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「SDGs#06 安全な水とトイレを世界中に」をマンガデザイン

どうもどうも、吉良です。

「安全な水」と言われると2019年12月に現在も混迷するアフガニスタンで銃撃により命を落とした中村哲医師を思い出します。

ハンセン病などの病気治癒を目的にアフガニスタンに入った中村哲医師は「100の診療所より一本の用水路」と水の重要性を訴え、自ら重機を運転して命懸けで用水路をつくり、安全な水の確保を実現しました。たくさんのアフガニスタンの人々の健康と成長を守り続けた偉人です。

中村哲医師が大切にしていた言葉「一隅を照らす」は我々マンガデザイナーズラボの大切な企画コンセプトでもあります。水道水が飲める日本にとってなかなか考えが及ばないかもしれませんが水は世界中のありとあらゆる人々にとって、まさに「一隅を照らす」大切な資源なのです。

今回はSDGsの啓蒙を17目標ごとにおこないつつ、マンガデザイナーズラボのSDGsプロデュース事例を紹介していく「SDGsをマンガデザイン」シリーズの第6回です。

「SDGs」って何?と思った方は「SDGs17目標」をマンガデザインの記事からお読みいただくと理解しやすくなると思います。

前回はSDGs17のゴールの5つ目、「5.ジェンダー平等を実現しよう」を紹介しました。

第6回目はSDGs17のゴールの6つ目、「6.安全な水とトイレを世界中に」をを紹介します。アイコンの色は水色ですね。

「安全な水」とは、「きれい」なだけでは十分ではなく、自宅にあり、必要な時に入手でき、排泄物や化学物質によって汚染されていない、改善された水源から得られる飲み水のことです。2015年からはこれを「安全に管理された水」と定義しています。

「6.安全な水とトイレを世界中に」では下記のような項目が課題となっています。

・世界の人口の約3分の1の人が「安全な水」を利用できないこと
・不衛生な水が原因による疾患で死亡する子どもは年間約180万人おり、うち下痢性疾患では1日800人以上が亡くなっていること
・1km圏内にひとりあたり1日20リットルの水を確保できる場所がない状況の人が世界に約9億人以上いること

「6.安全な水とトイレを世界中に」の課題を紹介している弊社が制作したマンガデザインモーション(動画)も合わせてご覧ください。

日本では、当たり前のように水道から安全な水を得ることができますし、きれいで清潔なトイレに困ることもありません。しかし、これは世界でも珍しい恵まれた環境です。

水を考えるうえで、「バーチャルウォーター(仮想水)」という考え方があります。これは、輸入した食糧について、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が国内で必要だったかを推定したものです。

2020年度の日本のカロリーベースの食料自給率は37%と約2/3の量の食糧を輸入に頼っています。また、水の使用、というと生活で使用する洗濯、入浴、お手洗い等をイメージする方が多いかもしれませんが、これは用途のごく一部で、世界の年間水使用量の約7割は農業用水といわれています。

つまり、生活に必要な水さえも簡単に得られない国から、日本は水が豊かであるにもかかわらず大量の水を奪っているのです。

「2.飢餓をゼロに」でも取り上げたように日本では「食品ロス」が大きな問題となっています。世界の多くの水を奪って得ている食糧の多くを無駄にしているのが現状です。食糧を無駄にしないことは飢餓をなくすことだけでなく、水を大切にすることにもなります。

生活で使用する水の無駄遣いをなくすよう心がけることも、食糧を無駄にしないことも、世界の大切な水を守り、「6.安全な水とトイレを世界中に」の目標達成に貢献することにつながっていくのです。

(参考:SDGsジャーナル様相模原市SDGs one by one様ユニセフ様農林水産省様

これらの問題提起や私たちにできることをわかりやすく一枚絵(ポスター・広告)・4コママンガで制作した表現した学生の作品を4点紹介します。各自の制作意図を含めてご覧ください。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 佐伯 日陽さん)

【製作意図】
SDGs目標6について調べ、安全な水が日常的に利用できない人が数多くいることを知りました。綺麗な水を安定して得られない状況がトイレを利用できないことにも繋がっていると学びました。
安全な水を誰もが利用できるようになることで、生きられ、自分の時間を持てる人が増え、その人々が現在の地球の水質改善に取り組み、それが地球環境の改善に繋がり、持続的な開発目標となることをイラストにしました。

【吉良式視点】
デザインフォーマットが決まっていて、とてもわかりやすいレイアウトです。SDGsの目標17のうちの6番目であることの視認性も良く、webへの転用の可能性も感じさせます。制作意図もしっかりしていて1人と世界とのつながりもしっかり表現できています。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 圓次 奈々さん)

【製作意図】
安全な水とトイレが行き渡ることで、水に関わる生態系や自然環境の保全にも繋がることを表現しました。

【吉良式視点】
安全な水とトイレという個人や国の問題が、森林や鳥といった生態系、自然環境にまで繋がる世界観を見事に一枚のマンガデザインポスターで表現できています。水色から見える世界観、白色から見える世界観の違いが本当にしっかり描けています。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 粟生 菜々珠さん)

【制作意図】
日本の水問題には、「バーチャルウォーター」の問題があります。日本では水不足で悩まされることはほとんどありません。ところが、日本は水が豊かでありながら海外から食糧を輸入することで、その生産に必要な分の自国の水を使うことなく生活しています。
私たちが無自覚のうちに水不足に陥っている国や貧困国の水状況を悪化させている事実を知り、水問題について考えるきっかけになるようにという思いで、このマンガを描きました。

【吉良式視点】
いつもいつも制作意図とその視点には驚かされます。「バーチャルウォーター」僕も教えられました。4コマを読むたびに頷きながら学ばされました。水の妖精、いい設定です。水に不自由なき国、日本がゆえに、自分の身の回りの生活用品にどれくらいの水が使われているのかの気づきが大切ですね。学生に感謝です。

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(大阪芸術大学 デザイン学科2年 山口 桃佳さん)

【製作意図】
地球から人が使える水を蛇口を通して4コマにわたって流れていき、ゴール(4コマ目)には、みんな笑顔で綺麗な水を使える生活を送れる、そんな表現にしてみました。

【吉良式視点】
この4コマの使い方、本当に素晴らしいですね。クリエイティビティが溢れています。水とトイレという2要素もしっかり抑えられすっと内容が入ってきますね。構成、レイアウト、発想三拍子そろった最優秀作品です。

次回はSDGsのゴール7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」をマンガデザインです。皆様も一緒に理解してSDGsの目標実現に向けて努力しましょう。


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