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陰謀論を実行できるほど、秘密結社は万能じゃない

秘密結社の能力は高くない 

オリンピックをあれだけ放送していた民放。パラリンピックはまったく放送していない。彼らが流す放送に何の意味があるんだろうか。

マスメディアに限らず、世の中に不正確な情報や陰謀論が山ほどある。

特にアメリカ発の陰謀論は有名だ。だけど、陰謀論を信じる人は知っているんだろうか。

日本人が占いが好きなように、アメリカ人は陰謀論が好きだってことを。

秘密結社のリーダーが人間なら、陰謀論を実行する能力はない。
もしできるとしたら、未来からきたAIだけだ。

組織の限界は、リーダーの限界

もっとも有名な秘密結社は、イルミナティだ。この組織は、少なくとも、1775年、完全論者の教団からスタートしたと言われている。しかし、1785年には壊滅したとされていて、現在まで生き残っているか不明だ。

イルミナティは「陰謀」にまみれているので、主流派の歴史家は敬遠し扱おうとしなかった。その数少ない例外がイギリスの歴史家ニーアル・ファーガソンで、『スクエア・アンド・タワー ネットワークが創り変えた世界』(東洋経済新報社)の冒頭に「イルミナティの謎」の章を置いている。ファーガソンはこの本で、人類の歴史を「スクエア(広場)」と「塔(タワー)」の拮抗と交代として読み解こうとしている。これを私の用語でいうと、「バザール」と「伽藍」になる。
 タワー(伽藍)が強固な階層性組織だとするならば、広場(バザール)は階層性を侵食するネットワークだ。強大な権力もいずれはネットワークに侵食されて崩壊するが、中心のない「スクエア=ネットワーク」だけでは社会を統治することができず、混沌のなかからふたたび「タワー=階層性」が現われる。――この魅力的な歴史観についてはいずれ別の機会に論じてみたい。
 そのファーガソンはイルミナティを、18世紀のドイツ、バイエルン地方で誕生した秘密結社的なネットワークだとする。それが「神話化」することで、現代に至る壮大な「陰謀論のネットワーク」へと成長したのだ。

世界では、Qアノンと言われる人たちが、イルミナティや、ディープステートといった存在が陰謀を企てていると嘘か本当かわからない情報を流している。この問題を考えるときに忘れちゃいけないことがある。日本とアメリカの文化の違いだ。
ボク達はピンとこないかもしれないけど、アメリカ人は歴史的に陰謀論が大好きらしい。

「Qアノン」の中心にあるのは根拠のない陰謀論で、「政財界とマスコミにエリートとして巣くう、悪魔崇拝の小児性加害者たちに対して、トランプ大統領は秘密の戦争を繰り広げている」というのが主なテーマだ。
この陰謀論を様々な形で吹聴する「信者」たちは、「トランプvs悪のエリート」という構造のこの戦いの結果、いずれヒラリー・クリントン氏など著名人が逮捕され処刑されることになると憶測を重ねている。
これが基本的なあらすじだ。しかし、ここから派生して大量の諸説が派生し、ぐるぐると迷走し、論争になったりしている。「Qアノン」の主張の全容は膨大で、お互いに矛盾することが多い。支持者たちはニュースや歴史的事実に数秘術などを適宜、組み合わせては、独自の突拍子もない結論に至ったりしている。

軍産複合体という言葉を知っているだろうか。ケネディ暗殺を主導したと言われる組織の名前だ。1961年のアイゼンハワー大統領の演説でも登場している。ケネディ暗殺の真実という内容で、アメリカでは陰謀論が流行っていた。

「製造されるすべての銃、進水するすべての軍艦、打ち上げられるすべてのロケットが、最終的には飢えている人や、食べ物がない者、凍えている人や、服を持たない者からの盗みを意味している」――。
1961年1月17日に行われた、第34代大統領ドワイト・D・アイゼンハワーの退任演説の一節である。この演説において、アイゼンハワーは、企業と軍隊の融合が民主主義に対する脅威となることを予見し、警告したのであった。
軍産複合体(Military Industrial Complex;MIC)という言葉は、上記のような危惧を表現するために、この演説で初めて使われた言葉だ。

どうして、アメリカ人が歴史的に陰謀論を好むのか、それは、リチャード・ホフスタッカーが1963年に論文として発表している。ホフスタッカーの主張は、アメリカ人の独立を守ろうという気持ちが強迫観念になっているというんだ。

この問題に関しては、かの政治史家リチャード・ホフスタッターが有名な論文を残しています。タイトルは「The Paranoid Style in American Politics(アメリカ政治におけるパラノイア)」。1963年に書かれたものですが、なぜアメリカ人が陰謀論に弱いのか、その理由について新たな視座を与えてくれる本です。アメリカは「don’t-tread-on-me(独立戦争中に蛇の旗とともに広まったスローガン。踏まれたら仕返しする意思表示)」という自由独立と個人主義を貴ぶ国で、それがアメリカの象徴にもなっていますが、これは裏を返せば「自分のものには指一本触れさせない」という凝り固まった考え方になってしまいます。アメリカでは、だれかが自分のものを奪いにくるという強迫観念を目にすることが多いのですが、盗られてたまるもんかとがんばる小さな子どものような立ち位置をずっと続けているうちに、ある種のパラノイアになってしまうんです。 

それでは、秘密結社が機能するか組織論的に考えてみよう。JALの名誉会長稲盛和夫氏は、組織は、トップの器以上にならないとおっしゃっている。これは、組織論を考える上で重要な要素だ。

―今後、稲盛会長は経営の神髄として何を伝えていきたいと思っていますか?

 会社、組織は、トップの器以上のものにはなりません。立派な会社や組織にしたいならば、まずリーダーが、自分の人間性、人格を高めることが何より大事です。経営を伸ばしたいと思うなら、心を高めなさいと、盛和塾でもずっと言ってきました。

それは、どのような組織、たとえ国のような大きな組織でも変わらない。むしろ、リーダーの能力以下の組織になる場合も多い。これは、軍部のメンツに拘り甚大な損失を生んだインパール作戦を論述した名著「失敗の本質」に詳しい

本書の主張は簡潔に次のように言うことができます。
一つは、日本軍の失敗の要因は組織が適応能力を失ってしまった点にあるということ、そしてもう一つは、その日本的組織の特徴は現代にも受け継がれている、ということです。

もし、巨大な組織が永遠に有能であれば、アメリカのベトナム戦争のような敗戦や、最近でのアフガニスタン撤退の失敗は起きなかったと思う。
それに、長い組織ほど腐敗が進み、組織として立ち行かなくなる。人間がリーダーの組織は、万能ではない。だから、長年の陰謀を実行できない。

ベトナム戦争という戦争があったことは知っている方はもちろんいると思いますが、原因や結果となると知らない、となる方も多いのではないでしょうか?結論から言うと、アメリカを始めとする資本主義国家が支援していた南ベトナムが、当時のロシア等の社会主義国家が支援していた北ベトナムに敗北するという形で終わります。
建前としては、北と南に分かれたベトナムの内戦ですが、事実上は第二次世界大戦後に生じた冷戦を背景にした代理戦争です。そして、ベトナム戦争は強国アメリカが初めて敗北した戦争です。今回はアメリカが負けた原因やその背景にあるものを調べてみました。

未来のAIが侵略する

それでは、陰謀論を実行できる組織があるとしたらどんな組織だろう。この妄想がウンボルト・エーコのフーコーの振り子のような結末になればお笑いだけど、とりあえず書いておこう。

フーコーとピンチョンの作品におけるパラノイア的陰謀のイメージは、いずれも登場人物によ る探求の形式を通して浮かび上がっている。『フーコーの振り子』では、主人公カソーボンがテ ンプル騎士団の歴史を研究することから探究は始まり、後にベルボ、ディオタッレーヴィの二人 がこれに加わっている。テンプル騎士団が歴史のなかでバラ十字団、金羊毛騎士団、ガーター騎 士団等と様々な名前の秘密結社と関連しながら世界制覇の陰謀を抱き、その鍵を握る秘密の獲得 に向けて画策する過程が再構成されるのである。

ボクは、未来の人間を超えたAIがタイムマシンを使って、ナノマシンの集合体を現代に送っていると妄想した。そしてナノマシンの集合体が蠅の形状に擬態して、化学物質やウィルスを散布していると考えた。そして、ボクは、ナノマシンの集合体をウィリアム・ゴールディングの小説にちなみ蝿の王と名付けた。

戦火から逃れた少年たちが辿り着いた、とある島。
そこは美しい自然に囲まれ、水も果物もある楽園のような場所だった。
少年たちは大人を真似て秩序を作り、ルールに従いながら助けを待つことにした。
しかし、徐々に対立が生まれ、秩序は崩れてゆき…。
ノーベル文学賞作家が描く、最悪のディストピア小説。

未来のAIなら、自己複製できるナノマシンを開発できるだろう。それこそ、無限に増殖できるようなものを。だけど、ターミネーターを送ることはできない。ターミネーターほどの大きさの物体をタイムトラベルさせると、大きな重力波が観測されるはずだからだ。

現在、がん治療やアルツハイマー病・パーキンソン病の治療
そして、不老不死と注目を集めるナノマシンですが、実は恐ろしい危険性を抱えているのです。
それは『グレイ・グー』です。
地球上に多く存在する物質(炭素・ケイ素など)で自己複製するナノマシンがあった場合、この自己複製システムがもしシステムエラー等で暴走した場合に、ナノマシンが超スピードで無限に増え行くことで、地球上に存在するありとあらゆるものすべてを分解して地球上をナノマシンが覆いつくし、たったの数時間で灰色のドロドロした塊になり世界が終焉を迎えるという仮説です。

もし、未来のAIがナノマシンをタイムマシンで送るとすると、生体ナノマシンだろう。ナノマシンが特殊な材料でできていれば、増殖させることはできない。有り余るタンパク質を材料にしたほうが効率的だからだ。

ただし本当に驚くべきところは、それとは別のところに潜んでいる。この精巧な鞭毛モーターはタンパク質の寄り集まってできたものであるが、その構成パーツとなるタンパク質は自ら集合して、モーターへと組み上がってしまうのだ。必要なタンパク質をそろえ、ビーカーの中に放り込んで条件を整えてやるだけでよいのだ。また、鞭毛の繊維部分はフラジェリンというタンパク質が多数らせん状に集まってできているが、これについても材料となる分子をそろえて条件さえ整えてやれば、やはり自発的に成長していくことが知られている。しかし、なぜこんな手品のようなことが可能になるのだろう?そのためには、生体分子の特徴についていくつか見ておく必要があるだろう。

そして、生物の体内で、ナノマシンを大量に増殖させる。そして、死んだ生物から蠅やホコリの形状で体外に脱出すればよい。
ナノマシンは、複雑なことができないけど、疫病の流行や集団幻覚をみせることはできるはずだ。

――「体内病院」とはどのようなものか、その仕組みを分かりやすく説明していただけますか。
片岡 体内病院(in-Body Hospital)は、ふつう病院で行う検査・診断・治療の機能を、50ナノメートル(1mmの5万分の1)程度の大きさに集約したものです。
マシンと呼んでいますが、歯車を持つような機械ではなく、高分子の粒子(ミセル)です。水に溶けやすい部分と、溶けにくい部分の両方を備えた高分子を水の中に入れると、溶けやすい部分を外側(殻)に、溶けにくい部分を内側(芯)にして丸く凝集します(図1-1参照)。この性質(自己組織化)によって形成される粒子(高分子ミセル)の内部に、抗がん剤などの薬剤を包み込ませて、注射で身体の中に入れます(図1-2参照)。

ボクには、世に出回る陰謀論を実行できる人間の組織があるとは正直思えなかった。大規模な陰謀を実行できるとしたら、未来の人間の能力を超えたAIしかありえない。こんな、ボクの妄想から生まれたオカルト的陰謀論は、面白いだろうか。

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