薬屋のホンネ ~子育て世代へ、インフル薬が効かなくなる?
前回、入荷しないタミフルドライシロップの代わりに、他の子ども用インフルエンザ薬を紹介しました。
比べてみたところ、結論は、
タミフルがダントツ使いやすい、
でした。
そして最後に、
タミフルでも吸入薬でも点滴でもない、子ども用インフル薬、
「ゾフルーザ」
が出てきました。
ゾフルーザは錠剤と粉薬があり、
しかも、どちらも、「子どもが飲んでいい」と、国が認めてます。
じゃあ子どもはゾフルーザの粉薬でいいじゃん、
と思いがちですが、実は隠れた落とし穴があるので、「子ども」にはあんまり出ないと思います。
なぜなら、「子ども」がゾフルーザを飲んだ場合、
「薬剤耐性ウイルス」、
つまり薬が効かない変異インフルウイルスが、他のインフル薬に比べて発生しやすいのです。
ウイルスがヒトの体の中で増えるときって、分身(正しくは「遺伝子の複製」)をするんですが、たまに元のウイルスとちょっと違うものができたりします(正しくは「複製エラー」)。
その、エラーの分身が、たまたま薬に強かったりすると、薬が効かない分身が、そのままどんどん増えていきます。
インフルの薬は、基本、ウイルスが分身しないよう設計してあるので、薬剤耐性ウイルスが分身するのを止められません。
今回のインフル薬ゾフルーザは、他のインフル薬と比べて、「子ども」が飲んだ時に、この薬剤耐性ウイルスの発生率が高いのです。
これじゃあ子どもに使いづらいですよね。
ちなみに、最新のガイドラインだと、ゾフルーザは年齢によって、飲んでいいお勧め具合が違います。
年齢が小さいほど、「やめとこう」になってます。
詳しくは後日、続きを書きます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?