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『私の望む世界』

私の職業は、ケアビューティスト看護師。

何それ?から、
なりたい職業で『ケアビューティスト』と、名前が出る
職業になって欲しい。

ケアビューティストとは、介護×美容
介護(ケア)の中に美容の施術を取り入れるセラピスト。

『介護美容の素晴らしさをより多くの方に知って欲しい』との想いで、
この度、表舞台に出ることが苦手な私が勇気を振り絞り、
『BeautyJapanTokyo』と言う女性のキャリアを重視した
スピーチコンテストに出場する。

介護美容の目的は、高齢者に化粧をして「キレイになったね~」で
終わりではなく、キレイになることは、次の行動へのきっかけ作りだ。
メイク・ネイル・エステ・レクリエーションなどの
美容をツールとした施術でアプローチすることで
ADL(日常生活動作)とQOL(生活の質、生命の質)の向上を目指す。

お客様のADLや認知機能の状態に合わせた施術内容でアプローチをして
セラピストが全て施術するのではなく、少しづつご本人に実践して
もらうことで、手先のリハビリとなる。
また、自分で好きな色を選ぶ、香りを楽しむ、人から褒められるなどの
刺激は、脳も活性化させ認知症予防や進行を緩やかにすることができる。

そし て、一番は、心が動く。

私は、25年の看護師歴があり、加齢や病気、事故により寝たきりと
なってしまった患者様を数多く看てきた。

加齢や病気による筋力低下や機能不全で体が動かせなかったり、
治療により寝たきり状態が長く続くことで、更に体の機能は低下し、
高齢であれば認知機能も低下していく。

そして、人が生きていく上で一番大切な、心の健康が保てなくなる。

このような患者様の看護をするうちに、小さい頃からの憧れだった看護師としての理想は崩れ、コロナにより家族に会えないままバタバタと亡くなっていく患者様を看て、私自身が疲弊しやるせない思いで仕事をしていた。

また、私自身、両親の看病の末の看取りを経験し、親の最期は笑顔
過ごして欲しい。親の笑顔が見たい。親の笑顔の思い出が欲しいと
強く思っており、家族側の心情で患者さんを看るようになっていた。

そんな時、介護美容と出会う。介護美容を勉強して介護美容の素晴らしさを知り、コロナ禍で面会も制限され暗い日々を送っていた患者様に施術がしたい、スタッフにも協力してもらい楽しんで欲しい、ご家族にも写真を通して患者様の元気な様子をお伝えしたいと上司にプレゼンをして病院の患者様に介護美容をすることに・・・。

『私を、ギャルにして!!』

これは、80代の寝たきりの患者様の言葉。(以後、Aさん)

介護美容の承諾を得ようとしたら、いきなりこの言葉を言われ
私は、驚きと嬉しさで一瞬で泣いてしまったことを覚えている。

Aさんは、東北出身で東日本大震災により家が無くなり、東京に住む一人息子さんをだけを頼りに、80代で上京したが、自宅での介護は難しく
入院したところ、まさかの息子さんが急死。

毎日「早く死にたい。ご飯なんて食べてもしょうがない。」と言い、
車椅子に乗ることも拒否をし、日に日に体力も落ちていった。

同じ東北出身ということもあり、そんなAさんをほおっておくことが
できず、時間が空けば、介護美容を勉強していることを話しており、
私の初めてのお客様がAさんだった。

化粧をしながらAさんは、東北なまりで話してくれた。
「私ね、田舎にいる時は、化粧なんてしたことが無かったんだ。
ずっと専業主婦だったから。でも、せっかく東京さ来たんだから、
渋谷にはギャルがいっぱいいるんだべ?ギャルみだいになってみだい。
ずっと病院の中さいるんだもの。テレビで見たギャルにみだいに
なってみだい。やってみだことないごどやってみだいんだ。」と
目を輝かせ、毎日「早く死にたい」とふさぎこんでいたYさんは
そこにはいなかった。

アイラインをがっつり引いて、ネイルの希望も「やっぱ赤だな。」って。
拒否をしていた車椅子にも乗り、真っ赤なネイルをスタッフに自慢し、
「ギャルにしてもらったんだ。」って得意げな笑顔を見せてくれた。

Aさんに「また化粧をして、次は渋谷に行きましょうね。」と
言うと「おばあさんが、ギャルの化粧して行ったら、みんな驚ぐべなあ」って未来を想像して笑っていた。

その後、Aさんは食欲も増し、車椅子に乗る時間が増えるようにと
リハビリも頑張るようになった。

『心が動けば、体が動く』これが、介護美容の真骨頂

介護美容は、ミラクルを起こす。

写真方は、残念ながらAさんではないけれど、ベットにいながら
ネイルをしただけで、こんな笑顔になり小躍りまで見せてくれた。

その姿を見た介護スタッフやご家族様も笑顔になる。

ケアビューティストが介護、医療現場で活躍することにより、
食事介助や点滴、傷の手当、治療の為の業務をこなし、入浴介助や
オムツ交換などの体を清潔に保つ為の仕事に追われているスタッフに
代わり、介護施設のご利用者様や入院している患者様の
一人一人のケアができる。

介護美容を受けると、対面でお一人お一人に接し触れる為、タッチセラピーの効果で幸せホルモンが出て、痛みや苦しみ、孤独感、病気や老いによる
恐怖や不安などから救われる方が増え笑顔が増える。

美容でワクワクやドキドキ、トキメキの感情から、キラキラの笑顔になる。

ADL(日常生活動作)が向上し身の回りのことが自力で出来るようになれば、介護、看護スタッフの負担も減り、スタッフも笑顔を取り戻す。
QOL(生活の質、生命の質)が向上し、生き生きとした姿が見られれば、
施設や病院に親を預けている家族も安心することができ、笑顔になる。
親のキラキラの笑顔を見たことは、一生の思い出になる。

私の、ケアビューティスト看護師の屋号は『笑むけあ(えむけあ)』

年齢を重ねても、病気で体が動かなくても、認知症になっても、
いつまでも自分らしく笑顔でいられるように、
自分らしく最期を過ごして欲しい。

病んでいる方、介護、看護をする方、ご家族
みんなの笑顔が増えて欲しい。

笑顔になっていただくために、介護、医療の現場に美容が当たり前になり、ケアビューティストが活躍する世の中になって欲しい。

そして、私自身がみんなの笑顔を見て幸せになる為に
みんなを笑顔にするけあをして『笑むけあさん、また来てね~』って
言われたい。

寝たきりだって、おばあちゃんだって関係ない

私を、ギャルにして!!』って言わせたい。

これが『私の望む世界
























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