大好きなスポーツ音楽　バルセロナ五輪閉会式　サラ・ブライトマン

私はオリンピックの開会式と閉会式が好きだ。勿論個々の競技も好きなのだけれど、競い合いの無い開会式や閉会式は、会場の一体感がこれ以上無いほどの熱気を生む。そして何よりも、その国の人々が本気で自分の国の良さを伝えたいと作り出した時間はとても特別なものに感じられる。

1992年7月、冷戦終結後初めての夏季オリンピックはスペインのカタルーニャ地方、バルセロナで開催された。それ以前の長い期間、カタルーニャは政治的理由によって文化的自由を抑圧され、経済的にも冷遇されて来た。そんな時代から解放されたカタルーニャで開かれたこのオリンピックでは、市民が一丸となって自らの文化を発信し、都市をより良くさせることに力を尽くしたという。

そうした背景を踏まえるとバルセロナ五輪の開会式・閉会式は、きっとバルセロナの市民にとって非常に重要なものだっただろうと思う。
そしてその閉会式で大きな盛上がりを生んだのがこの曲、Amigos Para Siempreである。歌っているのはバルセロナ出身の世界的テノール歌手 ホセ・カレーラスと、イギリス人歌手のサラ・ブライトマンだ。

バルセロナの夜空の下、地元出身の世界的な歌手が大スターと共に世界中の注目を浴びながら歌う姿というのは、市民にとってはきっと感極まるようなものだったろうと思う。
クライマックスにかけてのスタジアムの大歓声には、多くの市民の思いが乗っているような気がする。

ちなみに曲名のAmigos Para Siempre（スペイン語） は直訳すると、”永遠の友達”という意味になる。つまり、”ズッ友”である。
私は友達が少ないし、パーティーではしゃぐようなタイプでも無い。だけど素敵な音楽の前で人種やら、個人の好き嫌いの垣根を忘れて皆で一緒に盛り上がって、友達のような気分になっている瞬間というのは悪いものじゃないなと思う。永遠の友達になれるかどうかは分からないが、まずは一瞬でも友達になる事が重要なのかも知れない。