伏見醍醐とアーユルヴェーダの密かな関係
今、友だちがクラウドファンディングに挑戦している。
彼、佳山光徳こと、かやまんは京都の伏見醍醐と言う地域で不動産屋を営み、家を探す人だけでなく、いろんな人が遊びに来れる「行きつけの不動産屋」になるために、いろいろがんばってきた。
今回のクラウドファンディングは、思い切って店を移転し、本格的な地域交流の場を作るためのもの。
その「プラスなスペース」は12月20日にオープンする。
そのオープンを目前に、私がずっと暖めていた話をしようと思う。
クラウドファンディングを見てほしい
まずは兎にも角にも、クラファンサイトを見てください。
どんな思いで、どんなことをしようと思っているのか、京都の人はもちろん、伏見醍醐に近い方はぜひチェックしてみて欲しい。
このクラファンに、私もリターンで応援&協力している。
提供したのは私が販売している、オリジナルのアーユルヴェーダなお菓子「アグニスパイスナッツ」だ。
大きい袋(80g)と小さい袋(30g)を提供したが、意外にも大きい袋の方から売り切れてしまった。
だが、まだ小さい袋が残っているので、これにまつわる話をさせてもらいたい。
アグニスパイスナッツとは
私は今年の春から、ラサーヤナ工房と言う屋号でお菓子を作って販売している。
元になっているのは、インドの伝統医学アーユルヴェーダ。
インドやスリランカでは病院で施される治療として、国家資格をもつ医師が行うれっきとした医療である。
アーユルヴェーダは5000年以上前から続いているもので、人間そのものの在り方や生き方を説き、治療には植物や動物からとれるものを使う自然療法。
その人にあったものを、季節や時間を選んで処方すればハーブやスパイスにはとてもパワーがあり、体に変化を起こすのに十分な力がある。
だから、こうしたハーブやスパイスを私たちアーユルヴェーダを知る者なら、日々飲用したり、体調管理に利用したりしている。
だが、普通の人々にそれを勧めても、実際に生活に取り入れるのは、かなりハードルが高い。
今まで、セラピストとしていろんな形でクライアントさんに勧めてきて、それはよーく分かっているのだ。笑
そこで私は、普通の人たちにもハーブやスパイスを手軽にとってもらう方法はないか?アーユルヴェーダを身近に使ってもらう方法はないか?といつも考えてきた。
そこで思いついたのが、誰にでも比較的受け入れてもらいやすい「お菓子」と言う形にすること。
アーユルヴェーダのハーブやスパイスを使ったオリジナルお菓子を通じて、アーユルヴェーダを伝えたい!多くの人に知って欲しい!を実現しようと、ラサーヤナ工房を始めたのである。
そしてそのひとつが、アグニスパイスナッツと言うわけ。
アグニとは、アーユルヴェーダでは消化の火のこと。
消化と代謝をになう、体の中の「火」をさす。
実は、このアグニが弱ってうまく働いていないと、消化代謝が不十分になり「未消化物」が発生する。
アーユルヴェーダでは、この「未消化物」が病気の原因となると考えるため、アグニがしっかり働くことは病気予防の大前提。
だからアーユルヴェーダでは、この「アグニ=消化力」を重んじ、消化促進を促すためのハーブやスパイスがたくさんあり、勧められる。
その中で最も有名なのが「トリカトゥ」。
しょうが、黒胡椒、長胡椒の3種のスパイスミックスだ。
そして、トリカトゥよりも日常的に使いやすいのが「ヒングアシュタカチュルナ」。
こちらは7種類のスパイスに岩塩が加わるため、調味料として使いやすい。
そんな有名な2つの消化力アップのためのスパイス薬剤を、ナッツの味付けに使ったのが「アグニスパイスナッツ」なのである。
欠かせないのがギー
アグニスパイスナッツは、2種類の味がある。
トリカトゥは、そのままだと辛いだけのスパイスなのでココナッツシュガー(血糖値をあげずらい甘味)とあわせて、ピリ甘味に。
ヒングアシュタカチュルナは岩塩の味を生かして、そのままピリ塩味に。
2種類の消化促進スパイスを使って2種類の味があるのだが、製作するときに両方に共通して使っているものがある。
それが、ギー。
アーユルヴェーダでもっとも優れた油脂と言われるオイルだ。
ギーは言うなれば、バターの不純物を取り除いたもの、バターを煮詰めた上澄み、バターオイルとも言われる。
このオイルは本来は牛乳から作るものだが、現代では主に無塩バターから作られ、インドでは神様の儀式にも使用する神聖なものでもある。
一方でランプのオイルとしても使われるが、バターの不純物(焦げる部分)がないので、燃やしてもすすが出ない。
これはつまり、体の中で消化されても(燃やされても)ゴミが出ないということ。いわば消化が良い、消化に負担をかけない油脂ということ。
アグニスパイスナッツはナッツをローストする際に、この素晴らしいオイルであるギーをたっぷりと使う。
アーユルヴェーダ的に素晴らしいからと言うのはもちろん、スパイスの多くは油とあわさることで、より香りや成分が引き出されるため、美味しさもアップ。
特にピリ塩味は、このギーによってスパイスをナッツにより絡める役割もはたしてくれている。
伏見醍醐とギーの深い関係
ところで皆さん、「醍醐(だいご)」という言葉の意味はご存知だろうか?
Wikipediaにはこう書いてある。
正確ではないが、「醍醐はバターオイルをさしている」と考えられていることが分かる。
実は「醍醐」とは仏教用語で、生乳を精製する以下の5段階の最上位のものを言う。
乳(にゅう)
酪(らく)
生酥(せいそ)
熟酥(じゅくそ)
醍醐(だいご)
つまり、ここから「物事の最上の味わい」という意味で「醍醐味(だいごみ)」という言葉が生まれたらしい。
ただ、この五味がそれぞれ牛乳のどんな状態を表すのかは、諸説あるようだ。
だが、上記のサイトによれば、北海道の帯広畜産大学の有馬秀子教授を中心としたグループが、かつて醍醐再現実験に挑んだレポートがあると言う。
実験の詳細については、上記サイトを見ていただくとして、
結果だけをお伝えすると「醍醐は液状の物体であり、要はバターオイルである」とされたそうだ。
もちろん諸説あるが、少なくとも『本草綱目(ほんぞうこうもく)』に基づいたこの実験によれば、「醍醐」はバターオイルである可能性が高い。
つまり、醍醐とはギーのことなのである。
「醍醐味」という言葉が最上級の味わいを表すように、ギーはまさに最上級の美味しさであることをさしているわけだ。
そして伏見醍醐の地名も「醍醐味」に由来しているらしい。
そんなわけで、伏見醍醐と言う地名は、アーユルヴェーダを愛する私にとっては縁を感じる地名なのだ。
その伏見醍醐のための場所を作ろうとするクラウドファンディングに、ギーを使用したお菓子は最適なリターンではないだろうか。
私はこっそりそう考えていたのである。
ギー(醍醐)を食べてみませんか?
近年、ギーは美容や健康に良いと、いろんなところで取り上げられるようになった。
とはいえ、まだまだギーを知らない方も多いと思う。
だが、
日本古来からの言葉とギーが深く関わっていること。
とても美味しいことの代名詞として使われていること。
そう思うと興味がわくのではないだろうか。
そう、ギーは遠い外国のもの、ではなく
はるか昔の日本にもあったかもしれない最上級のオイル。
ぜひ一度、ギーを味わってみて欲しい。
バターやオリーブオイルと同じように普通に調理に使ってOK。
そして、アグニスパイスナッツなら、きっと抵抗なくギーを体験してもらえるはず。
バターほど乳臭くなく、脂っこすぎることもない。
牛乳の最上級の味「醍醐」を食べてみてください。
そして、それが伏見醍醐で頑張る人の支援になります。
アグニスパイスナッツのリターンは、あと4枠です!
どうぞよろしくお願いします!!!
クラファンが成功したら「伏見醍醐」はおそらく「伏見ギー」と呼ばれることになるかも知れませんね…素晴らしい…!
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