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青いパステル画の男/アントワーヌ・ローラン、吉田洋之(訳)








図書館で借りてきたアントワーヌ・ローランの小説
「青いパステル画の男」を拝読しました📖´-
(2023,2,22 読了)




骨董コレクターの弁護士がある日出会った肖像画により、人生が大きく変わっていく物語です。
「ミッテランの帽子」「赤いモレスキンの女」に続く第3弾。
アントワーヌ・ローランにとっては本作が処女作なのだそう。



自分以外の人生を生きれるとしたら…
そんなことを想像したことがある方もいらっしゃるのではないかと思います。
私は特定の人を思い浮かべたことはないけれど、もし今の人生以外の人生を歩んだとしたらどうなっていたかということは想像したことがあります。
でも結局はそんなことができるはずもなく、自分の人生を生きていくしかないのですが、この物語の中で、主人公は他人の人生を歩んでいくことになります。




アントワーヌ・ローランはもしかしたらを叶えてくれる大人のファンタジーを描くのがとてもお上手。
ひととき現実を忘れ夢想の旅を楽しませてくれます。
そして読了後に夢から覚めた読者の私はまた現実を見て絶望するのかというとそんなことはなく、現実の人生もまたこれはこれでいいものではないかと軽く微笑みたくなります。




小説の良さとはこういうものだよなと改めて感じたりもします。
時にはリアルさを求めたくなる時もありますが、なんでもリアルに描けばいいというものでもなく。
夢を見させて欲しい時もあるのです。





ただね…
アントワーヌ・ローランはこれで3作目なのですが、前に拝読した「ミッテランの帽子」と同じく今作も引っかかる箇所がありました。










誤訳なのか、印刷ミスなのか。
小さなことですし、ここを気にしなければ物語自体は楽しめるのですが、私は気になってしまって😱
なんだか少しだけモヤモヤが残ってしまいます。




まぁ、モヤモヤは残りましたが物語は総じて楽しめました。
あとね、「フォカス氏/ジャン・ロラン」という作品が本作のキーパーソンとなるように感じます。
こちらは今図書館で借りているところなので拝読して、「青いパステル画の男」をもう少し深掘りしたいと思っています。












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