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対照的な2人

私の母。

子供の私でも、近寄りがたいものが…。

その強さが、人を圧倒しているのです。

幼少期に苦難の日々を過ごした母から放たれる強烈なエネルギーが、人を遠ざけているのです。

ある人は、それを「気品」と呼んだりするのですが…。

(なんか、違う気がする…)

人前では、ほとんど口を開かない母。

神秘性が増して、皆の美しい想像を喚起します(笑)。

その母が、稀に微笑む時。

「おお~」

周りの人達は、思うのでした。

「なんて、慈悲深い人なんだ!」

(それ、勘違いです…)

神様は、圧倒的な美しさを母に授けたのですが、この事により、本人はより過酷な幼少期を過ごす羽目に…。

極貧娘に、美貌は酷でした。

ところが、…。

叩かれれば叩かれるほど、怪しげな輝きを纏うのが母。

より一層、存在感が増したりして、意地悪な人達の期待を裏切ります(笑)。

「美しくて、何が悪いんじゃーい!」

「オマエらなんかに、潰されへんのじゃー!」

孤高の人(?)と化した母。

その様な人物に、ひょっこりと近づいたのが父。

口癖は、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」なのでした(笑)。

きっと、とぼけた風貌で母に接近したに違いない!

警戒されない男としての武器を存分に活かしてみた父。

いつの間にか、なんでもかんでも思い通りにしていたりします。

涼しい顔をして、とんでもない技を駆使していたりするのですが、誰も気が付いていません。

本当に怖いのは、父の方なのかも知れません(笑)。


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