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ホンダ・松下など、大経営者の隣りには「大番頭」がいる!!



1.この記事について

⑴ この記事の対象者と趣旨

 この記事は、ビジネスの現場で使える「経営数字の知識を身につけたい!」と考えている方に向けた内容となっております。

 特に「数字アレルギー」をお持ちの方や「ビジネス数字が苦手」という方に向けた内容となっており、よくある簿記検定試験など「問題の解き方」を主とする試験勉強ではなく、企業会計や経営分析などの「経営数字」でビジネスで活かせる内容のものをお伝えしていきたいと思います!

⑵ この記事の特徴

 ビジネスパーソンの皆さまは「お時間」はありません!なので、【5分程度】でさっと学べるように、「原理原則」を「簡潔明瞭」に解説することを心掛けております。

⑶ 前回までの記事内容

 前回の記事では「経営数字の観点からの格言集」について記事を書きました。
多くの会社の決算書を分析すると、「失敗には多くの共通点」があることがわかります。この格言集では、その「共通点」を集約して格言としてまとめております。

1.経済界で成功している人たちは皆、「数字」に強い!

⑴ 過去の偉人に学ぶ(大番頭の存在は会社成長の基礎的土台)

① 企業の成功の陰には会計データの有効活用がある
〜本田技研の大番頭=藤沢武雄氏のお話し

昭和のエジソンと言われた本田宗一郎さんを支え、本田技研を世界的な企業まで
育て上げた人物に藤沢武雄氏という方がいました。

「昭和30年になってから、私は銀座の越後屋ビルに部屋を借りて、そこに
一人で引きこもり、色々な企業の経営分析をやってみました。」


「その時分に好調だった東洋レーヨンとか、トヨタ、日産という同業会社、そして日立、松下電産などの有価証券報告書を基礎にして勉強しました。」
「経営に終わりはない」

-藤沢武雄著より抜粋

そう語る藤沢氏。
このように、藤沢さんは、他社の会計情報を分析して自社の経営に活かしたことが分かります。数字の側面から自社やライバルの会社を見る、このことで得られる経営上の気づきには大きなものがあると思います。

 本田宗一郎という天才技術者には、右腕としてそれを支える大番頭の藤沢氏の存在があり、この2人の両輪があったからこそ、本田技研は世界的な企業になったと思います。

② 経理が乱れると経営そのものが乱れる〜松下を支えた大番頭

NHKで放映されたテレビドラマ「神様の女房」をご覧になった方はいますでしょうか?

日本的経営の原点である松下電器産業(現パナソニック)の創業者・松下幸之助とその妻・むめの夫人の奮闘が描かれています。

会社を起こした当時は、自宅を作業場にし、空いたスペースを夫婦で寝床にするような生活でしたが、幸之助の家電に対する熱意と努力、そして、運と縁にも恵まれて経営の神様とうたわれるまでになりました。

その陰で支えたのが、むめの夫人の「プラス思考」と泰然とした姿勢だったのです。

むめの夫人は松下電器で働く従業員に寮と食事を用意し、挨拶や言葉遣いなどを徹底して教育していきました。

従業員に困ったことがあれば、とことん相談にのってあげ、従業員を家族同様に扱うという人を大切にする姿勢が結束力を生み、松下電器成功の引き金となったのです。

一人ひとりの個性を把握してトップに適材適所の人事を提言し、時にはそのトップにも苦言を呈する。文字通り女房役としてのむめの夫人の存在が松下電器の成長を下支えしたといっても過言ではないでしょう。

その後、松下電器産業株式会社となり、多くの利害関係者を有するようになってからは、高橋荒太郎という大番頭が幸之助の女房役を努め、松下の経営理念を礎にしながら「経理の乱れは経営の乱れに通ず」との立場から、常に経営 の羅針盤としてトップを補佐してきたのでした。

 大番頭である高橋氏は次のように語ります。

「経理は経営の羅針盤を作るところでもあるので、迅速かつ正確でなければならず、また常に公明正大なものでなくてはならない。経理が乱れたら、必ず経営は乱れる。いくら技術が進歩したといっても、経理の重要性は少しも変わらない。」
高橋荒太郎『語り継ぐ松下経営~名補佐役が語る若き人たちへの遺言~』

このように、事業の成功には、「社長」の経営力だけでなく、それを補佐する「大番頭」の存在が重要だというのがお分かりいただけましたでしょうか?

1人の人間でできることはたかが知れています。
本多や松下、ソニーなど、大企業に成長した企業には、このように「支える人」の存在がいますので、もし、そんな人がいない、ということであれば、探すか自社で時間をかけて育てていく、ということをやってみてはいかがでしょうか?

はい、今回の内容は以上です。

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