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シミと魅力

朝、メイクするときに鏡を改めてまじまじと見ていると、頬骨まわりから目の横あたりにかけて細かいシミがポツポツと、わりと沢山現れていることに気がついた。

「ふむふむ。急に増えたな。了解。」としばし観察し、反射的にちょっとショックを受ける。でもこのショックに違和感があったのでふと立ち止まってみた。

このショックって、私オリジナルのものなのか?それとも、世間のあらゆる情報からくる「シミは嫌うべきもの」という刷り込みから来ていないか。

内観した結果、このショックは主に後者から来てるな、と気づいた。

だって、そもそもシミってそんなに目の敵にして消したり、ファンデで隠したりしないといけないものなんだろうか?

わたしの勝手なイメージでは、欧米の女性、特にヨーロッパあたりの女性ってそんなに気にしていない気がする。そのまんまの肌で屈託無く笑っていて、それがチャーミングでマチュアな雰囲気を醸し出しているというか。

そりゃ子供や少女にシミはない。でもそれは生きてきた年月がまだ短いからであって、自分のようにある程度の年月を生きた人間が仮にシミひとつなかったら、「え、この人今までずっと日陰で生きてきたわけ?」と逆に寂しい印象を与えるかもしれないし、あるいは生き物として不自然な印象を与えて、見ている側は本能的に違和感と怖さを感じるのではないだろうか。

そう思うと我が顔に存在するシミひとつひとつがちょっと良いものに思えてきた。むしろ、良いと思う方が自分にはしっくりくる。

「これは去年友達と散々ウォーキングした時期にできたやつかな」「これは何年か前のフェスで一日中炎天下にいた時のやつかもな」「これは何年も前のハワイのやつですか?」と思いを巡らせると、シミって楽しい人生の時間があった証拠なのではないか。

大人にしか出せない、ここまで生きてきたからこそ出せる雰囲気。

もちろん物事に良い悪いはないから、シミを消すことをおかしいとは思わない。自分だって今後どうしても気になる位置に大きなシミができたりして、それが精神衛生上キツかったら美容医療の力を借りるかもしれない。メンタルが最優先。

けどそこまででもないのなら、これらはなかなか滅ぼすには勿体ない代物だとも思う。

シミは笑顔に成熟さと貫禄を与えるし、生身の人間らしくてセクシーじゃん、と思ったのでした。

画像:unsplash

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