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10万円給付金の裏で死にかける地方公務員(憶測だよ) その2

 どうも、久保です。最近自炊を頑張ってます。以前は学生の知り合いから「自分の知り合いの中で久保さんが一番生活力なさそう」なんて言われてましたが、それはもう過去の話です、多分。

 さて、前回からの続きをやっていきたいと思います。詳しくは第一回のこれを参照してください。
 なお、転載やスクショにおける処遇は第一回と同じです。
 
第一回はこちら
   ↓

1:発送対象者の抽出

 まずこれは絶対あります。担当課は特定できませんが、多分(ほぼ間違いなく)戸籍データ握ってる市民課職員の領分でしょうね。ここで何件くらい発送せねばならないのかをアタリ付けます。理由は後述。

1A:仕様設定

   よしんば送ることになっても、じゃあ〇万人へいっせーので送れるわけはありません。どういった文面で、どのように送ればいいのか。具体的にはハガキで送るのか返信用封筒も添えて封筒ひとくくりで送るのかにもよりけりですが、そうした細かい部分も詰める必要があるわけですね。多分この部分は国がある程度サンプル用意してくれているはずなので(お願いだから用意してあげてくれ)、ここに関しては市町村各々で動くようなことはないと思います。
 というか頼むからここくらいは楽させてやってくれ。
Q:これ業者に頼まず役所の内々でやれないの? あるいはその時期だけバイト雇うとかできないの?
A:無理ではありませんけど市町村の規模によってはウン千ウン万の文書を封筒詰めに封入封緘なんて狂気的なことさせるんですか? ほかの業務もあるのに?
 臨時のバイトを雇えないではないですがそのための面接や雇った後のプライバシー研修等もあります。しかも雇った面々はド素人です。そう考えると、最初からプライバシーマークを持っていてそうした封入封緘の機械のプロである業者に頼むのが、一番手っ取り早いです。

※補足

 1の時点で発送対象者の数字をはっきりさせた理由としては、これが予算に直結するからですね。一通82円だったとして、それを一体何世帯に送るの? となるわけです。で、この突如発生した予算に関してはまた2で言及します。

2:契約に関する予算変更

 毎年の年次業務ではなく降ってわいたこの業務。勿論予算の余裕なんてあるはずもなく(わずかにあるかもしれないけど給付金系全部を賄えるレベルではない)、じゃあ新しく年度途中に予算を組みなおす必要があります。「これこれこういった理由でうちの課で〇万円予算使わせてください」と。これに関してもその課のみで決定できるわけではなく、財政課や別の所属に許可を取る必要があるので、そこでもまた時間と手間がとられるわけですね。ここで発送費と業者への委託費含めて、予算を組むためにも何件発送するかの数字をはっきりする必要があるためです。

3:文書発送に関する業者へ仮見積もり徴収

 予算もおおむね決定できたら後は業者を決める段階。競争見積もりでより安い業者に仕事を頼むため、まずは仮の見積もりを徴収します。
 ここで「急ぎの仕事なんだし早く手を挙げた業者でいいんじゃないの?」といった声もあるかもしれないけど、これが許されない根拠が法律にあります。


 地方自治法第2条の14
 地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない

 こうやって法律でも示されているので、とりあえずの業者では許されないわけですね。そのため、急いでいようがいまいが競争入札を仕掛けて、安い業者にお願いしなければんらないわけです。哀しいね。

4:本契約/入札

 一番安い業者が決定! 早速契約だ! ここに関してはそこまで困る業ではないので、まあこんなもんでしょう。

5:契約事務~業者確定・業者と打ち合わせ

 契約事務自体はそこまで困る部分ではないと思いますが、この業者との打ち合わせがネックになってくるような気がします。何せ毎年同じような業務で同じようにお願いしている業者さんなら阿吽の呼吸に近い「今年も例年通りで、納期だけちょっと相談したいんですけど~」「ああそれなら~」みたいなふんわりした、終始和やかに事が進みます。毎年お世話になってる業務であれば
 ですがしつこく言っているように、この10万円騒動は突然降ってわいた業務ですので業者としても正直自社の工場との予定の兼ね合いを考えなければいけません(もちろん、入札に参加している時点でそのくらいの次元はしっかりと社内で調整できているとは思いますけど)。具体的には仕様の確認と、納期のすり合わせがメインの内容になって来るのではないでしょうか。

次回予告

 今回はここまで。
 次回は最後までさらっと説明して、そこからさらに細かい部分へ言及していきたいなと思っています。
 では。

 その3(ラスト)はこっち


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