦労です。実は、ここでは、ほとんどのスーパーで、配達のシステムが整っているのです。お店によって違うのですが、私の使っているスーパーでは、日本円で300円くらい払えばその日のうちに家の玄関まで運んでくれるのです。特に、ミネラルウォーターは必需品なので我が家の場合は1ヶ月に一度のまとめ買いをして水は70リットルくらいを一度に運んでもらっています。牛乳などは、日本と違って常温保存が主流なので1リットルパックを1ダースくらい買っています。日本のように、新聞の広告で「今日のお買い得!」なんていうのもほとんどないので、値段を気にすることもなく、1ヶ月に1度の配達を頼むと決めた日は、トイレットペーパーなどの日用品から缶詰類、パスタ類、調味料を含めて一度にものすごい量を買い物してしまいます。
次回は私のメルカド(市場)デビューの話です。
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うぁぁ、スーパーで英語が通じない、そしてあのだだっ広いスーパーで物を探すなんて想像できん!!!
そして賞味期限が長いのはNYでも不思議に思っていた。ヨーグルトも卵も牛乳もなぜこんなに賞味期限が持つんだろう笑
一人暮らしで卵なんてもう面倒だから1ヶ月前のとか使っていたわ。。
学生の私は配送料がもったいないから2リットルの水を両手+リュックに2本いれて計8リットルをえっちらおっちら寮まで運んでおりました。。
20年後の娘より
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