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何かを始める時のきっかけ

※2023年の記事。現在はサロンでの施術は引退しました


わたしは、色んな仕事(複業)をしていますが、
その中のひとつが
自然派美容師です。

自然派美容師というのは、
ケミカルフリー(薬剤を使わない)で
カットやカラーをします。
縮毛矯正やパーマはやっていません。

カットをはじめ、
ヘナで白髪を植物染めをしたり
ハーブを使ったヘッドスパを
しています。


具体的にはヘナという北アフリカや西南アジアに生息する植物だったり
髪に良いとされるハーブ(アムラ、ブラーミ、シカカイ、ローズなど)を使って
髪のケアをしたり、整えたりします。



今日はなぜ、あえて植物を使って
ケミカルを減らしたのか?を
書いてみます。


10年前に比べたらだいぶメジャーになったのですが
ヘナはまだあまり一般的には認知されていません。
わたしが美容師になった当時はもちろん
ヘナの存在は知りませんでした。
怪しいな、なにそれ。くらい。

個人的にはありがたいことに肌荒れもなく、
アレルギーもない、
これといってケミカルを避ける理由もなかったし
パーマもカラーリングも縮毛矯正もシャンプーも
トリートメントもする、ごく普通のサロンに勤務する美容師だったので、ヘナは特別に興味もなかったんですよね。

ヘナを初めて目にしたのは1998年くらいだったと。
当時アシスタントをしていたサロンで使っていたのは実はヘナではなかった(100%天然ではない)と
知ったのは随分と後のことです。



あんなに興味がなかったのに
なぜやっているの?

ヘナを始めたきっかけは
「自分が白髪が出始めた40代の始め頃。
散々迷って、
ある情報に出会い、実際に使ってみて
今までにない心地よさを感じたから」

という、とても単純な理由でした。

単純ではあるけど純粋なこと、
▪️自分で染められる
▪️髪が傷まない
▪️ストレスがない

このうちの
ストレスがないこと
が最大の理由でしたね。

それで、違和感に気づいた。
「違和感」はふだん見過ごしていることもあります。大した事ではない、とかって打ち消しちゃうんですよ。

わたしは、毎月カラーリングを使って髪を明るくしていたのは何故だろう?って。
仕上がった髪はツルツルで色も綺麗だけど、
頭皮がピリピリすることにはずっと目をつむっていた。

綺麗になるため、理想にするには我慢も必要だよね
!みたいな。女子高生が真冬にミニスカートを履いて本当はお腹が冷えてるのに大丈夫!!みたいな感覚ですかね。


違和感がないことに出会ってから
本当に望んでいることに気がつくことがあります。
逆パターン的な。
目をつむる、誤魔化す、こんなもんだよね、と
半ば諦めていたことに、気づいてしまったら
もうそこには戻れない。

こういう日常の何気ないことのなかに
なんとなく選んでなんとなくやっていることが
多くなると、なんとなくな毎日になるってことにも気づかなくなるんですよ。

ほどほどでいーや、みたいな。
選んだものにも大して理由もないし
面倒だからこれでいい、と。


自分が何を感じて何に喜び、何を選ぶのか、の
一番大切な自分の選択基準がわからなくなっていくしくみがわかった。

もちろん、カラーをしていることが悪!とかって
言いたいんじゃないです。

誰かの意見に流されてるな、とか影響を受けるなんてことはほとんどの方があると思うけども
実はどんなひとも
自分の感覚以上に正しいことなんてないはず、
ってこと。


なにをやる時にも熱量って実は大事。
選ぶ理由。


人が動く理由は「熱量」を感じたとき。
何かを使い続ける理由です。
そうは言っても、人間は変化する生き物なので熱量がなくなったらパーマやカラーのように突然やめるかもしれない、という気軽さももちあわせてはいますが。

染めない、っていう選択肢もありますから。

自分以外の何かや誰かを盲信するって
自分の純粋な感覚を見失うんですよ。
怖いことだなって。
頭で言い聞かせちゃうというか。
だから、別の角度から見て、無理のない範囲で
全く逆のことを少しだけ取り入れてみるのも時に必要。

違うことには、心も身体も素直に反応しますからね。


ここ7年くらいは、
わたしにとってヘナやインディゴは
不思議な存在。今でも興味は深まるばかりです。


せっかくなので
なぜ、染まるのか?という話をしましょう。

ヘナの産地と学名


ヘナはインドやアフリカなど
主に北アフリカから西南アジア、イスラム圏に生息するミソハギ科の植物。
ローソニア・イナルミスという学名です。
LAWSON氏というイギリスの学者によって命名されたとか。

和名で指甲花(しこうか)、妻紅(つまくれない)

その名前の通り、ヘナの色素で指先や手の甲を彩るときに使われていました。インドではメヘンディアート、なんて呼ばれ古くから使われています。

ヘナと呼ばれているのは、
ヘナの葉を乾燥させ、細かく粉砕したもの。
エジプトやインドでは古代から使われ、
民間療法としても
使われていた、インドのひとにとっては身近な植物です。



ヘナの正体

ヘナの色素はローソニアという成分。
(これは、オレンジ単色しかありません。)

ローソニアは髪の大部分の成分、ケラチンタンパク質に染色するというイオン結合により染まります。
ヘナはマイナスイオン、髪はプラスイオン。
アルカリ剤を含まないため、メラニン色素は分解しないので、黒髪を明るくすることはできません。
よって髪が傷むことはありません。


この、傷まないってメリットがとても大きいと
思うんです。
傷むと、艶はなくなりパサつくからトリートメントしなきゃならない。したらしたで、継続が必要。

傷ませて、トリートメントを勧めるって
悪徳業者か?!って思っちゃいますが、、、
(あまり声を大きく言えませんが。美容業界の…)


ヘナは使うたびに髪の水分量も保有されやすくなるので、コシも出て乾燥しづらくなります。
保湿によりまとまりもよくなり、結果お手入れもしやすくなる、という好循環。

わたしは最初から自然派だったのかというと
冒頭に書いたように
決してそうではなく、むしろ逆サイドの人間でした。

店に立つ立場もあり、
パーマはもちろんカラーリングも需要を持たせる理由も知っています。回転率とか高単価とか。


黒髪は地味。ヘナなんて怪しい。と思っていたわたしなので、最初周りはびっくりしていましたね。
これは世代的な価値観もあると思います。
外人至上主義、みたいなね。金髪や白人が素敵で
アジア人や日本人は劣ってる、誇りを持てないという悲しいこと。

最近の若い人たちは
日本人の良さだったりをちゃんと理解した上で
新しいオリジナリティを確立しているように
見えて素晴らしいなって思います
(誰目線?)


日本人やアジア人の黒髪はとても美しく、
しかも、艶があるのがまた素敵。
ヘナはクレオパトラの時代の人がするもの、
こんな何でも揃う時代になんであえてそれを選ぶの?
って言った美容師もいるけど
確かにそうかもしれないけど
わたしがやってみて心地よかったから
という理由でいいと思う。

言葉じゃなくて
実際に使わないとあやしくなっちゃう。

何が言いたいかって
自分の感覚ってとっても大事ですね。

わたしの感覚は、あなたとは違うし、
あなたも、誰かの感覚とは違う。

だけど、自分がしていることが
認知されていなかったり少数派だと多数派に飲み込まれたり
誰かに言われたことをそのまま確かめもせずに取り入れて
自分の感覚に鈍感にしまっていることも
あるかもしれませんよね。


フォロワー全盛期時代ですもの。
さっきの、クレオパトラ発言みたいに。
そんなことを言われたら誰だって良い気分にはならないものの、それもひとつの考えで。何を感じるかは個人の自由だから、それも正しいわけで。


だけど感覚は自分だけのものです。
自分の髪や肌に触れて実際に確かめて良かったものは、誰がなんと言おうと気になりませんよね。
あなたとわたしは違う、というだけのことだから。


ヘナに限らず、色んな活動や趣味嗜好、考え方
全部に通じることです。

ヘナが髪や頭皮を傷めないことはもちろんですが、
髪を染めるたびに、面倒だとか
嫌、と思う感覚がないことは
最大の魅力。
カラーリング特有の
ツーンとした匂いがなかったり
(最近のカラー剤は、匂いを消すための薬剤を入れるとか。良い悪いは別としても努力がすごい)
地肌がピリピリしない、というのも嬉しい。
肌が緊張しない、というのが
一番しっくりくるかも。


そして、どうせ選ぶなら
徹底的に良いものを使いたいし
使ってもらいたいなって。


ですので、何から選んでいいのかわからない、
なんていう方は
わたしが使ってみて良かった製品を
美容師目線でご紹介します。
(この流れ結局宣伝かよって思われそう)

当たり前ですが、押し売りなんかしませんので
ご安心を。


白髪のままでも大丈夫!というグレイヘアにしたい方は関係ないと思いますが
かぶれたり、地肌の悩みがあって
白髪を染めるのを諦めていた方には
ぜひ知っていただきたいなぁと思います。


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