#119 「日本の学生約50%が読書時間0」という危機的事実について。
子供や若い人に「読書をしよう」と言うのは簡単である。インターネットや色んな著名な人が、「読書は最高の投資」だと言う。私も読書をすることが昔から好きで、小学校の頃はずっと図書館に通いつめていた。もちろん、1000~1500円程度で人生が変わるほどの効力を持っている本も多々あるので、「最高の自己投資」であることは間違いないと感じる。
最近は、オーディオブックや電子書籍が広まったことで、携帯1つで読書が出来る環境になり、さらに書籍というものが手に取りやすくなったのではないだろうか。
しかし、最近は”若者は読書をしない”と言われている。
目次
・日本の現実
・なぜ、こうなったのか
・これからどうしていくべきか
・日本の現実
実際に若者の読書離れが進んでいるのか、数値を見てみよう。いや、そんな甘いものではない。厳しい現実を受け止めなければいけない。
こちらの記事によると、なんと日本の学生の半数が読書時間0であるというのだ。
別の記事で国単位の読書頻度を見てみよう。
この記事では、日本は15位、中国は1位、米国も5位ということで、圧倒的に国単位でも読書する頻度が違っている。
中国が「毎日又はほぼ毎日」と「週1日以上」読書をする合計割合は、70%。対して、日本は、44%。ここでも圧倒的差がある。
読書をしない、ということは、必然的に読解力や言語処理能力・語彙力などが下がっていく。日常的に大人たちが使っている言葉も分からないことも多くなっていくだろう。それに、思考力も鈍ることになる。読書とは最高の自己と対峙できる時間であるのにも関わらず、SNSやYouTubeなどでどんどん「考える」時間が奪われていく。個人的には、恐怖でしかない。
・なぜ、こうなったのか、という個人的見解。
やはり、インターネットとSNSの普及が大きいと考える。手に収まるサイズのスマートフォンをほぼ国民全員が1人1人持っており、その物体のサイトやSNSなどから、大体の世の中のニュースは知ることが出来る。それに、自分の好みに合った動画コンテンツが必然と”おすすめ”されるシステムが備わっているので、より時間をかけてスマートフォンに目を向けることになる。これで、より肩を凝る人が増えるのもよく分かる(世のマッサージ屋さんは儲かってきているのかもしれない)。
それに、国民がスマートフォンを手にしたら絶対にダウンロードするアプリの「LINE」や、国民の半分がユーザーであるTwitterで、長文を打つということはあまり若者にはないものである。大体、短文で数秒単位~数分単位でコミュニケーションをすることになる。Twitterに限っては、140文字でやり取りを行うことになる(だから、その”140文字”だけを切り取られて炎上するのだが)。YouTubeでも本を要約して伝えてくれる動画コンテンツが増えている。自分が読書しなくても、「誰かが効率的に内容を教えてくれる」という如何にも甘えた状況に知らぬ間に浸かってしまっている。
結局、若者にとっては、”短文”でやりとりすることが”普通”なので、長文を読むことに対してあまり免疫がないのだと思う。技術の進歩は喜ばしいことだが、世界が技術に支配されては、技術を生んだ甲斐がない。
・これからどうしていくべきか
若者にさあ本を読むんだと言って、書籍を渡したところで、読むはずがない。子供は大人に反抗したがるものだ。
じゃあ、読書をしてもらうために出来ることことは以下の3つである。
①まずは大人が読書をする
学生のうちはまだ50%が読んでいるはものの、社会人は66%が1日に30分以下の読書時間だという。
https://mazmoto.com/reading-time/
大人が電車で読書をしていたり、親が読書を身近にしていれば、自然と子供もその姿をみて、興味を示すのではないだろうか。家に本棚があり、その本棚に書籍が並んでいるだけでも読書への姿勢が変わってくる気がする。
②学校教育で読書の習慣と語彙力を上げられるように工夫する。
小学校や中学校までは「朝の読書の時間」があったように思うが、高校・大学とその時間はなくなっていく。高校くらいまでは読書の時間があってもいいのではないだろうか。
あとは、音楽の時間で、椎名林檎の曲を聴かせるのもいいかもしれないと最近考えていた。学生はよく音楽を聴くし、椎名林檎だったら世の女の子たちはファンにならざるをえない気がする。椎名林檎の使っている語彙は、その辺のアイドルが歌っている内容とは濃さが違うと個人的に思う。そうやって、身近なものでプロフェッショナルなものに触れさすことで、語彙力や世のことを知るきっかけになるのではないだろうか。
③SNSで読書をすることの重要性をもっと発信する。
彼らが普段使っているSNSで、読書をしよう!と啓蒙活動するのも一手ではないか。これは読書の重要性に気づいた人たちが、どんどん発信していくべきである。また、読書の世界へと戻ってもらうには、若者のあこがれの対象である、インフルエンサーにも頑張ってもらいたい。
最後に、本当に読書は世界を広げてくれることを伝えたい。もっと世の中のことをクリアに、しかも本質的なことを教えてくれる。それがたったの1000円程度で、手に入ってしまう。若者が自己投資するなら、読書にお金と時間をかけていいと思う。時間は有限だからこそ、読書をして、先人たちの知恵を学んで、自らの人生に活かそうではないか。
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