分かり合えなかった2人
職場のある先輩。仕事が出来ると、皆から一目置かれています。
私も、色々助けてもらって、大変お世話になっています。
そんな先輩が、私に言いました。
「私、睡眠導入剤が手放せなくて・・・」
(なんたることか!?)
確かに、私達の仕事はとても過酷です。
締め切りに追われ、仕事の間違いは許されません。
経験豊富で、とても仕事が出来る彼女ですら、そんな状態だったとは、驚きです・・・。
この職場、メンタル不調者が続出。離職者が後を絶ちません。
それなのに、ボス1人だけ能天気。とても、不思議です。
鈍感にも、程があるのでした・・・。
最近、ボスが欲張って、恐ろしい量の仕事を引き受けてきました。
「大したことありません、大丈夫!」と彼。
ちっとも、大丈夫ではありません。
このことが引き金となって、友人は退職を決意。
先輩が深刻そうな顔をして、ボスに詰め寄ります。
「この仕事は、とても我々従業員だけでは成し遂げられません!」
そんな恐ろしい量の仕事を、友人1人にやらせようとしたボス。
先輩の訴えを疎ましそうな顔をして聞き流すボスに、呆れる他の従業員達。
ちなみに、先輩は、友人の退職をまだ知らない様子。
大変大人しい友人は、この先輩にキツく当たられることもあったらしく、怒りを溜め込んでいます。
「なんですか、あの人は!」「人を馬鹿にして、偉そうに!」と友人。
友人の退職は、先輩に大変な打撃を与えることになります。
なにしろ、この2人は、同じお客さんを担当しているのです。
先輩も友人に、素直に自分が悩んでいる事を話すことが出来たら良かったのですが・・・。
もし、そうしていたら、友人はここまで怒りを溜め込まなかったことでしょう・・・。
それにしても、どうやら私は、皆の悩みを聞く星の下に生まれたらしいのでした・・・。
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