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躁うつ私の場合 #10〜私を能動的にしてくれたもの〜

うつ症状の代表的なものと言えば、行動意欲の低下です。

私の場合、仕事をやめて実家へ帰ってからの3ヶ月間は、出されたものを食べる、テレビ番組やネットフリックスを見るなど、受け身のスタンスしかとることができませんでした。

読書など脳を使うことは受け身であってもできず、着替える、入浴するなどの基本的な生活行動でさえも億劫でした。

そんな受動的な生活からほんの少し抜け出すことができた時のお話です。

突然の興味と購買意欲

私はある夜、毎週録画にしているテレビ番組「関ジャム」を見ていた時、ギターをやりたくなりました。

出演者である有名音楽プロデューサーが、ある曲のコード進行について解説し、その曲の特徴を説明しているのいうのはこの番組ではよくある光景ですが、

私はこれを見て、突然コードを理解したくなったのです。

ギターなんて弾いたことはもちろん触ったこともなかったのですが、どうしてもやってみたくなりました。

今まで大半の時間をYogiboにお尻を沈める生活していたとは思えぬスピードで、私はどうすればギターを安く手に入れられるかを考え、メルカリを会員登録し、4000円のギターを購入しました。

活動から得る心地のいい疲労感

私は基本的なコードから練習を始めました。

初日、狙った音が出るまでには時間がかかりましたが、G・C・Amの3つのコードを習得しました。

私は疲労を感じました。

この疲労は、ギターを弾くという明らかな活動をした故の疲労で、心地の良いものでした。

久しぶりに脳が活性化されたような気がしました。

この日から私は取り憑かれたように毎日ギターを練習しました。

単純にギターを弾くことも楽しかったけれど、何も生み出すことのない時間がただ過ぎていた今までに比べて、何か生産性のあることに時間を使っているという実感が満足でした。

うつで苦しんでる人に思い出して欲しいこの感覚

私はギターをきっかけに、うつ状態になって以来初めて、充実感を感じるようになりました。

ここまでくるのには、薬の力や休養の時間がある程度必要なのかもしれませんが、誰にでもこの瞬間、充実感を取り戻す瞬間は訪れるのだと強く思います。

二度と自分には幸福感や充実感などは感じられない、と思うかもしれませんが、小さくて大きな進歩は急に現れます。

そしてそれがたとえ小さな幸せであっても、うつになる前の自分よりそれは貴重に思われ、自分にとっての自信につながると思っています。

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