- 運営しているクリエイター
#海外生活
いつも小瓶をポケットに入れて
25年も前の話になる。人口8000人のバレンシアの片田舎で、私の外国人嫁としての苦難は予告なしにスタートした。
標準の日本語しか知らない外国人が、いきなり東北弁や沖縄弁でしか存在しない世界に飛び込んだ時を想像してほしい。大学や語学スクールで勉強したのは文法中心の標準スペイン語のみ。公的機関での標準語としてのスペイン語はもちろん存在しても、村での共通語はあくまでもバレンシアの地方言語。
パ
切る。焼く。食べる。秋の味覚を丸ごと楽しむバレンシアの風物詩【焼きカボチャ】
夏が去り、広葉樹の葉が緑から黄色へと移り変わり、美しい色遊びを楽しませてくれる季節。
この時期になると決まって、小さなガレージの扉を潜り抜ける。お世辞にも清潔感があるとは言えない薄暗いガレージの奥から、ロリおばさんの「ハーイ!ちょっと待って!」という声と、左後足の短い老犬チワワの甲高い吼え声が一緒になって私を迎えてくれる。
この店ときたら、営業日も定休日も決まっていなくて、昨日、来たらお休みだ