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発酵のはじまり

発酵食品と聞いて、何を思い浮かべますか?

チーズ?
ヨーグルト?

発酵食品は国籍問わず、世界中で食べられているもので、わたしたちの食生活と切っても切り離せないもの。

鰹節、醤油、味噌、酢、本みりん、など
和食には欠かせない調味料から
納豆や紅茶、日本酒、焼酎、ワインやビール、
甘酒まで。
まだまだたくさんあって書ききれない。


発酵食、どれも美味しいですよね。


チーズは遊牧民の移動中に偶然生まれた

遊牧民が移動中、羊の胃袋で作った水筒に詰めた乳が固まったことからチーズを発見したのが発酵食品の始まり。

羊の胃袋の中にはレンニンという酵素があるので、
歩いている間に乳が固められ、チーズになったと
考えられています。

羊の胃袋で作った水筒に乳を入れていたところ、
その乳を飲もうとすると、出てくるのは透明な液体と白い固まりだけ。その白い固まりをおそるおそる食べてみると、それはおいしくて何ともいえない味だった

アラビア民話 (紀元前2000年頃)

なにやら、液体と固まりに分かれていた。それを恐る恐る食べた人の勇気が凄い。
人間の本能でしょうか。お腹が空いていたのでしょうか。
その後、発見したことを伝えてくれてありがとうですね。

日本では口噛み酒


日本では縄文時代後期の「口噛み酒」が発祥。
諸説ありますが、先ほどのチーズと同様
偶然から生まれたものには違いがありません。
木の実や穀物を口で噛み、壺のような容器に貯めることで、唾液に含まれる消化酵素がデンプンを分解しブドウ糖を作り空気中の酵母が混ざり込み、アルコール発酵し酒になったのです。


さかのぼり、縄文時代中期には山葡萄の果実を土器に入れ、その実を潰して蓋をし、酒を作ったとか。これがワインの原型とも言われています。

凄くないですか。縄文時代にはすでにワインの原型ができていたとは。

今も尚、数々の発酵食が重宝されているのかと言えば単純に身体に良い、そして美味しいから。
それと、理論があるから。


腸内環境を整える、とか
抗酸化作用があるなど。酸化は老化を意味するので
それを止めるなど、他に思い浮かばないくらい。
悪いことが浮かばない発酵ですが発酵ってなに?

そもそも発酵とは?


発酵というのは、微生物が食物に働きかけることで
変化をし、人間にとって何かしらの有益なものに変化すること。
発酵は微生物ありきです。

微生物には3種類あり
▪︎細菌
▪︎酵母
▪︎カビ
が主なもの。

こう聞くと、うわっ!やばいんじゃない?!
と感じるけど、どれもこれもわたしたち人間と
同じ生きているものです。
微生物様々(さまさま)です。

その中でも今回はカビについて。

麹カビ(麹菌)



カビの代表に青カビ、麹カビ、カツオブシカビがありますが、そのなかでも麹は中国から伝わり、千年と少し前に日本化されました。

余談ですが、糀と書く場合もありますが
漢字通り、米に麹カビをつけるから。
麹も糀もどちらが正解とかではなく
原型の中国では麦や雑穀を使っていたので
米を使うのは、ジャパナイズされたものです。


青カビはブルーチーズなどの限られた食品で
ゴルゴンゾーラも有名ですが
麹もカビの一種で、実は日本の国菌です。
国菌はアルペルギルス・オリゼー
和名では麹菌


味噌、納豆も麹菌がなければ作れないし
日本の環境でしか増やせないカビです。
体にも良い影響がある発酵食品ですが、
それ以外に発酵食の魅力をひと言で言えば
予測できない変化の楽しみがあるから、です。

日本人の味覚の特徴、旨味


発酵の楽しみのひとつに
旨味を増す、があります。
日本にしかない旨味という味覚。


旨味に関しては
日本人の舌は感じ方がダントツだとか。
出汁の文化で慣れ親しんでいるせいか
他の国にはない感覚らしいです。
日本人には当たり前すぎてわからない感覚かもしれませんが。


発酵食はそのまま食べてももちろん美味しいですが
味噌汁のように
違う食材同士をうまくまとめたりするときにも
重宝します。

発酵と腐敗の違い



発酵も腐敗もしくみは同じですが、
発酵と腐敗の違いは
人体に悪影響を与えないか。


腐敗は硫化水素やアンモニアなどの不快臭を生じます。タンパク質が分解され、人に有用な物質ができる場合は発酵と呼ばれます。


人間の心や体も発酵みたいなものだと思うんですよね。

発酵みたいに
見えるところ以外の知らないところで
実は進んでいることとか
目にみえなくても
実は前に進んでいることは
例えば人からは見えないかもしれません。
発酵は唯物論ではなく唯心論に近い。
それは今はわからないけど
確実にあるもの、という意味で。

お読みくださりありがとうございました。



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