事実はコントより可笑し
私の働いているお店でのこと。
5月半ばから始めたランチ営業がだいぶ周知され始め、その日も次々に来店するお客様で賑わいはじめた頃に悲劇は起きた。
調理場にあるグリストラップが詰まってしまい、調理場一帯が汚水塗れに。
グリストラップがわからない方はこちらをご参考に。
蓋を開け、応急処置として溜まっていたものたちを掻き出してみたが、汚水は一向に流れていかない。
手の施しようがないので、業者を呼んで処置して貰うことに。
業者が来てくれるまで、そのまま放置して、私たちは各々の仕事へと戻った。
私は、ドリンク場へ行きお客様へお出しするお冷を用意しようと思ったその時。
ガクッと脚がすくわれた。
そうだった、グリストラップの蓋を開けたままだった。
私は勢いよく汚水塗れのグリストラップにハマってしまった。
グリストラップにハマった私を見て、店長と若手社員くんは唖然。
ハマった私は、お客様の手前悲鳴を上げる訳にもいかず、冷静にグリストラップから抜け出し、汚水塗れのままササッと裏手にある更衣室へ。
不幸中の幸い、お客様には気付かれなかった。
だがしかし、私はもう使い物にならない。
ランチ営業は2人に任せ何とか無事に終えた。
ちょうど営業が終わった頃に業者が到着し、グリストラップの詰まりも改善されてめでたしめでたし。
私も体を綺麗にし、新しい下着、靴下、草履を購入し、何とか夜の営業を迎えれそう。
ただ、このハプニングで気分は一気に消沈してしまってたのだが…
そんな私にお構い無しに、店長と若手社員は大爆笑。
「あんなに見事にグリストラップにハマる人初めて見た。」
「コントより面白い。」
人の気持ちも知らず好き勝手言ってくれるものだ。
私だって、まさか自分が汚水塗れになるとは夢にも思っていなかった。
まさか、体を張って笑いを提供することになろうとは。
人生長く生きていると色んなことがあるものだ。
もう二度と汚水塗れになる経験はしたくないけれど、語れる笑い話が出来て良かったと思うようにしておこう。
これまでも色んなハプニングを乗り越えて生きてきた。
私の人生そのものがコントのようだ。
因みに怪我はかすり傷程度。
笑いに変えれたので心もかすり傷程度。
皆様、グリストラップには充分にご注意を。
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